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薩摩いろは歌 雌伏編(最終回)初めての上京へ(無料公開)
[【時代小説発掘】]
2011年9月25日 10時24分の記事


【時代小説発掘】
薩摩いろは歌 雌伏編(最終回) 初めての上京へ
古賀宣子


(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


薩摩いろは歌あらすじ:
 お由羅騒動で斉彬派多数が切腹・遠島・謹慎等の処分を受けたのが、嘉永三年(一八五〇)。喜界島遠島になった父から叶わなかった思いを託される正助(大久保利通)と盟友吉之助(西郷隆盛)。生活は困窮を極めるが、志を失わず仲間との会読を欠かさない。文久元年十月久光は小松帯刀を柱とする人事の刷新を行い、小納戸に昇格した正助は一蔵の名を賜わる。鉄の結束を誇る四天王の誕生である。常に心の支えは郷中教育で叩きこまれた日新公いろは歌だ。

 
梗概・初めての上京へ:
 率兵上京に向けての地ならしの一環として、久光は堀次郎を江戸へ、内勅降下を得るべく中山中左衛門を京へ送る。が、事はそう簡単には運ばない。そして愈々一蔵が初めて上京へ。

 順聖院の遺志実現に向けた動きの一端を担う息子に、老いた父は感無量の面持ちで、前夜はしみの目立つ両手で何度も顔を覆った。(本文より)
 

作者プロフィール:
古賀宣子。年金生活の夫婦と老猫一匹、質素な暮らしと豊かな心を信条に、騒々しい政局など何処吹く風の日々です。新鷹会アンソロジー『武士道春秋』『武士道日暦』『花と剣と侍』、代表作時代小説『剣と十手の饗宴』などに作品掲載。
 当コーナー【時代小説発掘】では、編集担当。



薩摩いろは歌 雌伏編(一)
薩摩いろは歌 雌伏編(二) 血染めの裃(かたぎぬ)
薩摩いろは歌 雌伏編(三)島からの手紙) 
薩摩いろは歌 雌伏編(四)十六夜の空)
薩摩いろは歌雌伏編(五)慈父の眼差
薩摩いろは歌 雌伏編(六)耳目の門(みみめのかど)
薩摩いろは歌 雌伏編(七)父の生還
薩摩いろは歌 雌伏編(八)心の駒
薩摩いろは歌 雌伏編(九)吉之助帰藩
薩摩いろは歌 雌伏編(十)祝言
薩摩いろは歌 雌伏編(十一)痛撃
薩摩いろは歌 雌伏編(十二)精忠組
薩摩いろは歌 雌伏編(十三) 思案堪忍
薩摩いろは歌 雌伏編(十四)四天王誕生


                         
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【時代小説発掘】
薩摩いろは歌 雌伏編(最終回)初めての上京へ
古賀宣子



