有識者、議論する者としての資格があるのか? | |
[日本の政治] | |
2017年3月1日 23時55分の記事 | |
少し前の記事になりますが、自民党の伊吹文明元衆議院議長が、天皇陛下の退位を巡る法案について、「議長に一任し満場一致で」議決すべきとの発言をしました。この議長に一任し、満場一致でという発言は、まず自民党内においてのことを言い、次に政党間においてのことを言っています。 「自民・伊吹氏、退位めぐる法案『議長に一任し満場一致で』」(2017年2月23日 TBS)
国権の最高機関であり、国民の代表者たるものが立法する国会において、天皇陛下の退位についてしっかりと方向性が考え出され、巡る法案が審議され、法制化していくこととても良いものと考えます。あくまでも国会がこの法案のイニシアチブを握るべきことであり、決定していくべきと考えます。 しかし、これは、当然、議会における与党の責任を当然、示すことになります。そして、伊吹元議長が述べるように満場一致で通せないことで陛下に失礼にならないようにするには、野党の問題と言うより、明らかに与党の責任問題と現状、考えます。世論調査を見ても、退位を特措法でという自民党案ではなく、皇室典範改正による形を6割近い数字が支持しています。もちろん、野党は皇室典範改正の方向性ですし、自民党内でも石破氏は同じ方向を支持しています。そして、何よりも陛下のご学友のお言葉として陛下が退位恒久制度化を望まれると報道されています。(「天皇陛下 退位恒久制望む 電話受けた学友証言『お言葉』20日前」 2016年12月1日 東京新聞) 現在の与党案(維新も含め)というのは、国情において明らかに浮いてしまっていますし、民心からも乖離しているというのが実態であると考えます。これは明らかに陛下に失礼であると考えますし、その案を満場一致で通すこと事態、おこがましいことと考えます。 そもそもこの与党案の方向性は、安倍首相の私的諮問機関「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」(座長・今井敬経団連名誉会長)で出されたものを踏襲しています。明確に言えばこの首相私的諮問機関である『有識者会議』なるものにおいて、有識者の方々によって話し合われたとこの与党案の方向性を出して、レールを敷いたと言うことです。しかし、そのレールは現状、はっきりと浮いているというのが実態です。そして、そもそも本当に有識者会議で議論した人たちに有識者としての資格があるのか疑わしいというのが実態であると考えます。 実際、現在、疑惑の渦中にある森友学園及び同学園が運営する塚本幼稚園に関わりのある『有識者』が二人います。渡部昇一氏と桜井よし子氏です。このお二人は塚本幼稚園で講演を行っています。同じく講演者には他に参議院議員一名、そして首相夫人がいます。 詳述はしませんが、既報の通りこの学園や幼稚園に対しては大変な問題が浮上しています。また昨今では、同園のトップは何かあると国会議員の所にお金か商品券かはわからない封筒を差し出すような人物です。普通にこれは贈賄の可能性があるものです。そのような人物で、現状、多々問題点が指摘されている疑惑の学園、いわく付きの学園に関わっている者が、天皇の御存在や皇室について議論できる資格があることとは思えません。後世、このことを振り返れば、明らかにこの首相私的諮問機関の有識者会議が打ち出し、それにそった与党案というのは傷物ということになります。そもそも既に与党の行っていることは、『失礼』なのです。 また本ブログ「日本には確実に天皇陛下よりはるかに偉いと思っている人たちがいる」(2016年9月8日)で申し上げましたが、8月には天皇陛下が摂政について前向きでないご発言があったのに、渡部昇一氏に至っては、そのお言葉を無視して摂政を立てるべきと再三述べています。それで、このようなけがれた疑惑の学園との関係があるのですから、皇室のことなどそもそも語る資格など毛頭ないものと心から思います。 自民党案というのは、そういういわく付きの有識者によって作られた案をベースとしています。それを今さら堂々と出していること事態、おこがましいことと考えます。現状、自民党・与党案(維新も含む)は変える必要が明らかにあります。そして、そうであるのに、上記記事にもあるように、自民党内にも異論があるのにそれを封殺しようとしています。異論は認めないと。現状、明らかに皇室のことを議論する資格が与党(維新を含め)にあるのかと考えます。非常にけがれているのではないかと考えます。与党案は一度取り下げて、考え直すのが明らかに筋と考えます。そして自民党はこの議論をするには、森友学園の疑惑を晴らし、まず襟を正すべきと考えます。元来、満場一致などと言える立場ではないと考えます。現状は、与党(維新を含め)は、皇室の議論をするには明らかにけがれていて、この状態で前へ進めることは、確実に後世へ禍根を残すものと考えます。 | |
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