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果たして吉と出るか、凶と出るか――トランプ感染 ?
[日本の政治]
2020年10月5日 23時40分の記事

昨日の本ブログ「果たして吉と出るか、凶と出るか――トランプ感染 ?」(2020年10月4日)の続きです。

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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健康問題で支持率が急上昇したアベ政権末期
さて、話を戻すと、新型コロナウイルス防疫対策で批判されまくってきたアベ氏は、この健康問題による辞任発表で、以下の記事のように支持率が急上昇しました。

「政権末期、安倍晋三内閣の支持率が上昇。『異例の高さです』 各社の世論調査で傾向明らかに」(2020年9月7日 ハフィントン・ポスト)

これにはさすがに驚きましたが、さらに思ったことは世論調査が改ざんされているのではないかということでした。しかし、世論調査が改ざんされていると考えるとキリがないので、そのようなものはなかったという前提で今回はお話しをしますが、このような結果が出たのは、健康問題への反応として、やはりブラジルと同様に、同情、反アベであっても敵意を失い、健康問題で辞めるのだからいいじゃないかと水に流したという要素は非常に大きいでしょう。また当然、健康問題で批判もしにくくなったこともあります。
このような感情的・感傷的反応は、アベ辞任表明に対して「大事な時に体を壊す癖がある危機管理能力のない人物」(8月29日 朝日新聞)とツイートした立憲民主党の石垣のりこ参院議員へのバッシングが殺到、謝罪に追い込まれたことでも明らかでしょう。

「首相を『大事な時に体壊す癖』 立憲・石垣氏がツイート」(2020年8月29日 朝日新聞)

