安倍政権はアメリカがお好き?? | |
[日本の政治] | |
2017年9月17日 22時32分の記事 | |
現状、北朝鮮のミサイル実験や米国の動き、そして国際的な日本(安倍政権)の動き、国内では解散総選挙の動きと様々あります。
まず、昨今、北朝鮮によるミサイルや核の実験と報道される中で、中国が北朝鮮の“後ろ盾”として表現されていますが、果たしてこれは正しい表現なのでしょうか? 明らかにミスリードと考えます。今回の米朝緊張のエスカレーションにおいて、初めから中国は米国と北朝鮮の双方に冷静になるようずっと促しています。しかし、双方ともそのようにしていません。明らかに中国は米国をコントロールすることはできていませんし、同時に北朝鮮をコントロールすることもできていません。このことは中国同様、ロシアについても基本的には同じでしょう。これまでの状況を見ていると明らかに中国が北朝鮮の後ろ盾という状況ではありませんが、しかしそのような表現をなぜか日本のマスメディアでは言い続けているわけです。それはなぜなのか? そこにまず日本を含めたこの北朝鮮問題の真相、一般に考えられているものとは違う実相があるでしょう。 これまでの北朝鮮の動きは、明らかに中国を不利な状況にしています。傍若無人と表現される北朝鮮の後ろ盾ということなら、当然、中国は悪者になります。国際的な信用も失い、必然、最終的に中国が矢面に立つことに繋がります。しかし、これだけではなく、仮に中国が東アジアにおける米軍のプレゼンスをいやがり、日本がタカ派的になるのを嫌がるのなら、北朝鮮の動きで米軍のプレゼンスも増していますし、日本の動向もタカ派的になり、憲法改正や再軍備(敵基地攻撃能力を含む)の明らかに追い風にになっています。北朝鮮の動きは現状、日本(安倍政権)、米国、韓国(軍部)にプラスに働いています。しかし一方で、融和政策をとる韓国の文政権にとって北朝鮮の動きは政権基盤を不安定に氏、明らかに障害になっています。中国が後ろ盾になっているのなら、このような状況には通常、させないでしょう。このことは普通に考えてロシアも同じです。 米国のニューヨークタイムズ紙が以下のような記事を出しています。 「North Korea’s Nuclear Arsenal Threatens China’s Path to Power」(2017年9月5日 The New York Times) 簡単にいうと北朝鮮の動きは、中国の影響力増大を脅かしているというものですが、基本的に上記と同じようなことを言っています。記事には中朝同盟も有名無実化していると書かれていますが、その通りと考えます。このような見方はロシアにもあります。はっきり言えば、北朝鮮の動きは、中国を不利にし、日本(安倍政権)と米国を有利にしています。日本での論調は、北朝鮮のミサイルが日本や米国に向っているということばかり強調されていますが、中国に向けられたものがあるということは全く考慮されていません。北朝鮮のミサイルが中国に向けられていることは以前から指摘されていることですから、このことを考えれば、中国が北朝鮮の後ろ盾ということを軽々しくは言えないでしょう。むしろ今あるミサイル騒動や米朝緊張のエスカレーションの本質は、実は米国や北朝鮮、日本などの対中国問題にあるということは当然、考えられてしかるべきです。現状の報道はかなりステレオタイプ的であると考えます。 ニューヨークタイムズ紙は、8月、北朝鮮のミサイルエンジン開発について、ウクライナの関係を書いていますが、上記の記事を併せると同紙はかなり北朝鮮情勢の本質がわかっているものと考えます。残念ながら日本のマスメディアには同紙に匹敵するクォリティーはないと考えます。ただただ何かの思惑にしたがって緊張を助長しているだけに見えます。 中国にとって、朝鮮半島を含めた中国東北部は安定要因ではなく、不安定要因と言った方が正確でしょう。民族的に満州族、女真族などの存在がありますし、それは清朝の図式で、清朝といえば愛新覚羅氏(清朝滅亡後は羅、金、肇などに改名)で、満州国に繋がります。このことから言えば、日本もいまだその拠点の一つと考えますが、ここに北朝鮮問題を解くカギがあると考えます。中国の歴史から考えてせいぜい100年前のことは現在進行形でしょう。 中国は朝鮮半島の有事や緊張のエスカレーションを国益とは見ていないと考えています。それは、中国が北朝鮮の後ろ盾だからではなく、中国にとっての波乱要因になるからと考えます。これは基本的にロシアも同じでしょう。なぜ、このようになるかはザ・フナイにずっと書いてきました。 「安倍政権はアメリカがお好き??」(2017年9月18日)へ続く。 | |
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