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斉藤・PR会社問題 これはちょっと安すぎるという感想
[日本の政治]
2024年11月25日 21時33分の記事

兵庫県知事選挙に関する、斉藤・PR会社問題で、斉藤⇒PR会社の支払いは11月4日に70万円あまりだったことが、斉藤側から明らかにされました。無論、これは公職選挙法違反が指摘されている問題での、当事者の発表なので、これが全てと言うことはありません。今後、警察などの捜査があるかもしれませんので、真実はまだ明らかではなく、あくまでも一当事者の見解に過ぎません。ただ、以前、政党の広報をやっていた私からすると、この70万円という金額に正直違和感を持ちます。

・ 『「70万円あまりを11月4日に支払った」 斎藤兵庫県知事代理人が内訳も明かす 知事選の選挙活動めぐり公選法違反の可能性との指摘を受け対応 近く「請求書を公開する」とも 』(2024年11月25日 ABC)

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最初、このニュースに接したとき、『PR会社にポスターデザイン制作費など5つの名目で70万円あまりを支払った』(2024年11月25日 日刊スポーツ)という内容ばかりで、5つの名目とは何だろうと思いました。

・ 『若狭勝氏、斎藤元彦知事のポスター代は「問題ないと簡単に言いきれるかは検討が必要」 』(2024年11月25日 日刊スポーツ)


ポスターというのは、もっとも有権者の目に触れる媒体なので、一般的にやはり良いデザインを求めます。そのためには良い写真(撮影者)と良いデザイナーが必要になります。国民新党の広報部長として党のポスターをつくったとき、一度、デザインに定評がある会社にデザインだけを頼みました。結果は、やはりプロの仕事で、良い仕事でしたが、その時のデザインの値段が60万円でした。同じ写真と文字、ロゴを使ってもやはり良いデザイン会社のものは違うのです。
このとき、写真はこちらで持っていたものを使ったので、写真を新に撮影していれば、10万円、20万円とすぐに積み重なっていきます。
このようなケースの他に、印刷会社にデザインも一緒にお願いするパターンがあります。その場合は、印刷の仕事を請け負うために、印刷会社がデザイン料を安くして、大体20万円くらいとして、印刷業務を受注するということが結構ありました。その場合でもデザイン料は20万円なのです。
大体、このあたりが相場なのですが、この斉藤・PR会社問題で、ポスターデザイン制作費が70万円であれば、これは相場でしょう。上記の日刊スポーツの記事で弁護士の若狭氏もそのように言っています。
しかし、5つの名目とは何かということが非常に気になりました。そして調べたら、上記のABCの記事にそれが以下のようにありました。


内訳は、
■メインビジュアル企画・制作(10万円)
■チラシのデザイン(15万円)
■ポスター・デザイン制作(5万円)
■公約スライド制作(30万円)
■選挙公報デザイン制作(5万円)
 の5項目で、消費税10%を含め11月4日に代金を支払ったとしています。




いやいやこれはちょっと安すぎる。印刷は別のところでやっているのでしょうが、この値段は上述したように印刷など他の業務が一緒になっている場合のように私には見えます。
ポスター・デザイン制作が5万円というのはありえない。大抵、チラシの表面とポスターは同じになるので、そのようなことを勘案してもチラシとポスターのデザイン両方で安くとも30〜60万円くらいでしょう。チラシは裏面のデザインもありますから、その分、費用が高くなるのです。
そうことでいういと、公約スライド制作というのも、どうしても高額になります。デザインする量が増えるからです。そうなるとやはり30万円は安いように思います。もう少し高い。
メインビジュアル企画・制作(10万円)というのは写真撮影も含まれるのなら、やはりこれでは安いでしょう。選挙公報のデザインは相場とも言えますが、倍になってもおかしくはありません。
選挙におけるポスターなどの媒体のデザインは、安いから良いというものではありません。ケチって、悪いデザインで票を逃してしまうのなら、ちゃんとお金を払って良いデザインにした方が良いわけです。そういうことからしても、この公表された値段は安い。これだけの業務なら100万〜120万円であっても安いくらいだと私は思います。
そう考えると、この70万円という金額は、第1回目の支払いという可能性は十分にあると考えます。要するに、選挙が終わって数ヶ月から1年して、残りが支払われるという可能性もあると考えます。その支払いは色々な形があるでしょう。これは一般論として言いますが、こういうところに『利権』ということが発生するのです。
大体、政治の世界では、選挙が終わって数ヶ月して違法性のあるお金の支払いが行なわれることは、ある意味、常識です。なぜだか、わかりますか? それは、選挙違反の捜査が、選挙終了後、大体2ヶ月ほどで終わると皆、知っているからです。したがって、そのあとなら、捜査をかいくぐることができるというわけです。ですので、その際は当然、口約束。契約書なんぞつくるはずはないのです。
そうなると斉藤・PR会社問題でのポスターデザイン制作費などの支払いについて、契約書はないという以下の記事は、何とも何ともという感慨をもつものになるわけです。

『【独自】斎藤知事代理人弁護士 PR会社にポスターデザイン費として約71万円払うも契約書はなし』(2024年11月25日 関テレ)


これだけのことが起きているのですから、はやく警察関係は動くべきでしょう。すでにPR会社関係の情報が削除されたりしていますが、これは普通に証拠隠滅の可能性が高いものです。この動きを観れば、すでに証拠隠滅が内部で行なわれている可能性も十分に考えられるわけです。むしろ、そう考えるべきでしょう。果たして、そういうことを警察は傍観していて良いのでしょうか? 関西というのは警察があってないようなものなのでしょうか? 今、明らかに関西の質が問われています。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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