考えるまでもないオリンピックの再延期 (1) | |
[日本の政治] | |
2021年4月7日 23時59分の記事 | |
本ブログ「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(2020年12月31日)では、東京オリンピックの2022年開催を主張しました。このことを昨年の大晦日に書いたと言うことは、当然、今年にとってこれが大きなポイントになると考えたからです。そして、その時点で合理的に考えて、東京オリンピックの再延期は当たり前のことなのです。
この再延期はまさに考えるまでもないことなのです。このように断言する理由は2つあります。一つは、政府・行政が新型コロナウイルス対策に専念し、国民の生活と命を守るためです。これだけの世界的なパンデミックにおいて、政府・行政がオリンピックをやりながら新型コロナウイルス対策をできるわけがないのです。 それを無理をして行おうとするので、ごうごうたる批判と怒りの中で聖火リレーを強行するという愚を犯すわけです。 現状、ワクチンの普及で終息傾向の可能性が大きくなっていますので、来年に再延期して、そのために一年後に同じ聖火リレーをしても、そのときは批判はあっても軽微と考えます。まさに雲泥の差になるはずです。 オリンピック強行開催のための緊急事態宣言解除 もちろん、こういうことだけではなく、今年のオリンピック開催のために緊急事態宣言を解除したわけです。これまでも何度も指摘しましたが、感染者の増加と犠牲者の数には相関関係が厳然としてあります。以下のグラフはいわゆる第三波の感染者数と犠牲者数の7日間の移動平均のグラフを重ねたものですが、感染者数(青線)と犠牲者数(薄茶色線)の山の形はまったく同じです。感染者数が増えた20日から25日後には犠牲者数が増えるわけで、感染者数が減れば犠牲者数も減るのです。 (グラフはWorldometerから) このような傾向は2月の中旬には鮮明であったわけです。この相関関係はどんなバカでもわかるレベルです。 それならどうして2月末に6府県、3月21日に首都圏の緊急事態宣言を解除したのでしょうか? これまで何度も申し上げたように新型コロナウイルスの収束傾向をつくり出す方法は3つしかありません。それを効果が高い順から言うと、1)ワクチンで集団免疫をつくり出す、2)中国で効果を上げたPCR検査の社会的検査と隔離、3)緊急事態宣言などの行動制限です。日本はワクチンの開発・製造の自立性を喪失し、ワクチン接種は極めて遅い状況です。PCR検査の社会的検査と隔離について政府はやろうとする意志すら持ち合わせていません。それなら緊急事態宣言などの行動制限を解除すれば、当然、感染が再び増えるのは目に見えているわけです。 そして、その感染拡大は当然、新型コロナウイルスによる犠牲者を増やすことになるわけです。つまり、現状の日本政府の防疫レベル、新型コロナウイルス対策能力レベルでは、緊急事態宣言などの行動制限を解除することは、必然、日本国民の犠牲者を政府が認めると言うことなのです。 これを、この2月末と3月21日に緊急事態宣言を解除したことの明白な意味なのです。もちろん、それは今年にオリンピックを開催するために、聖火リレーを始めなくてはならないことによるわけです。そうでなければ、日本政府は公式に緊急事態宣言を解除したことにより、日本国民の犠牲を意図したということになります。なぜなら、宣言解除は犠牲者増となることが、はっきりとしているからです。オリンピック開催のために緊急事態宣言解除したと言うことでなければ、このようになるのです。でもオリンピック開催のためということであっても、当然、日本国民の犠牲を容認したということになります。もうすでに、日本政府・スガ政権は論理的に詰んでいるのですが、とにかくあまりにも非人道的です。IOCはこれを認めるのでしょうか? 平和の祭典と今後は言えなくなりますよ。 新型コロナウイルス対策とオリンピックの両立する能力は今の日本政府にはありません。そもそも、ワクチンの状況を考えれば、昨年末に再延期の決定をするのが、政治の責任というものです。それができない。こんなにわかりきっていることができなのです。私ですら、昨年末にわかっているのに。というより政府がグダグダ何もしないから大晦日に書いたわけです。日本政府には本当に防疫の専門家としっかりとした決断ができる人がいません。本当に頭が悪い。日本の劣化の象徴でしょう。 「考えるまでもないオリンピックの再延期 (2)」(2021年4月8日)へ続く。 最終編集日時:2021年9月6日 11時41分 | |
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