一 源助の処遇

「黒田長溥様の隠密だと」
 小松帯刀が二重瞼の目を見開いた。
 江戸藩邸焼失の第一報が入ったのは、十二月二十日だが、時期はそれより少し前になる。
「表向きは錦屋ちゅう羅宇屋で、名は源助と言いもす」
 四天王の一人として藩政の中枢に加えられた今、源助を一部の藩士との関わりだけにしておいていいものかどうか。大久保一蔵は、この疑問を堀次郎にぶつけたところ、同意してくれた。
 久光四天王は、何事があっても決して揺るがない藩是を確立し、機密を漏洩しないことを議したのだから、当然ではないか。精忠組の存在だけに留めていては、知らぬうちに歩調を乱すことにもなりかねない。堀次郎はそう述べた。
「住まいは」
「源助の義父東兵衛の代から呉服町の裏通りに住んでおい、実は順聖院(斉彬)公も御承知じゃったごとです」
「順聖院公も」
 小松帯刀は息をのみ、呼吸を整えた後ふたたび尋ねてきた。
「じゃったごとですとは・・」
「源助自身から聞いたこっですが、その感触はありました」
「感触・・。なうほど」
 小松帯刀は解かる気はすると呟き、暫時考える風であったが、声を改めた。
「他に家族は」
「義母の初がおい、今でんそこで古着屋を営んでおいもす」
「いつ頃からの知い合いか」
「知い合ったのは父でして、例のお由羅騒動が起きう以前からです」
「羅宇屋なら、正体は知らぬとも、充分接触はあいうる」
「父も初めは分からなかったごとですが、ああいう性格なものですから」
「ああいう性格・・」
「おお、これは、つい」
 一蔵は、精忠組の仲間に話しているような気になったと、首筋を軽く叩いた。
「豪放磊落なところがあいもして、商人であろうと気にせず、仲間の藩士同様に接しておいもした」
「そん錦屋も、お父上の人物を見抜いたのであろう」
「順聖院公擁護派に加わっておい、しかもそん意志が固いと知って、打ち解けてきたごとです」
「黒田様ご自身も、順聖院公の身を案じられて、薩藩の内情を探っておられたわけだ」
 一蔵は小松帯刀の反応の速さに舌を巻き、この人が上司なら、立ちはだかる難関を乗り越えられると、確信した。
「喜界島へ発つ日の朝、東兵衛が来まして、養子源助だと紹介してくれもした。以来、どれだけ助けられ、励まされてきたこっか・・」
 一つ一つ事例を挙げていけばきりがなく、それでいてまとまった言い方はしにくかった。言葉に尽くせぬとは、まさにこういうことなのだろう。
「一度会ってみたいのだが」
「それは、源助も喜ぶこっでしょう」
 一蔵は思わず膝を進め、実はと付け加えた。
 久光拝謁後、精忠組の意見を陳述する機会がなかなか得られず、悶々としていた時期があった。
「そん時、小松様のお名前を挙げ、会うごとに勧めてくれましたのも、源助でした」
「さすがは隠密。拙者の名前も・・」
「奈良原喜八郎の所の組頭じゃっでと」
「そこまで存じておったのか」
 会話が弾んできたところで、近日中に連れてくると立ち上がりかけた一蔵に、小松帯刀は少し考えた後に言った。
「明日の暁はどうか」

 家に戻った一蔵は、家僕の平吉を錦屋へ走らせた。平吉は文久元年の今年、二十歳に成長し、一蔵の使いも慣れたものである。
「あいにく源助さんは留守でしたで、何も言わじ、帰ったら来てもらうごと言づけてきました」
「いつもながら平吉は口が堅い。気が利くぞ」
 夕刻、源助が羅宇の箱を担いでやってきた。今年より諸物価が高くなったのに準じて、八銭の羅宇が十銭に値上がりしている。
「つけられてはおらんな」
 一蔵は夜の帳がおりかけた周囲を窺う。
「大丈夫です」
「日置派と豊後一派が久光公というか、我らの足を掬わんと狙っておうゆえ」
 羅宇の箱を土間に置き、源助は一蔵に従った。
「実は」一蔵は小座に落ち着くなり、昼間の話を告げる。
「源助の了解を得んままに打ち明けたのは申し訳なかったが、堀次郎とも話し合ってのこっだ」
「久光公は順聖院公のご遺志を継いでおられうのですから、お役に立てうのでしたら願ってもないこっでございます」
「小松・中山お二人のうち、どちらに打ち明けうか悩んだが、源助が逢うように勧めてくれたのは、小松様ゆえ。堀もそれがいいだろうと」
「それでは、羅宇を売いに参いもそやか」
「特に小松様が明日の早朝と望まれた」
「目立たぬ方が宜しゅからでは」
「では、七つ半(五時)に、小松邸の門前で」


