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本日の報道特集は秀逸
[日本の政治]
2016年3月12日 23時57分の記事

3月12日のTBS『報道特集』は東日本大震災の特集でした。内容は津波被害で九死に一生を得た85歳の女性のこの5年間について、また原発事故で帰還できない福島県飯舘村長泥地区についてでした。

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今回の番組では、「共同体」というものに着眼点がありました。社会基盤です。この基盤が5年前の津波と原発事故によって壊滅・消滅したわけです。これをこらからどうするのかというポイントが最も大きなものです。それは個人は共同体(社会基盤)がなければ生きられませんし、それがまさに社会において基盤だからです。そして復興とはまさにこのために行われていることです。
番組の最後にキャスターの金平茂紀さんが「復興の主人公は誰なのか」という問いを発し、その主役や住民(共同体)であると述べていました。そして、政治がそのことに対応してきたのかとも述べています。
また、昨今の原発再稼働について、本当に福島第一原発の事故、その後の福島の現実を見ているのかとも述べています。その通りでしょう。
そして、最後に金平氏は弱い人、物言えぬ人々にこそ寄り添っていくべきであると述べています。まさにその通りであると思います。とても良いコメント、問題提起をしていました。
昨日の本ブログ「3.11に想う 」(2016年3月11日)で、復興というものが一人歩きをしているのではないかと述べましたが、まさにこのことをこの番組でも言っていたと思います。
昨今、この福島について水素エネ供給地構想などのプランなるものが多く言われていますが、しかし、それは外部の人にとっての「ビジネスチャンス」というものなのではないかと思ってしまいます。水素エネルギーについては将来性があるものと考えますが、この復興においては傷ついた人々、壊滅した共同体をいかにするかが最大限の、そして根底的なポイントであるのは間違いありません。
東日本大震災と原発事故では、人の命が奪われ、被災し、共同体は消滅し、そして、そこにあった経済・産業もなくなりました。そのような中で産業が新たに生まれることは良いことですが、「復興」の大半に国費が投入されている中での様々な事業は、必然的に外部にとってのビジネスチャンス、儲けのチャンスとなる可能性を内包しています。今やそんな本質ではないポイントに力点が移行しているのではないかと違和感を持ちます。このようなことがないように注意し、また国政・県政レベルという政治の場で監視をしなくてはなりませんが、同時にしっかりと政治の根本課題である社会基盤をいかに構築するかと言うことに焦点を合わせて進めていく必要があるように思います。金平氏は美談が先行していると述べていますが、同時にこの復興については何か人目を引く目玉が先行しているように思います。何かパフォーマンスという言葉が頭をよぎりますが、この番組はこのあたりのことを伝えたかったのだろうと思います。
人と人とのかかわりがあり、共同体が成立し、社会ができて行くわけで、この根本を見ないでは、新しい産業と言ってもそれは空を切るだけでしょう。この復興においては産業政策というレベルではなく、日本の政治の本当の力が試されていると考えます。そのためには、被災した方々に寄り添い、共に生きていくということがやはり必要なのだと思います。そうなって初めて復興の主人公の方々が、復興していくことが出来るのだと思います。社会とは人と人とが織りなす生命なのです。

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日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
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世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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