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ロシアの航空部隊がシリア撤退、日露関係を考える
[日本の政治]
2016年3月15日 23時53分の記事

シリアにおいてIS掃討に関与していたロシアが、主力であった航空部隊を撤退させると報道されています。

「ロシア 主要な航空部隊のシリア撤退を発表」(2016年3月15日 NHK)

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ロシアがシリアに関与し始めたのが約半年前でした。昨年9月末の国連総会などに付随して米露首脳会談が行われてきました。極めて大きな流れが出現しましたが、ちょうどその頃からシリア難民が増え、その中にISなどが潜伏していると『ザ・フナイ2015年12月号』(2015年 舩井本社)で指摘しました。その後、フランスでテロ事件などが生じましたが、一方でロシアの関与は日ごとに具体化し、現在に至ります。
今回、撤退をすると言うことはシリアのISの問題や内戦の問題が、一定程度、収拾されたということであると考えます。シリア問題については、米露協調が生まれ大変画期的な状況も出現しています。またこの間、ローマ法王フランシスコとロシア正教会のキリル総主教の歴史的な会談もありました。これらについては『ザ・フナイ2015年12月号』などで書いてきましたが、来月刊行される同誌5月号でまとめておきました。是非、ご覧下さい。
これまでのロシアの動きに対しては、日本国内でいろいろな批判がありましたし、またこの半年間、ロシア軍機がトルコ軍機に撃墜されると言うこともありました。この撃墜事件ではシリア和平のスケジュールが2週間ほど遅れたものと考えますが、これらの困難を乗り越え、よくここまで来たなと思います。それまで米国などがシリアに対して大規模な関与を行ったにもかかわらず、成果が上がらず泥沼化していましたから、ロシアの存在はシリアという世界戦争の発火点に対して非常に大きなものであったことは間違いありません。これまでシリアとウクライナ問題は繋がっていると本ブログや『ザ・フナイ』(2015年2015年12月号』や5月号)で申し上げてきましたが、このシリア情勢収束をウクライナ問題を越えてよくここまでもってきたとつくづく思います。
また米露の協調というが今回、非常に大きなポイントで、その意味で米国の対応も評価すべき事が多くあると考えます。そして、このような動きの背景には、こえまで『ザ・フナイ』で申し上げてきたように世界的な大きな流れが存在しています。それは人類的な流れと言えるものです。

日ロ関係
今春の安倍首相の訪露について様々に言われています。昨年、ロシアとウクライナの紛争について安倍政権はウクライナ支援を鮮明にし、昨年はじめ外相もウクライナ支援の言動があったなど反ロシアの動きが明確でしたが、ここに来てロシアへのアプローチが出現しています。
上記でも触れましたが、昨年においてウクライナ支援への関与は、世界的な戦争の拡大に大きな推進剤になります。今回のロシアの動きを見ても明らかですが、2015年2015年12月号』で指摘したようにウクライナ紛争でのロシアの動きはシリアの問題が視野に入っているものでした。ウクライナ問題は中東の問題であったわけで、ウクライナの動きもまたこのシリアを発端とした世界的な戦争が視野に入っているものでしたが、こちらはもちろん反対に戦争を拡大させるものです。
だからこそ、昨年2月にベラルーシで、メルケル独首相がイニシアチブをとり独仏露とウクライナの枠組みで紛争調停がなされました。メルケル首相は調停発行後、バチカンに飛び法王フランシスコに会い、その後来日し天皇陛下に謁見しています。これらは繋がっていますが、その後、ウクライナに肩入れしていた安倍首相に会います。このような状況での会談ですから世界情勢に鑑みれば、メルケル首相はかなり厳しいことをこの会談で述べているものと考えます。
このような過去があっての安倍政権によるロシアへのアプローチです。このアプローチは、これまでの経緯を考えれば、世界情勢を念頭に入れたものではなく、選挙や政権浮揚策と私は考えます。そして、このことと新党大地の鈴木宗男氏の娘で衆議院議員の鈴木貴子氏の自民党入りがセットなのだろうと考えます。鈴木宗男氏は言わずと知れたロシア通ですし、かつては「ムネオ・ハウス」などが問題となりました。つまり、今回、安倍政権はロシアへのアプローチはこの鈴木宗男氏のルートを使い、そのバーターとして新党大地の自民党への傾倒が生じているものと考えます。
しかし、これは日露関係において本流なのでしょうか。非常に疑問に考えています。日露関係は良好であるべきと考えますが、米露協調など世界史的な状況で動いている中で、それに耐えうる関係構築を出来るのか非常に疑問に思います。

ロシアへの理解が進まない可能性
安倍政権の外交姿勢や政策は、安保法制など国内的に支持は得ていません。批判の向きが非常に強烈に存在しています。その政権がロシア・アプローチというのは決して日露関係の理解の促進にはならない可能性が非常に高いものと考えます。同時にそのロシアへのアプローチが推測したとおり鈴木宗男氏のルートならば、さらにイメージを悪くする可能性もあります。かえってネガティブ・キャンペーンになるのではないかと危惧します。
それは日露関係においてプラスにはなりませんし、世界史的な動きをする米露協調などロシアを取り巻く情勢において、単に極東だけという視点での日露関係だけというレベルに落ちてしまう可能性があるのではないかと危惧します。ロシアへは日本企業が既に活発に進出していますが、そのレベルで外交を考えるとなると意味があるのかとも考えます。
米露協調が実現していますから、当然、米国も大事にしたロシアへのアプローチが基本であることは間違いありません。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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