年始のTV特番での政治の醜態 | |
[日本の政治] | |
2016年1月3日 23時55分の記事 | |
年明け、年始のTV番組は風物を感じますが、何か年々、その内容が薄くなっている感じがします。出演している人が同じで、内容もさほど変わらない感じがして、以前のように年末年始のテレビを楽しみにする気持ちはあっても、何かどこかはぐらかされている物足りなさを感じます。その原因は、一言で言えば多様性を喪失しているからであって、既にテレビにはダイナミズムがなくなっていると思います。
箱根駅伝は毎年、見ますが、今年の一つの特徴は、沿道で応援する人がこれまでと比べ若干少ないことのように思います。感覚としては1割か1割5分少ないのではないかと思います。明日から仕事始めというカレンダーのためかもしれませんが、この変化は少し気になるものとしてあります。活気のなさを感じ、現在の日本の世相や経済情勢を反映しているようにも見えます。 年始のTV特番と言えば、元旦未明に放送されたテレビ朝日の『朝まで生テレビ! 元旦スペシャル』で自民党の区議が身分を明かさず一般市民の代表を装って安倍政権擁護の発言をしていたことが、話題となっています。この方が、安倍政権批判を庶民の代表を装ってしていたのなら、さすがだなと思いますが、このようなやり方はさすがに「せこい」なと思わせるに十分です。了見が狭いというか、天下国家は考えていません。テレビというのはこのようなことが当たり前に起こりますから、その情報はよくよく見ないと一般の国民にとっては危険なものになります。 ただ、少し気になるのが、この番組を企画したテレビ朝日や司会者の田原総一朗氏は、この発言者のことを知っていたのではないかと言うことです。そう勘ぐりますし、こんなケアレスミスが起こるものかとも正直、思います。テレビ朝日や田原総一朗氏が批判精神をもったジャーナリズムで番組をつくっているというのは幻想でしょう。特に田原氏についてはそう思います。批判精神をもったジャーナリストと映っているだけでしょう。 1980年代後半にこの番組が登場したときは、やっと日本にも議論をする番組が登場したと若いながらも評価しましたが、今やこのようなことが生じてしまうのは時代の移り変わりなのでしょう。 経済が悪い国で経済再生担当大臣が歌う もう一つの醜態は、元日に放送されたフジテレビの歌合戦番組で、甘利経済再生担当相と高市総務相が出演、歌ったと報じられていることです。歌番組とはいえ、これではフジテレビに政治的な中立性で報道をと期待しても無理な話でしょう。そもそもそのような考えはフジテレビにはないと言うことです。政治家のテレビでの露出は、大きな影響があるので、中立性はやはり考えられるべきでしょう。歌番組と言ってもそれは同じで、与党の政治家しか呼ばないフジテレビはそこに意思がはっきりと出ているわけです。だからといって野党の政治家を出したとしてもそんな番組を見たいとも誰も思わないでしょう。そもそも企画自体が軽いのです。 昨年から経済が悪いという数字や情報が多く出ているのに、経済再生担当相が正月から歌番組でマイクを握って歌っているというのですから、政治も末期です。それで歌った後の感想がTPPの時よりも緊張したと言ったとか言わないとか。TPPの影響で生活の不安を抱えた人々は一体、この発言にどう思うのでしょうか。正直、憤りを覚えます。どうしようもなく軽い方だなと思います。 また、TV局に許認可権限を持つ総務大臣が、このような番組に軽々しく出て良いのかと疑問に思います。マスメディアに権力を振りかざすというのが、現政権の特徴なのでしょうが、権力を持つものはもう少し控えめであるべきでしょう。もしかしたら、許認可権を振りかざしてこの番組に出演したと言うことではないかと勘ぐります。ただ、そうではなく恐らく実相はその反対と考えます。 政治や言論の末期を感じさせる「新春」でした。いずれ新しい時代が到来します。そういう意味では新春を感じた今年の正月でした。 (「フジ元日ゴールデンは『東西対抗歌合戦』横綱・現役大臣らが"十八番"を披露」2015年) | |
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