これから2週間が正念場 甘すぎるマスコミの報道姿勢? | |
2020年8月28日 23時56分の記事 | |
アベ氏が首相を辞することを公にしました。しかし、これから2週間が何より正念場と考えます。むしろ、これからの2週間がもっとも危険と考えます。アベ氏は、実際、まだ辞任をしたわけではないのです。そのことを忘れるべきではありません。 (※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)
アベ氏は辞任の意向を表明しましたが、まだ辞めたわけではないのです。権限もそのままです。ですので、何かを決めてしまうこともできるわけです。特に現在のようにマスコミなどが、アベ辞任発表に感傷的・情緒的に反応し、さらに次の総理・総裁へと注目が集まると、首相のアベ氏に対するチェックはまったくなくなってしまうのです。 しかし、このようなドサクサに紛れて勝手に物事を進めたり、決めてしまうことは古今東西、多々あることです。特にアベ氏の場合は、責任感が希薄で、国会や国民軽視が甚だしかったわけですから、現状のように首相へのチェックがノーマークになっている時に、物事を進めてしまうことは当然、想定しなくてはならないのです。 公文書偽造や国会での虚偽答弁が多発した政権ですから、そもそも信頼すること自体が間違っているわけです。人が良すぎるのです。そのような信頼に足らない政権が、衆目のチェックがノーマークになれば、自分たちに都合の良いことに勝手にサインしたり、決定することは当然ありうるのです。特に、外交防衛においては当然、起こりうることで、徹底的にチェックをしなくてはならないのです。 内政においても予算の問題や新型コロナウイルス防疫対策について、国民に不利益なことを勝手に決める可能性は大なのです。9月半ばに自民党新総裁決定と言うことですので、それまでの2週間強は、とにかく緊急対応以外は、アベ氏は何もしなてはならないのです。なぜなら、辞任を発表した現状、何かすると言うことは無責任の極みだからです。 そして、果たして、そういうチェックを今のマスコミ、日本のジャーナリズムができるのかどうか、非常に疑問に思います。8月28日、アベ氏の辞任発表会見を中継していたTBSテレビ『Nスタ』で、男性司会者がアベ氏に対して「お疲れさまでした」と述べていました。アベ氏が病気で辞任すると述べていましたから、気持としてそのような言葉を言いたくなる心情は理解します。 しかし、マスメディア、ジャーナリズムはあくまでも権力のチェックをしなくてはならないのです。この言葉を聞いて、とても驚きと違和感をおぼえましたし、これでは権力へのチェックは到底できないだろうと率直に思いました。そして、このような心的姿勢が、疑惑のオンパレードで、国民に対して真摯に疑惑解明に応えてこなかったアベ暴政を許したマスコミ、ジャーナリズムの根幹なのだと考えます。 言ってみれば、この男性司会者はとても良い方として自分を表明しているのでしょうが、それはあくまでも権力への忖度であり、その忖度は要するに保身でしかないのです。若くて利発そうな方ですが、これでは将来のマスメディアに希望はないと考えます。この方は「コロナと共存」とか言ったりする方で、少し変な方と思いますが、このような言葉が出るようでは、マスメディアとしては完全に失格です。小政党とは言え公党の元広報部長は率直にそう思います。ちょっと甘い。そして、それでは日本のためには困るのです。日本のためにはならないのです。 一方で、アベ辞任会見で質問をしていた江川紹子さんはやはりさすがだと思いました。江川さんの質問は、達成されていないアベ政権の政策についてでした。第二次アベ政権発足直後の2013年、同政権は2020年、すなわち今年までに「世界最高水準のIT利活用社会を実現する」とうたって、ビジョンを示したわけです。しかし、現状を観れば、まったくその影も形もないわけです。アベ政権・日本政府は一次が万事、こように口だけで何も実現できていないのですが、そのことを江川さんはついたわけです。 それで良いのです。他にもいくつか厳しい質問をした記者がいました。それで良いのです。 権力とは巨大で強大です。その運用を間違えれば、多くの人々の命が犠牲になるのです。それが、先の大戦におけるわが国の政治、権力なのです。そして、アベ政権とは、その時代に日本を逆戻りさせようとしている政権なのですから、このくらいのことをしっかりと追求する緊張感がなければならないのです。 また、上述のように、まだ辞任をしているわけではなく、それまでのドサクサに紛れてとんでもないことをする可能性が大きいので、このような緊張感ある態度で常に権力を見つめることが何より重要であるわけです。しかし、Nスタの男性司会者のように「お疲れさまでした」と言ってしまえば、その緊張感はなくなりますし、またアベ辞任発表会見ですべてが終わったと放送で国民に対して印象づけることにもなります。しかし、辞職するまでは何も終わっていないのです。明らかにミスリードです。 アベ氏は、民主党政権の3年間について、その後、6年間という3年間の2倍の期間、批判し続けました。それなら第二次アベ政権は7年8ヶ月、憲政史上最長ですから、最低でも15年は、徹底的に再調査、チェック、批判される期間となります。アベ氏にとっては完全なブーメランです。 『権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する』というアクトン卿の有名な言葉通り、アベ政権は疑惑・腐敗のオンパレードでした。それなら、この7年8ヶ月について徹底的に検証をする必要は絶対的にあります。そうしなくては、すでに腐敗している政府を立て直し、正常化させることもできません。そうしなければ、国民の利益に反するのです。 また、基本的にこれまでの疑惑についてはまだ未解明で、場合によってはアベ氏やアベ氏夫人の証人喚問も必要と考えます。 このような再チェック、再調査は、国民主権の民主主義には絶対的に必要な政治過程なのです。なぜなら、このような最長期政権の全貌がわからなければ、国民は判断の材料がなくなるからです。これまでのことを総括し、将来に繋げるために絶対的に必要なプロセスなのです。ですので、全てを開示させる必要があるのです。次期国会ではまず、第二次アベ政権での全公文書の永久保存を義務づけることを法制化すべきです。 中国を独裁国家と批判するのなら、まず自分たちの国の民主主義制度をしっかりと正常化させ、適正に運用しなくてはならないのです。今のアベ政権では明らかに独裁政権です。 さらに、アベ政権でがた落ちとなった報道の自由度も、せめて先進国最下位を脱して、東アジアの台湾、韓国並にする必要があります。そのためには、アベ氏に対して「お疲れさまでした」なんて言っている情緒的なレベルではまったくダメなのです。 (つづく) | |
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