二 早朝の小松邸

 薩摩は江戸に比べると、日の出は四半刻ほど違うようだ。特にこの季節は六つ(六時)といえども、闇に近い。ましてそれ以前では。が、星空を見上げ、一蔵は提灯を持たずに出た。凍てつく大気が両耳を撃つ。まるで無数の針で刺されたような痛さだ。
 甲突川沿いを西田橋の袂まで歩き、城下では一番幅広い千石馬場通りを城の方へと向かう。この道筋が夜道は最も安全と踏んでいる。
 小納戸役に抜擢されたとはいえ、大久保家の家計は以前と大して変わらない。身なりは裏付き木綿の羽織袴と、いたって質素だ。まして忍びの訪いである。ただし、綿入れ胴着を着込んでいるので、川風もそれほど苦にならない。
 やがて、藩主が大切な客人を応接する広大な御舂屋(おつきや)の塀がほの白く浮き上がってきた。その角を曲がり、俊寛堀の柳の傍らを歩いていたとき、急に背後から近づく足音に気付いた。とっさに左手が腰刀を支え、同時に右手が柄を握る。立ち止った背に聞きなれた声が。
「源助です」
「広小路の方から来るのではなかったのか」
 小声で話しながらも、小松邸へと確かな歩みを続ける。
「下加治屋町からずっと」
「つけてきたのか」
「もしもの時に備えて」
「さすがは隠密。恥じ入うばかいだ」
 一蔵は小松邸の潜り戸をこぶしで三度叩いた。それが取り決めていた合図である。戸を開けた男が提灯を掲げた。よく庭の草取りをしている家僕だ。あらかじめ聞かされていたらしく、笑顔をみせる。
 木立や植え込みの陰を通って案内された場所は、濡れ縁のある小部屋のようだ。雨戸が一枚だけ開いている。
「どうぞ」という家僕の一言で、待っていたように障子が開いた。
 通されたのは小松帯刀の私室らしく、書物が書棚に溢れるほど積み上げられている。備え付けの戸棚下には、壁に円形の障子窓がくり抜かれ、簡略な床の間が設えられている。が、そこも桐箱や風呂敷包みで隙間もないほどだ。
「そちが羅宇屋の源助か」
「御挨拶代わいに」
 源助は袱紗に包んだ短めの羅宇を差し出した。
「これは駒吉だ。無類の煙草好きでのう」
 声は立てぬが座に笑みが浮かぶ。
「門番には駒吉を名指せ。羅宇屋だと申して」
 小松帯刀の指示は、要領を得て簡潔だ。
「ところで源助は、尊王志士たちの動きをどのように捉えておうか」
「只今の時期、京で中心となう役割を果たしておいもすのは、田中河内介です」
「あの中山忠能家に仕えていた諸大夫だな」
「今年と五年前にないもすか、安政三年の二度にわたって九州を訪れ、西国の志士たちと気脈を通じておいもす」
「たとえば」
「豊後の小河一敏や久留米水天宮の神官真木和泉、筑前の平野次郎」
 肥後の藩医松村大成父子に河上彦斎(げんさい)、そして藩士宮部鼎蔵などの名を挙げていく。
「江戸の方は」
「水戸藩志士を中心に老中安藤信正襲撃およびその後の義挙の企てが進んでいうと聞いておいもして・・」
「樺山三円の書状にも、二月には長州の桂小五郎や久坂玄瑞を初めて訪ねたとも」
 つい口をはさんだ一蔵に、小松帯刀の視線が鋭く反応したのを視界の隅で捉えた。が、それに源助の「そうですか」という、いつもの相槌が重なる。
「それで」小松帯刀は先を促す。口調は真剣だ。
「それに飽き足らない者が出まして」
「うむ」頷く視線も揺るぎない。
「庄内藩郷士清河八郎が、ご存じの薩藩を脱藩した伊牟田尚平らとともに田中河内介を訪ね、挙兵の謀議に及んだと聞いておいもす」 
「謀議の内容は、伝わっておうか」
「私に聞こえてきましたことは」
 田中河内介らは青蓮院宮(後の中川宮)の令旨が出ると偽り、西国の尊王志士を励まし、同士を結束させる。
「その上で、青蓮院宮を奪い、直ちに征夷大将軍任命を奏請し、攘夷を実行すう」
「それが、基本の方針なのだな」
「そんごと聞いておいもす。それに基づき、西国や水戸藩ら東国の志士を京都に潜入させうと・・」
「つまい青蓮院宮を征夷大将軍とし、一気に天下の諸侯や草莽の志士たちに号令を下す」「まずは京都所司代酒井忠義を誅殺すうと」
「そん企てだが、実行の時期をいつと定めておうのだろうか」
「来年三月上旬を期しておうそうです」
「すうと、清河八郎らはすでに九州に入っておうな」
「早くも先月中旬に、中山忠愛の密書と」
「中山忠愛というと」
「中山忠能の嫡男で、孝明天皇の側に侍しておい、青蓮院宮とも懇意な方と言われておいもす」
「携えておうのは、その忠愛の密書と」
「田中河内介の添え状です。それを持って、西国志士への遊説に出ておい、今月初めには肥後の松村大成宅に至ったごとです」
「源助の話で、幾つもの点が線で結ばれてきた」
 小松帯刀は一蔵に向かって頷き、夜が明けきらぬうちに戻った方がよいと、源助を促した。ともに立ちかけた一蔵を制し、同時に出るのはまずいと駒吉に送るよう命じる。
「以前、順聖院公に諭されたのだが」
 二人きりになるや、小松帯刀は話題を変えた。
「日新公いろは歌に、流通(るづう)すと、で始まるのがあうが」
「貴人や君が物語り、と続く歌ですね」
「そうだ。はじめて聞ける 顔もちぞよき、と」

