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皇太子殿下のお誕生日に際し心からお慶びを申し上げます
[日本の政治]
2018年2月23日 23時48分の記事

皇太子殿下のお誕生日に際し心からお慶びを申し上げます。

「皇太子殿下お誕生日に際し(平成30年)」(2018年2月21日 宮内庁)

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上記リンクには、お誕生日に際し、皇太子殿下が記者会見でお話しになられたことが掲載されています。
今年のお言葉は、今上陛下がいらっしゃる中で、来年のご即位についてのご心情を公に表されるというものです。しかし、良く考えればこのようなことは近代以降初めてのことですし、さらにそのようなご心情を“公に”されるということを考えれば、まさに史上初めてのことと存じます。このことは来年もまた同じことと存じますが、お言葉を良く見つめると私たちが歴史的な瞬間に立ち会っているという感慨を深く持ちます。

記者会見のお言葉の中で、次代の象徴天皇としての抱負、新しい時代の天皇、皇后のあり方についてという問いに対して、皇太子殿下は、「過去の天皇が歩んでこられた道と,そしてまた,天皇は日本国,そして日本国民統合の象徴であるという憲法の規定に思いを致して,国民と苦楽を共にしながら,国民の幸せを願い,象徴とはどうあるべきか,その望ましい在り方を求め続けるということが大切であると思います」とおっしゃり、さらに「陛下がおことばの中で述べられたように,『時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うこと』が大切であり」とおっしゃっていらっしゃいます。以下にもう一度書きますが、非常に重要で素晴らしいお言葉です。


時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うこと


皇太子殿下が次代の象徴天皇としての抱負をお話しされる時、この今上陛下のお言葉を出されたことは本当に素晴らしいことと存じました。この短いお言葉は、まさに政の原点であり根幹と存じます。このこと無くして政治も社会も成り立たないと存じますし、このお言葉がすべてではないかとすら存じます。
記者会見でのお言葉の中に、雅子様のご体調のことを皇太子殿下はお話しされ、まだ全快はされていないとのことですが、今後、雅子様が公にお出になる、お出にならないということに関係なく、皇太子夫妻がこれからもずっとこの「時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うこと」というお心をお持ちになっていれば、わが国は安泰と心から存じました。このお心こそ、何よりも重要なものと心から存じます。

記者会見でのお言葉には、次の時代、新しい時代を彷彿とさせるものが多く、また素晴らしいお言葉がちりばめられています。特に以下のお言葉にはとても感動いたしました。


一方で,国際社会に目を向けると,引き続き,先進国,開発途上国を問わず,所得格差の問題や若年層の失業の問題といった課題に直面しています。また,依然として,世界の各地で武力紛争やテロ事件が発生しており,それらも背景に,不幸にして安住の地を離れざるを得なくなった難民・国内避難民等の数は,第二次世界大戦後最大となる約6,560万人に上っていると聞き,大変心が痛みます。すべての人が,民族や宗教といった相違を乗り越え,協力して国際社会の直面する諸課題に取り組み,持続可能な社会の実現を目指すことが,今まで以上に重要になっていると思います。こうした中,昨年,日本にもゆかりのあるカズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞されました。受賞そのものもうれしい知らせでしたが,イシグロ氏が受賞スピーチの中で,民族対立が深まり,社会が敵対する集団に分かれつつある時代において,ノーベル賞は,文学同様,自分たちを分断している壁を越えて,人間として共に戦わねばならないことは何かを思い出させる,と述べた点は,とても示唆に富むものであり,感銘を受けました。


世界的な格差問題、若年層の失業問題、戦争やテロの問題、難民問題、そして民族・宗教対立の問題と、皇太子殿下は率直に世界の根幹を揺るがす問題を指摘されていますし、これらのことを私たちがともに協力して解決して行かなくてはならないことはあまりにも明らかなことです。未来へと続く持続可能な社会を実現する上で、これらの問題全てに取り組み解決しなくてはなりませんし、何よりもこれらの解決無くして私たちの未来はございません。

そして、以下のお言葉では、弱者の社会的包摂の重要性と、意欲を持ち前向きに生きる人々を支える眼差しがございます。これらのことは私たちの未来を考える上で何よりも重要なことと存じます。


印象に残った公務についての質問ですが,いずれも特色があり,それぞれが印象深いものでしたので,特定の行事を個別に挙げることはなかなか難しいと思います。この1年間,雅子と共に公務のため都内や地方に赴いた折,沿道や会場などで,私たち二人を温かい笑顔でお迎えいただいたことは,とてもうれしく,また,雅子にとっても大きな励みともなり,有り難く思います。中でも,昨年5月に雅子,愛子と共に観戦した車椅子バスケットボール選手権大会や,9月の国民文化祭・全国障害者芸術・文化祭の折に見た車椅子ダンスパフォーマンス,10月の全国障害者スポーツ大会等で,障害のある方が日頃からのたゆまぬ努力の成果を出すべく一生懸命に競技に取り組む姿には,私のみならず,雅子も愛子も,深い感銘を受けました。障害者を始め,子どもや高齢者など,いわゆる社会的に弱い立場にある人々が,周りの人たちの支援も受けながら,社会の中で能力を発揮し,活躍できるような環境がつくりだされていくことが一層求められている時代だと改めて感じています。
また,昨年3月に訪れた産業施設の視察では,小さな工場が,世界的にも極めて高い精密加工技術を有し,最先端の産業を支え,欠かすことのできない役割を担っていることや,従業員の方々が,創意工夫を重ね,高い意欲を持って仕事に取り組んでいる姿を見て,とても心強く思いました。このことは,どのような組織・企業でも,熱意とアイディアによって,大きな発展を遂げることが可能であることの証であり,今後とも,そうした努力が報われる社会であり続けることを願っております。


今回の記者会見の後半に関連質問として、現在の両陛下が世の中から忘れられて、光の当たらなかった人々にお会いになってこられたことについて、皇太子殿下のお考えを尋ねるものがございましたが、とても良い質問だと存じました。是非、そのようなお心を引き継がれていただきたいと心から存じます。世の中が一部の目立つ人ではなく、大半の目立たない人々によって成り立っていますから、光の当らない方々に眼を向けることはなによりも重要なことと考えます。それが「時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うこと」と存じます。そして、このことは私たち一人一人も常日頃心がけなくてはならないことと心から存じました。それが社会をよきものにしていくものと存じます。
皇太子殿下の記者会見のお言葉を拝見し、新しい時代への胎動を感じざるを得ませんした。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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