仮に、石垣氏のツイートが、清廉潔白な嘘のない実直な方への健康問題に対するものなら、批判があっても仕方がないと思います。ただ、アベ氏の場合はまったくそのようには思えません。ホントにまったく。
アベ氏は8月28日に健康問題で辞任を発表した後、入院するわけでも、自宅療養するわけでもなく、辞任発表後の政権末期に政策をどんどん行い、辞任発表から2週間弱の時点で、人と会食して、コース料理をペロリと平らげ、9月15日には新聞のインタビューで新しい薬で体調は万全と答え、その後も体調は万全と公に述べているわけです。実際、7年8ヶ月の在任中と何も体調は変わっていないわけです。
普通に8月28日から現在までのアベ氏の言動を観れば、健康問題とは単なる仮病であって、無責任な2度目の政権投げだしと言われても仕方ありません。石垣氏のツイートを10月初旬の時点で振り返れば、それは間違いなく的を射ているわけで、石垣氏をバッシングした反応は明らかに単なる感情的・感傷的なものです。そして、そのような性格であるからこそ危険なのです。
石垣氏のように、明らかにおかしいことを批判することは、日本の政治を守り、民主主義を守る上で間違いなく確実に必要なことでしょう。しかし、健康問題と言うことを全面に出されると批判しにくくなりますし、また批判をすれば感傷的、情緒的な反応が激しくなり、まっとうな批判であっても、それがかえって非難されることになるわけです。このようなことは非常に怖いことです。一種のファシズムです。
アベ氏のように一国の首相として言動が明らかにおかしく、無責任な言動が顕著な政治は許されるべきではありません。さらに、その無責任な政治的言動に同調してしまえば、無責任な政治的行為の再発を許すことに当然なります。
実際、第一次アベ政権での政権投げ出し時の真実をしっかりと究明していないことが、再発とも言える今回の辞任劇のシナリオに影響していることは間違いないと考えます。検証をしっかりと行っていなかったことが、再発を許すことになるのです。日本社会のとても悪いところは政治に対する検証をしないことです。だから、歴史学が育たず、同じ過ちを繰り返すのです。公文書改ざんをして平気な顔して政権を続け、それを許す社会というのが、そのことをはっきりと示しています。
公文書改ざんなどをして、無責任に政権を長くやり、さらに何も成果を出さず、次から次へとスキャンダルが噴出してきたのですから、アベ政権に対しては徹底的に検証を行うことをしなくてはなりません。それが日本の政治を守り、民主主義を守ることに繋がります。そうしなければ、また同じような政権の出現を間違いなく許すことになります。それでは単なるバカということです。
上記のハフィントン・ポストの記事にあるように、この問題と疑惑が山積したアベ政権に対して、健康問題と言うことで「71%が、安倍首相の実績『評価する』」(9月7日 ハフィントン・ポスト)ということでは、やはり将来に禍根を残し、同じ問題ある政権の出現を許すのです。今のままでは、日本国民は扱いやすい国民というに過ぎません。
仮に7年8ヶ月のアベ政権が善政で、誰もが素晴らしいと評価する政権であっても、しっかりと再検証をし、責任を明確にしなくてはならないのです。そのようにするしか、悪政を抑止し、民主主義を守ることはできないのです。むしろ、善政を行った政治リーダーならそのような再検証を堂々と受けることでしょう。やましいところがないからということもありますが、むしろそのような再検証が未来の善政に繋がることを知っているからです。
アベ政権は過去の実績というにはあまりにも問題が多く、その成果のなさはお粗末の一言に尽きます。アベ政権7年8ヶ月に対する再検証は、最低でも7年8ヶ月と同じ時間をかけて徹底してすべきです。そうしなければ、当然、日本の政治を壊し、民主主義を破壊することになります。中国の独裁を批判するのなら、まず自分の足下のアベ最長期政権の再検証をし、責任を明確にすべきでしょう。アベ政権7年8ヶ月への検証のなさは、明らかに民主主義を否定し、独裁を容認するものです。
辞任後にアベ政権への支持率が上がったのは、健康問題が全面に出されることによって同情が集まり、反アベは敵意を水に流し、そして健康問題で批判をしにくくなったからであるのは、間違いないでしょう。ある意味、辞めるというので国民からのハナムケということはあります。
もちろん、アベ政権のようなどうしようもない政権が、辞めるという決断をしたことに支持を表明したという人も少なからずいたことでしょう。つまり、よくぞ辞める決断をしてくれたという支持です。
そして、ここではっきり言えることは、アベ辞任の理由が、健康問題でなければ、辞任発表後にここまで支持率が上がることはなかったということです。新型コロナウイルス防疫対策の失敗や経済失政、またはスキャンダルで責任をとって辞めていれば、間違いなく同じように辞任表明後に支持率は上がることはなかったでしょう。そして、アベ政権7年8ヶ月の間、そのような理由で普通の政権なら崩壊していたことは何度もあったのです。

さらに、そのような辞め方であれば、辞任表明後、2週間も首相の座にとどまることは許されなかったでしょう。また小渕元首相のように在任中に病に倒れれれば、当然、政権にとどまることは不可能です。このように政権にとどまることが不可能になれば、首相代行が権力の空白を埋め、2週間も経たずに即座に次期首相が選出されたことでしょう。しかし、アベ氏は様々な政策を、最後の約2週間にまさに最後っ屁のように精力的に進めていました。この辞め方と精力的に政策を進めた最後の約2週間にアベ政権7年8ヶ月の本質があるのです。よって、当然、その辞め方は目的をもったシナリオであると考えるのが自然なのです。

いずれにせよ、公文書改ざんまでして延命して、最後は明らかな嘘と考えられる健康問題で辞任を発表し、支持率が急上昇するというのでは、ちょっと日本人は甘すぎます。これでは期待通り、シナリオ通りの反応です。
さらに、マスコミにいたってはこの政権最後の時についての検証すらまったくできていません。日本のマスコミはまったくのバカの集まりです。
いずれにせよ、一国の政治トップの健康問題というのは、このような支持率を上げる反応を引き起こすのです。トランプ感染についても同じようなことがある可能性があります。

「果たして吉と出るか、凶と出るか――トランプ感染 ?」(2020年8月6日 作成中)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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