 流通すと貴人や君が物語り
     はじめて聞ける 顔もちぞよき


 二人はどちらからともなく諳んじた。
「順聖院公はどのようなお話を」
「あの歌の本来の意味は、よく知っていることでも、上役や目上の人の話は初めて聞くような態度を取りなさい」
「知っていうからといって、横着な態度はとってはいけない。郷中ではそう教わいもした」
「ところが、順聖院公は、家臣や隠密にも同じように接する大切さを言われた。要は相手がどんなことを、どの程度知っているか。それをつかむのが肝要であり、重なる部分はあとで精査すれば済むことと教えられた」
「先ほど、私が樺山三円の話を持ち出したからですね」
 小松帯刀の視線が鋭く動いた訳を、一蔵は納得する。


三 浪士面会

「企ては杜撰な域を出ておらぬが、鬱積した激しい憂国の情やそん方向はおおよそ解かう」
 小松帯刀は清河八郎らの動きをそう評した。
 二年前に自分たちも、突出という形で同じような企てを真剣に考えていた。が、振り返ってみれば、杜撰さは否めない。そう思ったが口にはしなかった。
「一昨日、平野次郎らが語ったことと源助の話は一致しますね」
 一昨日とは、平野次郎と伊牟田尚平が同士糾合のため薩摩藩にやってきた十日のことである。平野次郎は筑前使者藤井五兵衛として、脱藩中の伊牟田尚平は善積敬助と名乗り入薩。二人は一旦捕縛されたが、国事周旋が目的とのことから寛大な処置を受けている。
「平野は鹿児島に来る途中、松村大成のところに立ち寄ったと、申しておったな」
「そこで清河らに出会い、話し合いのすえ、伊牟田と二人が鹿児島に入うことになったと」
 平野次郎は、自身で書いた久光の決起を促す「尊攘英断録」と、真木和泉から頼まれた「薩侯に上(たてまつ)る書」を携えていた。
 寛大な処置をとったものの、藩士の動揺を恐れた久光と小松帯刀は、小松と一蔵の二人だけとの面会にとどめたのだった。
「御記憶にあうかどうかわかいませぬが」
 あの時、一蔵は平野次郎を見るなり、再会を懐かしんだ。
 一瞬、何年前の話かと戸惑うような顔をする平野次郎。
「三年前の十一月、あの月照和尚を」
 そこまで言いかけると、表情が和らいだ。
「西郷さんの・・」
「郷中仲間の代表として、有村俊斎と二人で重富駅まで追いかけもして」
 大事な客人である月照を薩摩まで護送してくれた平野次郎である。
その後、入水した二人の対応に追われており、二十日には必ず大口街道より立ち去るよう命じられていると知ったのは、まさに当日だった。急遽、森山棠園に出してもらった金子を携えて白銀坂を越え、宿場の宿を片端から尋ねて回った経緯がある。
「あの時の大久保さんですね。忘れもしません。路銀が尽き、その後は野宿を覚悟しておりましたので、頂いた五両で、どれほど救われたか」
 面会の空気が和んだところで小松が口調を改める。
「藩主父子の計らいで、いよいよ義挙が決断された」
 西郷吉之助も召還する意向であり、人事を含めた執政の体制は一新した。よって薩摩藩内はすこぶる意気盛んである。特に今回、孝明天皇が譲位を迫られるといった廃帝問題が浮上しているという伝聞もあって、殊更に奮発している。
 平野次郎と伊牟田尚平は食い入るように小松帯刀を見つめている。
「但し」
 小松帯刀はここで一旦言葉を切ると、大きく息を吸い込んだ。
「薩摩藩は大藩であるため、匹夫の企てと相違して時を要するものである。そして・・」 このごろは有志の面々も「私の営みを差し置き」と、あくまでも藩として行動することを強調し、脱藩した尊王志士とは一線を画することも同時に言明した。
 それでも平野らは力強く頷きあっていた。
「薩摩藩の義挙は」と口にこそしなかったが、「近い」と低く呟きながら、その場を去って行った。
「あん時は」
 小松帯刀は腕を組み、つかの間、目を閉じた。
「皇政回復を唱える平野次郎らを排除すうわけいもいかず」
「執政に携わる首脳としては初めて、尊王志士たちに向けて、率兵上京に言及したことにないもすね」
「まあ、既成事実となっておうゆえ」
「精忠組の者によいもすと、帰途の伊集院駅で有馬新七らに会ったごとですが」
「それだ」小松帯刀の視線が、にわかに曇る。
「久光公のもとに届いた知らせにようと」
 会談したのは、そのほか田中謙助・柴山愛次郎・橋口壮介・是枝柳右衛門らという。
「彼らは藩論にかかわらず平野次郎らと同調すれば、精忠組を離脱しかねません」
「懸念は的中しつつあう、やも・・」
 有馬新七からの建白書が提出されたのは、小松帯刀が平野次郎らとの面会を終えて間もなくであったという。
「建白書。何についての、ですか」
「来春の藩主参勤交代随員に関すうものだが」
 人心動揺につき、充分に慰撫し、慎重に事を運ぶよう要望した内容である。
「過激な言説はあまい感じられませんが」
「それゆえ的中しつつあうのでは、と。その後に、平野等から伝聞されている廃帝問題や和宮降嫁の事情など聞かされ・・」
 久光が禁じている藩外尊王志士との策動。小松帯刀の危惧を聞きながら、一蔵の胸中に暗雲が漂う。


