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《総選挙》今回の選挙のポイント
[日本の政治]
2021年10月30日 23時55分の記事

以下は10月30日にフェイスブックに掲載した内容です(一部加筆修正)。

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◎ ご祝儀相場はなく、超短期決戦が裏目にでた
今回の総選挙は、衆院解散から選挙までの期間が戦後最短の"超短期決戦”などと呼ばれました。今回の選挙のポイントは、まずここにあります。
この超短期を決めたのは自民党です。これまでは、自民党総裁選をすると自民党への支持率が上がり、それがそのまま選挙結果に反映されてきたのです。これがご祝儀相場などと呼ばれてきましたが、だからこそ、その相場があるうちにと選挙までの期間を超短期にしたのです。
しかし、今回はアベ・スガ体制への批判が極めて強く、自民党総裁選での支持率上昇が予想されたほどに起きていません。ここに自民党の誤算が生じていて、以下の記事のように自民党議席の減少幅が焦点となっているのです。

「自民、単独過半数なるか 減少幅が焦点に 衆院選、31日投開票」(2021年10月30日 毎日新聞)

これまであった自民党総裁選後のご祝儀相場は、今回はなかったわけです。
しかし、テレビなどのマスメディアの報道姿勢は、自民党総裁選を大きく取り上げ、一方で衆院選は低調でしたから、このマスメディアの姿勢は、自民党へのご祝儀にしか私には見えませんし、新政権発足後のハネムーンをマスメディアが行なっていたように思います。だから、ご祝儀になるのですけどね。
いずれにせよ、ご祝儀相場はなかったので、新しく岸田体制として発足した自民党は、岸田カラーの周知とアベ・スガ体制への批判の払拭をはからなければならなかったのです。
アベ・スガ体制とは違う岸田カラーを鮮明に出し、その周知のための期間をつくる必要があったわけです。
しかし、逆をいってしまった。岸田カラーは人事などを見ても何かよくわからないものになってしまっていますし、とにかく選挙までを超短期にしてしまったわけです。これでは支持を得られません。
このようなことが、岸田新体制発足から間もない10月24日に行なわれた参院補選・静岡での自民党惨敗として出ているわけです。
ですので、アベ・スガ体制脱却を鮮明にした岸田カラーを出すことと同時に、以下の記事にあるように、この衆院総選挙を11月14日、21日、28日のいずれかにすべきであったのです。

「衆院選、10月31日以降が濃厚 初の任期満了後投開票へ」(2021年9月4日 時事通信)

◎ 野党共闘、そして維新の位置づけの本当
今回の総選挙における、もう一つの主要ポイントは、立民・共産を中心とした野党共闘と自民・アベ・スガ体制への批判票の行方です。ただでさえ立民・共産を中心とした野党共闘は大きな力を発揮するのに、さらに上述のように自民・アベ・スガ体制への批判票への対応ができていないのです。よって必然、反自民、反アベ・スガ体制への票は、野党に流れるわけです。
そもそも立民・共産を中心とした野党共闘の動きが確実になったときから、この野党への票を分断する必要性が自民党にはあったわけです。立民と共産、また国民民主がそれぞれ分断されていれば、どんなに反自民票が膨れあがっても、議席には結びつかないので自民党には脅威になりません。
しかし、野党が共闘すれば、反自民の票は確実に議席増に結びつき、自民党にとっては大変な脅威になるわけです。
そうなるとその野党共闘へ流れる反自民票を、もう一つの野党で割る必要が出てくるわけです。それが、維新の存在と考えます。
以下の記事のように、かなり以前から維新と自民は繋がりがありますし、控えめに言っても両者の関係は「持ちつ持たれつ」の関係であるわけです。政界にいれば、この話は常識的な話しと考えます。維新が『や党』ではなく、『よ党』に近い『ゆ党』と表現されるのは、このような意味があるわけです。


「維新10年、『俺たちこそ自民』 政権との太いパイプ、アピール=訂正・おわびあり」(2020年4月19日 朝日新聞)

以下の記事のようにアベ・スガ体制・自民党と維新との親しい関係は有名でしたし、アベ・スガ体制の払拭ができていない今の岸田体制では、ほとんど何も変わらないと考えます。

「首相と菅長官、橋下氏や維新の松井代表と会食」(2019年12月27日 産経新聞)

自民党と関係が濃い存在が野党にいることによって、国会や選挙をコントロールしやすくなるというのが、実はこの10年における日本の政治の隠れた大きなポイントなのです。あまり目立たないですことですが、その影響は非常に大きく、野党勢力が拡張しなかったのは、ダイレクトに立民や旧民主党がだらしないということではなく、このようなカラクリがあったからなのです。
しかし、今回は立民・共産を中心とする野党共闘ができたわけです。
必然、非常に大きくなっている反自民票における、自民党に近いもう一つの野党・維新のスタンスが、ポイントになるわけです。
そうなると、維新は反自民の方向性を強くする必要があるのです。そうすると、自動的に野党に流れる反自民票が割れるという構図ができあがるわけです。
この構図は、大阪では、反自民の風が自民を下して、維新の議席独占と言うことになっていきます。しかし、他の圧倒的多数の地域では、立民・共産を中心とする野党共闘への票を割ることになるわけです。
これは、何を意味するのか? 端的に、反自民色を鮮明にした維新は、その本質は自民党をアシストしているということなのです。
10月31日の開票後、鮮明に見えてくる一つの構図があると考えます。それは何かと言えば、自民党候補者と立民・共産を中心とする野党共闘の候補者が競っていた選挙区に、なぜか得票数が少ない維新候補者がいるということです。このような選挙区がかなりあるということです。そこでは、野党票を分断して自民の候補者を維新の候補者がアシストするということことです。
こういうことで、今回、維新は自民党批判をすることになったと考えます。非常に玄人向けのお話しですが、これが実相と考えます。

「吉村知事が東京で演説「新しい自民党も残念」岸田政権への対抗姿勢強調」(2021年10月17日 日刊スポーツ)

「岸田自民党には容赦ない維新の強気」(2021年10月16日 産経新聞)

ということは、選挙が終了すれば、この維新の姿勢が180度変わることは、容易に想像できるわけです。『ゆ党』が『よ党』になるということも当然考えられるわけです。『や党』にはならない。

◎ そして島根1区問題
反自民・反アベ・スガ体制への票と立民・共産を中心とする野党共闘への票を割るということが、今回の選挙の主要ポイントです。そういうところに、必然、島根1区で起きた立民の亀井亜紀子さんと同姓同名の『謎』の候補者が突如現われるということが生じると考えます。非常にわかりやすいことが起きていると考えるのです。
ただ、このことは昨日書いたように民主主義を冒涜する行為に他なりません。まさに島根1区の汚点となり、その善良な有権者をおとしめ、冒涜するものになったと考えます。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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