中道は極右からは極左に見える | |
[日本の政治] | |
2017年10月23日 1時28分の記事 | |
衆院選の投票が終わり、開票が進んでいますが、選挙期間中のことを少し見てみましょう。 「野党、追い上げ苦戦 選挙区で競合、与党有利に 希望、東京でも劣勢」(2017年10月20日 日本経済新聞)
上記記事に、希望の党の小池代表の言葉が以下の通り出ています。 小池氏は19日付で各候補に文書を配布。「しがらみばかりで自分たちの利権保持に躍起な自民。極左傾向が日増しに強まる立憲民主。私たちはそのどちらでもない、健全な改革保守政党だ」と檄(げき)を飛ばした。 小池氏や希望の党のように極右から見れば、立憲民主党は確かに極左に見えるでしょうが、基本的に立憲民主党は今のところ中道です。戦後の思想的な座標からしても、立憲民主党、社民党、そして共産党も今や中道路線であって、そこに過激思想は見られません。むしろ過激な思想は右派が圧倒的に多くなっています。それは革命主義が今や右翼だけになっていることということです。 世の中がかなり右傾化しているので、実は中道の部分の政治勢力がなくなっているわけです。そこに立憲民主党、社民党、共産党などが入っている状態で、そしてその勢力を求める国民の声が大きいわけです。 安倍首相が野党つぶしをしてると言われていますが、こう見ると明らかなようにその本質は野党つぶしではなく、中道つぶしなのです。日本の政治風景においてこれは非常に重要なことです。これは小池氏や前原氏についても同じです。この3人とも右翼政治家ですから、当然のごとく傾向とやることが一致するわけです。そして、言うまでもなく、これは偶然の一致ではなく、背景が同じものと考えるのが自然です。 上記の小池氏の言葉は非常に重要な問題点を提示しています。本ブログ「10年後の日本を考える良い指標 その3 福島第一原発?」(2017年10月18日)で書いたように、極左、リベラルと言うことで頭から排除すると思考停止に陥ります。これは思考停止しているからそういう排除をするのですが、極右の政治家から見れば、皆、極左に見えますから、それを排除していたら、現実感を失いますし、政治家として適切な対応もとれません。このようなことが福島第一原発事故のひとつの重要な要因と考えますが、上記の小池氏の言葉はそれと同じことを意味しています。このことは、安倍首相と同じ陥穽を小池氏も実は抱えていると言うことです。二人とも衆知を活かせない本質があると言うことです。 小池氏は衆院選での希望の党の低迷を見て、驕っていたと述べています。これは踏み絵などのことなのでしょうが、実は驕っていたことが本質的な問題ではありません。上記記事の小池氏の言葉を見れば、驕っていなくとも、容易に踏み絵などの排除の行動はいずれ行っていたでしょう。むしろ、今回は驕っていたから本性が出たというのが実相と考えます。早めに本性が出たということですから、国民にとって、また国政にとっては本当に良かったことでしょう。 今回の選挙結果、そして小池氏の本性が早めに露呈した現在となっては、今後、小池氏に対する風当たりは非常に強くなるでしょう。そして、このことが小池氏が都知事という目立つ地位にいることで、一層激しくなり、小池氏に重くのしかかります。これからオリンピックもありますし、どうしても目立つわけです。そういう中で、お得意の劇場型の手法ももうとれなくなるでしょう。そういう手法は、国民のために、政治のためにならないと多くの人が思い始めているからです。このように小池氏は極めて厳しい状況に今や置かれています。そして、このことは当然、希望の党の党勢にダイレクトに影響していきます。まさに希望がなくなっています。 一方、今回、小池氏と同一歩調をとった民進党の前原氏も、昨日の本ブログ「世論調査」(2017年10月21日)に書いたとおりです。もう既に賞味期限切れですが、まだ民進党の代表であるわけで、その地位でまともに前原氏に考えさせれば、今後、民進党に残った人々の政治生命を確実に奪うことでしょう。はっきり言って、前原氏に政治家としての力量はありませんし、同党同僚の議員を助ける力量もありません。そのことはわかりきっていますから、民進党に残った人々がどうするかははっきりしています。そもそも民進党の評判を落としてきたのは、前原氏などですし、その民進党にいる政治家が、最後の最後、ぎりぎりのところで自らの政治生命を守るためには、何をすべきかははっきりしています。まず、前原氏には責任者として考えさせないという、民進党におけるこれまでと同じ轍を踏まないことです。それが最善への一歩であることはどうみても間違いありません。 | |
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