四 父の涙

 その六日後。一蔵は小松邸に呼ばれていた。
「先日も申した通り、江戸、京ともに周旋は不首尾に終わり」
 小松帯刀の膝元には、二通の書簡が広げられている。一通は十三日に届いたという中山からで、もう一通はその翌日届いた堀からの書状だ。
「かねての打ち合わせ通い、中山中左衛門は率兵上京などのはっきいとした施策についての発言までは及んでいなかったが」
「まことに。久光公の内意を近衛父子に告げ、朝廷の内情及び近衛父子の意見を求めう点に重点がおかれておいもしたゆえ」
「加えて御剣献上の件と近衛家との縁談の用務があったが、この二点については順調に進んでおう」
 小松帯刀は念を押すように書状を指先で叩く。
「勅命の件は近衛家も引き受けかねたのですね」
「そこでだ」小松帯刀の視線がさらに引き締まる。
「久光公の上京に向けた趣意に基づく具体案を示す必要があう」
「なるほど」
「ついては、その二点の御礼と具体案言上のため、おぬしの上京を決めた」
「そのような大役を・・。無論、中山さんの地ならしがなくては出来ぬことでしょうが」「何せこの口上は、今年の春以来、久光公の意向に沿いながら、我ら四人が論議を重ねてきた」
 練り上げた藩の基本方針を基にして、一蔵が原案を作り、それを小松帯刀と中山中左衛門が同意した上で、小松帯刀を通して久光の裁可を仰いだものである。
「おぬしが適任であう」
「出発は」
「七日後の二十五日。それで、先日の源助だが」
「早速、駒吉に羅宇を売りに行ったと聞きました」
「下僕として連れて行ってはどうか」
「源助を、京へ、ですか」
「初めての京であろう」
「はい。すでに身体中の筋が引き締まい、血が激流すうごとく感じておいもす」
「その上、あの大事な口上を述べねばならぬ。無論、その手控えは渡すが、近衛父子の心を動かすには、直の言上がいかに肝要か」
「長州の公武周旋を聞き及ぶにつけ、順聖院公ご存命中の頃を考えもすと、僅か三年の間に隔世の感があいもすね」
「長井雅楽の『航海遠略策』に基づいた動きであろう。我ら外様藩が幕政に口をはさむなどとは、とても考えられなかった」
「京や江戸の政局への登場は、久光公は無論のことですが、精忠組にとっても年来の強い願望です」
「そや同時に順聖院公の遺志実現へ向けての出発点でんあうゆえ」
「話を戻しますが、源助には市井探索の任務を命じられもすか」
「それだ。公家の本音や有馬らの動きなど、おぬしが探りにくいとこいを任せてみようかと」
「せっかくの機会ですからね」
 小松邸を辞しての道すがら、一蔵は来し方を振り返っていた。
父がお由羅騒動に連座し、藩譴(はんけん)を蒙ったのが嘉永三年四月。一蔵自身も謹慎処分を受けた。その年の十月四日、父は喜界島へ流され、一蔵にとって、困窮と忍従の日々が始まる。
 以来、十一年、いろんなことがあったが、暮らしに追われながらも国事を憂える熱い志は失わなかった。吉之助とともに郷中仲間の中心にあって書を読み、議論を戦わせ、考えを高めあってきた。
 ところが、その仲間も次々に東上し、一蔵は見送り続けた。そしてついに吉之助も・・。江戸や京都で国事に奔走する吉之助や他の仲間の書状から、むさぼるように中央の空気を掴みとってきた。
