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今回の日韓関係の進展は戦争のためであって、両国の真の和解のためにはならない
[日本の政治]
2023年5月21日 23時20分の記事

2023年5月23日、広島でのG7サミットに関わり日韓首脳会談が開かれました。この首脳会談については、以下の2つの記事をみても明らかなように、『日韓関係の進展』がアピールされています。無論、アピールしているのはキシダ政権・日本政府で、その政府見解をそのまま記事にしているのというのがこれらの記事の実相と考えます。しかし、キシダ政権が進める現状の日韓関係では両国の真の和解にはいたらないと断言しておきます。その理由は非常に単純・明解ではないでしょうか?

・ 『日韓首脳会談 岸田首相「日韓関係の進展 如実に示すもの」 』(2023年5月21日 NHK)

・ 『岸田首相、韓国・尹大統領と会談 「日韓関係が進展」と強調 』(2023年5月21日 毎日新聞)

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キシダ政権が進める現状の日韓関係では真の和解にはいたらないその理由とは、とても簡単で、その関係強化が『戦争』のためにあるからです。その関係の緊密化が『平和』に基づいたものではないから、この『関係進展』は日韓関係の真の和解には繋がりません。
今回のG7サミット、この日韓会談、そしてゼレンスキー来日などはすべて戦争のためにあり、グローバルサウスについてもそうです。これらは単なる英米・ネオコン・西側の対ロシア・中国についての地政学的な動きに過ぎず、戦争、戦争のエスカレーション、第三次世界大戦のためにあるのです。
無論、この戦争とは西側とロシア、中国などとの戦争です。それを高らかに宣言したのがG7サミット、日韓会談、ゼレンスキー来日、グローバルサウスへの動きなのです。
ゼレンスキーとインドのモディ首相が会談したことについて、日本のメディアでは、ロシアの孤立化と言っています。ゼレンスキーは、現在、ロシアと戦争をしているわけで、そのゼレンスキーとインドのモディ首相が会談して、それがロシアの孤立化というのなら、この会談が対ロシア戦争のためのものということを日本のメディアが言っていると言うことなのです。以下のテレビ朝日の論調はこの典型例でしょう。

・ 『ゼレンスキー氏がインド首相と会談 ロシアさらに孤立か(2023年5月20日) 』(2023年5月20日 テレビ朝日)


当然、韓国大統領来日もこの対ロシア、対中国との戦争のための日韓結束が目的なのです。こんなことは寝ていてもわかることです。
ですので、冒頭に取り上げた2つの記事は明らかな戦争プロパガンダと考えます。要するにこれも『国民のためではなくG7サミットのための演出、プロパガンダ及びミスリード』のひとつなのです。繰り返しになりますが、今回のG7サミットは平和のためではなく、戦争のエスカレーション、第三次世界大戦のためにあるのですよ。言うまでもなく、その戦争にこれから日本国民が巻きこまれていくということが、平和の象徴・広島でのG7サミットの本当の意味なのです。忘れないでくださいね。


○ 今回のG7サミット、ゼレンスキー来日のテーマは平和ではなく、あからさまな戦争のエスカレーション
以下の2つの記事には、ゼレンスキー来日の目的が『露攻勢へ広島で外交総仕上げ』とあり、またウクライナに対してのF16供与を米国容認とあります。これでロシア・ウクライナ情勢において平和が訪れると考える方がおかしい。明らかな戦争のエスカレーションではないですか。

・ 『ゼレンスキー氏、対露攻勢へ広島で外交総仕上げ 核軍縮発信も後押し 』(2023年5月21日 毎日新聞)

・ 『ゼレンスキー大統領が来日、G7と討議へ 米国はF16供与容認 』(2023年5月20日 北海道新聞)


ロシアの専門家と言われている中村逸郎、昨年6月にその月末までにロシアのプーチン大統領は99%の確率で辞任すると大変な予言をした中村逸郎は、5月21日のフジテレビ『FNN Live News イット!拡大』で、今回のゼレンスキー来日の目的について以下のように解説しています(午後6時11分頃)。


(ロシアとの和平交渉、停戦への道筋はないものか、というMCの言葉に対して)それは恐らくゼレンスキー大統領にとっては一番難しいところで、やはりプーチン大統領とは外交交渉はもうできないと。ですから、まあ、欧米、アメリカからの中心ですけれども軍事支援を受けて、そして、反転攻勢にでるしかない。その最終確認が実はこのG7の場であったんだろうと私は思っています。




中村逸郎は、要するにゼレンスキー来日とG7サミット出席の目的は、日本を含めたG7とウクライナが、対ロシア戦争をエスカレートさせることと言い切っているのです。まさにその通り。彼はよくわかっています。言うまでもなく、彼がわかっていることはロシアのことではなく、ロシアに対しての西側の意向ということであるのが正確な評価と考えます。したがって、彼はロシアの専門家ではないですし、私には、彼の存在と目的は反ロシアのプロパガンダをすることと考えています。
因みに中村逸郎が行なった『昨年6月にその月末までにロシアのプーチン大統領は99%の確立で辞任する』という予言は以下のものです。

・ 『【中村逸郎氏の独自解説】『99%の確率でプーチン大統領が6月末までに辞任する』中村逸郎名誉教授が読み解くロシアの“3つの兆候”(2022年6月10日) 』(2022年6月10日 MBS)


