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睡眠障害に悩むタフ・ネゴシエーター
[日本の政治]
2016年2月18日 1時50分の記事

甘利氏の賄賂や口利き疑惑については連日、国会で新たな情報が出ています。そもそも辞任会見をしたときに甘利氏が主張した内容と食い違うことが現状、多くなっており、賄賂や口利き疑惑だけではなく、虚偽発言という新たな論点もできています。
説明責任を果たすために行った会見の内容が虚偽では、それは国民に説明をしたことにはなりません。このことが示すことは、甘利氏のあくまでも国民に対して無責任な姿勢です。そして金銭授受や口利きの疑惑も国民から信託された権力や影響力を国民を裏切る形で私用した行為です。甘利氏の言動には、まさに徹底して国民を裏切る無責任な姿勢が非常に目立ちます。お正月からテレビの歌番組で悦に入って歌っている政治家の本質とは間違いなくこのようなものでしょう。今回の疑惑は、現職大臣による極めて悪質なケースですし、その説明にも虚偽の可能性があるのですから、国会において本人を呼んで証言をさせるのは至極当然です。このような当たり前のことができないなら国会という国権の最高機関の存在と信頼は確実に揺らぎます。甘利氏一人の件で、国権の最高機関が揺らぐなどあってはならないことです。問題があってもそれが解明・解消、説明されないままどんどん進んでしまうような議会では国民の理解は得られません。いずれ破綻します。

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報道によると、甘利氏は睡眠障害で国会に出られないということですが、その症状については私は専門ではないですし、本人の現状も見ていないのでよくわかりません。ただ、これだけの疑惑が出て、大臣を辞任し、その後も日々新しい情報が出てグレーが黒になりつつある中で、普通なら睡眠障害になっても仕方がないでしょう。そういう意味で、甘利氏はごく普通の神経の持ち主で、政治家としてはたいした胆力もないということであると思います。
しかし、甘利氏は万人の生活と生命を預かり責任を有する地位にいたにもかかわらず、国民を裏切って今回のような疑惑が浮上したわけです。その責任の重さから考えれば、甘利氏は何が何でも国会において証言や説明を行わなくてはなりません。それが万人に対する責任ですし、これこそが「説明責任」というものです。それができないと言うことなら、そもそも国会に来ることもできないのですから、潔く議員辞職をすべきでしょう。イクメン元議員の宮崎氏も責任を感じて議員辞職をしましたが、甘利氏の場合は宮崎氏に比べてはるかに議員辞職をする理由があるものと考えます。そして余計なお世話かもしれませんが、議員辞職をすればストレスも半減するのではないかと考えます。

タフ・ネゴシエーターという虚構
田中角栄氏が日中国交正常化調印のために中国に向かう機中で熟睡していたのを秘書の早坂茂三氏が見て、田中氏の神経の太さに感心したと言うことを聞いたことがあります。
甘利氏は今回の件で睡眠障害になったと言うことですから、田中氏とは比べものにはならないでしょう。やはり本物の政治家といういのは神経が違うものだなとつくづく思います。
甘利氏はTPP交渉において「タフ・ネゴシエーター」とよく言われました。しかし、今やそんなタフさは微塵もありませんし、明らかにこの言葉が虚構であったことがわかります。
恐らく、TPP交渉において、日本側は交渉担当者の甘利氏を「タフ・ネゴシエーター」というイメージにしなくてはならなかったのでしょう。つまり、日本がこの交渉において国益を守ることができないので、それを隠すためにこのような虚構・虚像をつくりあげ、喧伝しなくてはならなかったと言うことと考えます。今回の睡眠障害というお話しはこのようなことを必然的に想起させます。
実際、TPPについては「タフ」な交渉をしたわりには随分と譲歩をしているではないかということが多くあります。農業関係者は特にそう思っているのではないでしょうか。このようになる実相は、本当はタフではない交渉、日本にとって国益にかなわない交渉という真実を隠すための「タフ・ネゴシエーター」という虚構・虚像に原因があるものと考えます。したがって、本当にTPPで何を交渉していたかは、やはり一から検証しなくてはならないものと考えます。これがタフ・ネゴシエーターが簡単に睡眠障害を煩った故に生じる新たなポイントです。
また、甘利氏の場合、特に賄賂疑惑・口利き疑惑がこれだけ持ち上がっていて、その疑惑が生じたのが、TPP交渉中であるわけです。TPP交渉と平行してこのようなことが行われているわけですし、そのような瑕疵がある人物が交渉をしていたのですから、様々な業界の利害関係が絡むTPPにおいて、恣意的な交渉がなかったかというポイントは当然に浮上します。これだけの国際交渉にかかわった人物に、このような疑惑が生じること自体、前代未聞のことで、非常に問題があるものです。このようなポイントで国民の疑念があること自体、本当に問題があることなのです。
TPPの条文や交渉は無限にあるわけではないので、一つ一つ時間をかけて検証すれば必ず終わりが来ます。このような手間は、国家の命運と国民の生活がかかっていることですから当然でしょう。正月の歌番組で歌った甘利氏は、番組で歌う方がTPPよりも緊張したと言っていますから、TPP交渉とはその程度のものです。したがってそのTPPの検証はたいした手間がかかるものではないでしょう。必ず行うべきことと考えます。政治プロセスにおいては必要不可欠な過程です。

経済再生担当大臣
昨今、日本経済については、GDPや消費支出がマイナス、一方で非正規労働者は激増しているという大変な状況になっています。さらにそのような中で公務員の給与は上げるという大変なトンデモない国になっています。
現在のGDPや消費支出などの悪い数字は甘利氏が経済再生担当大臣であったときのものです。まさに安倍政権の経済政策を司っていた甘利氏は「経済再生」を担当していたわけです。しかし、明らかに経済再生はしていません。
甘利氏の今回の疑惑においてしっかりと国会において証人喚問がなされ処理が終わった後、今度はこの経済について国会において甘利氏の証人喚問をすべきでしょう。それだけ重要閣僚であったわけですし、当然、その責任は重いわけです。この経済失策故に、将来を悲観・絶望し「本当」に眠れない人が国民の中に多くいると思います。そのような方々への責任を担っていてこのような「結果」になっているわけですから、この件について国会において甘利氏の証人喚問を行い、安倍政権の経済失策を追求すべきであることは間違いのないことでしょう。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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