 順聖院の急死に続く安政の大獄の余波は一蔵の身辺にも及ぶ。月照の保護を求めて吉之助は力を尽くすが、藩庁のとった処置は最悪のものだった。絶望した吉之助は月照と入水。一人助かった吉之助を、藩庁は幕府の目を恐れて大島へ送る。一連の藩庁の対応に憤慨した郷中仲間による突出企ては進み、まさに実行寸前に至って、藩主茂久よりの諭書が届く。
 これに感激し、一蔵らは突出を中止し、以後は藩自体を動かしながら、その意思の実現を図ることにして、血判の請書を提出。宛名にあった「精忠士の面々へ」から精忠組の誕生となる。
 だからといって、盤石だったわけではない。何かあると一部で突出の機運が察知され、そのたびに一蔵は諭書を信じるよう説いていく。そのころ一蔵が最も腐心したのは、江戸と薩摩にいる仲間の意思の統一だった。こういうことは手紙だけでは不十分だ。藩主の思いを直接会って伝えたい。そのため何度も出府を願い出るが、許されなかった。
 そしてあの大事件が・・。
 有村兄弟が桜田門外の変に加わっており、弟の次左衛門は井伊直弼の首級をあげたが、自身も重傷を負って自害。京都に向かった兄雄助は四日市で藩役人に捕らえられて、鹿児島へ護送され、自刃を命じられる。
 だからあれほど願ったのに。あたら貴重な同志を失った悲しみと憤りを、一蔵は日記に記した。
「嗚呼、天か命か。一同愁傷憤激言うべからず」
 現在も精忠組の火種は消えたわけではない。それどころか、有馬新七らの動きは危険を孕んでいる。精忠組からの離脱だ。
 二十五日、一蔵は出水筋の途中から藩船で肥後水俣へ。そこで偶然に中山中左衛門と行き合い、京都情勢を訊く。
「近衛様が打診して下さった議奏の正親町三条実愛様のお返事は」
「はかばかしくなかった」
 和宮降嫁時に、孝明天皇が幕府に求めていたことが二点ある。攘夷を実行すべきことと「皇国安全・公武御一貫」を実現するための改革である。
「その回答も得ていないと言われてしまい」
「つまい、この段階で外様大名に勅諚を下すことは難しいちゅうこっですね」
「よって内勅降下は困難であうと。ただ、頂いてきた久光公宛ての書簡に何と記されておうかだが」
「もう一度、練い直しだな」
 一蔵は翌日ともに帰藩し、二人はそのまま小松帯刀邸へ。事情を聞いた小松帯刀とともに一蔵たちは、久光が仮住まいしている重富邸へ急いだ。国父となった久光の屋敷は二の丸に新築中である。
「何とぞご上京にて面謁も申し入れたく、お心易くお互いに隔意なくお咄しなど申し入れたく、待ち入り存じ候」
 近衛忠房からの書簡を自ら読み上げる久光。
「上京の督促ではあいませぬか」
 小松帯刀が勢いづいていう。
「内勅降下は不首尾に終わったものの、言質を得たことになる」
 久光は確かめるように順次、三人に視線を向けていった。
「こや、薩藩にといましては、非常に重要かつ、意義深かちゅうこつでござおいもすね」 初めての上京に弾みがついた思いであった。
 その後一蔵は自宅へは戻らず、引き続き小松邸にとどまり、遅くまで細かい打ち合わせをして、翌二十八日再び出立した。
 途中西田橋を渡りながら、甲突川下流の方へ視線を向ける。家族に見送られた時の光景が蘇ってきた。
 順聖院の遺志実現に向けた動きの一端を担う息子に、老いた父は感慨無量の面持ちで、前夜はしみの目立つ両手で何度も顔を覆った。当日朝も灯火に眼元が光り・・。眠っている彦熊と伸熊の頬を指先で撫ぜ、留守を頼んだぞと満寿子へ。
 門口を出ると、静かに源助が近づいてきた。 