まさにこのゼレンスキー来日の意味は、日本を含めて西側をさらに巻きこんだ上でのロシアに対する戦争のエスカレーションであり、同様にこのサミットは対ロシア、対中国などとの戦争サミットということなのです。ですので、私には、このゼレンスキーは単なる『戦争の使者』にしか見えません(無論ゼレンスキーは傀儡だが。それにしても同氏は戦争状態の自国には戻れないのではないか? ただそれでもウクライナでは政権転覆は起きない。なぜなら英米・ネオコンが支配しているから)。
そして、今回のゼレンスキー来日の真の意味は、2014年2月、英米・ネオコンによってなされたウクライナの親露政権転覆と反ロシア政権樹立(本ブログ右側にあるオリバー・ストーン監督の『ウクライナ・オン・ファイア』にその詳細が描かれている)からはじまったロシア・ウクライナ戦線が、東アジアにも拡大するということなのです。このことが日本にNATOの連絡事務所ができることの真の意味なのです。無論、ロシア・ウクライナ戦線を開いたのは、ロシアではなく、英米・ネオコンです。
そして、この2014年2月に英米・ネオコンによってなされたウクライナの親露政権転覆と反ロシア政権樹立直後の翌月、安倍政権はウクライナに1千億円規模のインフラ整備支援などを行っています。ザ・フナイ2017年4月号でこの安倍政権の動きを批判しましたが、一貫して安倍政権は英米・ネオコンと行動をともにしているのです。反安倍なら親ウクライナということはあり得ないことです。その安倍政権の外務大臣はキシダであり、安倍政権の正当なる後継のキシダの動きは、現状、安倍政権時代からやっていることをそのままやり続け、それが今回のG7戦争サミットにはっきりと現われているだけなのです。構図は極めて単純明快なのです。
このようなことが現在まで続いて、今回の広島でのG7サミットになっているのです。ですから、このサミットでは、ロシア・中国を一方的に悪く言って、それらを成敗すると言っているに過ぎないのです。
戦前・戦中に『鬼畜米英』という言葉がありましたが、それとセットであったのが『防支膺懲(ぼうしようちょう)』というスローガンです。このスローガンの意味は、『暴虐なシナ(中国)を成敗せよ』という戦争煽動・戦争プロパガンダです。そして、今回のG7サミットでのロシア・中国に対するロジックはまさにこの防支膺懲と同じなのです。防露膺懲(ぼうろようちょう)、防中膺懲(ぼうちゅうようちょう)と、サミットを通じて言っているに過ぎないのです。


○ ゼレンスキー来日は突然のサプライズではない
簡単に書きますが、ゼレンスキー来日、サミット出席は、キシダがウクライナを訪問するときから決まっていたと考えます。要するにゼレンスキーが日本にいきなりきたら、様々な反応が予想されるので、まずキシダからウクライナに行って、ゼレンスキーに会い、その様々な反応に対する対策を打っていたと考えます。突然のサプライズでも何でもなく、むしろ今回のサミットのメインとして計画されてきたことでしょう。


○ 唯一の被爆国は日本ですが、それでは日本人の頭上で原爆を炸裂させた唯一の原爆使用国はどこの国ですか?
日本のマス・メディアの論調をみていると、日本は唯一の被爆国で、広島は平和の象徴、その広島にG7サミットの各国首脳が集まり、まさに平和のための会議が開かれているというのが、主な論調です。しかし、このG7サミットの本質は上述のようにまったく逆のモノです。
この唯一の被爆国日本、平和の象徴・被爆地広島という論調は、核で脅しているロシアの核使用を許さないというスローガンに繋がっていくのですが、無論、これもつくられた間抜けなロジックです。
ちょっと考えてもみてください。1945年、日本人の頭上で原爆を炸裂させたのはアメリカではないですか? 史上、唯一の原爆使用国は米国。それなら、再度、原爆を使用する可能性が一番高いのは、米国ではないでしょうか? まっさきに問題となるのは米国のはずです。
しかし、その米国に対して、かつての使用について日本のマスメディアは問題定義をしているのでしょうか? まったくの沈黙。日本のマスメディアでは、原爆が天から降ってきた天災のように、その原爆使用国・米国のことをひた隠しにしています。
同様にこのサミットでは、その米国に対して何かをいっているのでしょうか? 二度と原爆を使うなとキシダは米国にしっかりと言っているのでしょうか? 何もいっていないでしょう。まったく、そのようなことは報道されていません。唯一の原爆使用国・アメリカがまったく隠されているのも、明らかにおかしなことです。まさにプロパガンダ。
日本での論調は日本は唯一の被爆国で、平和の象徴・被爆地広島でサミットを開いたから、唯一の原爆使用国・米国をようする西側は、ロシアに対して原爆使用をやめろと言いうのは、当然といっているわけです。このロジック、滅茶苦茶ではないですか? 単なる印象論でしかありません。
ロシアは確かに核兵器保有国ですから将来、使用の可能性はあります。しかし、世界中でもっとも使用の可能性が高いのは、すでに2回も原爆を使用している米国でしょう。その米国について不問に付し、何も言わないのは明らかにおかしい。ロシアに対して使用するなというのなら、米国の過去の使用についてまず問題視すべきであり、その上で、米国も将来使用しないからロシアとしっかりと話し合いましょうというのが筋でしょう。 
つまり、西側の対ロシア・中国との戦争に、被爆地広島がプロパガンダに使われたということにすぎないのです。それなら『はだしのゲン』も小学生の教科書から消えるはずです。

(つづく)

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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