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命を繋ぐもの
[日本の政治]
2016年2月8日 23時26分の記事

先日、ある方から贈り物をいただきました。座布団を二つ折りにしたくらいの大きさの箱に入ったずっしり重いその贈り物が宅配され、それを最初に手に取ったとき、一体、中味は何だろうと思いました。箱を開けるとなんとお米で、最近、お米をいただくことはなかったので、何か不思議な感じと特別な感じを持ちました。

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『お米ねえ。お米、お米』と反芻しながら、その不思議で特別な感触を確かめ考えていました。むしろ、そうしなくてはいけないように思えました。そんな風に考えていると、ふと、『昔はお米が通貨の役割をしていたのだな』と心に浮かびました。いただいたお米を手にした不思議で特別な感触は、そんなお米の意味にあったように思います。
昔、日本は米本位制であったわけです。生存に欠かすことができない「米」であり、戦略物資でもある「米」は、平和の時代と戦国時代などにおいて通貨であり、価値の源であったわけです。この米という通貨が手元にない状況や、分配されない状況は、まさに人々の生死にかかわる状況という非常にはっきりした構図であったわけです。米(通貨)は命と言ってもよいものであり、その命の源が社会に行き渡らなければ、必然、その社会は縮小、死滅していくわけです。
実際、このことは、現在でも同じです。お金が行き渡らなければ、やはり人々の生死にかかわります。同時に食料は飽食と言ってもやはり戦略物資なのです。食料がなければ人が生きられないと言うことは、500年前も、1000年前も、そして今も変わらないのです。この絶対的な原則は社会において忘れられてはならない掟なのです。そのことをお米の贈り物は想起させてくれたと思います。
政治というのは、社会基盤をいかに維持、発展させるかを考え、平和と人々の安寧を築いていくということがすべてです。それ以外にありません。それは、脈々と太古から、もっと言えば宇宙のはじまりから続いてきた生命の連鎖を後世へとつなぐ営みです。政治家とはそのことにかかわる人であり、それ以外のことではありません。
経済も企業もすべてはそのための手段であって、目的ではありません。この目的のために国営企業が優れているのなら、それを手段として用いなくてはならないのです。目的を実現することがすべてですが、現在の政治は手段が目的となっています。だから、様々な矛盾が噴出するのです。
政治において生命の維持と発展という価値を外した瞬間、すべては壊れ、死滅し、破滅へと向かいます。それが戦前の日本です。
国家の機能も究極的にはこの生命のためにあります。税金で得たものは分配して社会基盤の整備にあて、後世に社会を繋げていくという当然の営みをしなくてはなりません。しかし、今はどうでしょう。法人税をさげて、一方で一般には増税をし、社会基盤はどんどん崩れています。政治の要諦を外しているのが、現在の政治の厳然とした実相でしょう。今の政治は、国民が国家の中で税金という参加費を払って生活させて貰っているという風情があるように思います。国や社会の中心が人(命)ではなくなっています。それではやはり社会や国家は崩壊し、破滅へと向かいます。

食料と水を考えなくてはならない
食と言えば、フランスで昨年、スーパーなどでの売れ残りの食品の廃棄を禁止する法律が成立、先日、施行されました。これらの売れ残りの食料は、人道的支援を行う組織に回され、必要とされる人々に分配されると言うことです。とても善いことです。廃棄するよりはコストも減り、また社会の役に間違いなく立つことでしょう。

「売れ残り食品の廃棄を禁止する法律、フランスが全会一致で可決」(2015年5月25日 The Huffington Post UK)

我々は飽食の時代になれすぎてしまい、食の本当の重要性に無頓着になっています。社会におけるエネルギーだけではなく、人が生きる上で欠かせないエネルギーについてもう一度、よく考え、見直しを行っていくべきでしょう。そうやって社会の根本的な基盤となる食についてしっかりとした盤石な体制と状態をつくるべきでしょう。TPPというのは日本の農業などを7年間で安楽死させるものと考えますし、それは本当に問題があり、農業だけではなく、日本人一般の生存に多大な影響を間違いなくもたらすものと考えます。日本人一人一人の命にかかわることですから私たちは真剣に考えるべきですし、「攻めの農業」などではなく、国民のための盤石な食料基盤の体制確立が何よりも必要でしょう。このことは、水資源などでも同じと考えます。これからの時代、このポイントは非常に重要なことと考えます。食料と水は「戦略物資」なのです。その意味をよく考えないといけないと考えます。

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くる天

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○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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