                          雌伏編了




参考資料:
『大久保利通傳』上巻 勝田孫弥著(マツノ書店)
『大久保利通日記』 (マツノ書店)
『大久保利通文書』 (マツノ書店)
『甲東逸話』勝田孫弥著 (マツノ書店)
『西郷隆盛傳』勝田孫弥著 (マツノ書店)
『三國名勝図会』 (青潮社) 
『和泊町誌歴史編』
『南島雑話』名越左源太 国分直一・恵良 宏校注 (東洋文庫)
『西郷南洲逸話』重野安繹談 (尚友ブックレット)
『鹿児島県史料』第三巻
『斉彬公史料』(一)(二)(三)
『忠義公史料』(二)(三)
『玉里島津家史料』(一)
『日新公いろは歌』(高城書房編)
『幕末政治と薩摩藩』佐々木克著 (吉川弘文館)
『大久保利通と明治維新』佐々木克著 (吉川弘文館)
『それぞれの明治維新』佐々木克編 (吉川弘文館)
『大久保利通』佐々木克監修 (講談社学術文庫)
『島津斉彬』芳即正著 (吉川弘文館)
『島津久光と明治維新』芳即正著 (新人物往来社)
『鹿児島史話』芳即正著 (高城書房)
『天を敬い人を愛す西郷南洲・人と友』芳即正著 (高城書房)
『西郷隆盛』田中惣五郎著 (吉川弘文館)
『月照』友松圓諦著 (吉川弘文館)
『<政事家>大久保利通』勝田政治著 (講談社選書メチエ)
『島津久光=幕末政治の焦点』町田明広著 (講談社選書メチエ)
『西郷隆盛年譜』山田尚二 (敬天愛人10号別綴)
『薩摩と出水街道』三木靖・向山勝貞編 (吉川弘文館)
『幕末京都四民の生活』明田鉄男著 (雄山閣)
『薩摩の秘剣野太刀自顕流』島津義秀著 (新潮新書)
『さつま人国誌・幕末明治編』桐野作人著 (南日本新聞社)
『新国史大年表』日置英剛編 (国書刊行会)
『藩史事典』第七巻九州編 (雄山閣)
『鹿児島城下古地図』六曲半双屏風 (鹿児島市立美術館蔵)
『鹿児島城下絵図散歩』塩満郁夫・友野春久編集 (高城書房)等







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