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日本の政治は時代の変化を理解しているか??
[日本の政治]
2016年3月13日 23時55分の記事

米国大統領選では、民主党の社会主義者・サンダース氏が予想外の善戦をし、若年層の圧倒的な支持を得ています。一方、共和党はトランプ氏が旋風を巻き起こし、問題発言が多いことが話題となっていますが、支持は一定数を確保しています。今後の展開については触れませんが、この民主・共和両党で旋風を巻き起こしている両候補者は、全く対極にあるように見えて、実は同じ背景をもっているように考えます。

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サンダース氏は社会主義者で、米国の歴史上希有な存在でしょう。サンダース氏のことだけでも米国政治史においては画期の出来事と言えると考えますが、サンダース氏を支持する層は明らかに現状に対して不満や不安を持ち、そこには貧富の格差が厳然として存在しています。だから、社会主義が台頭してくるのですが、激しい自由競争だけでは社会を営むことが明らかに出来なくなっている状況と考えられます。
一方、トランプ氏については、彼を支持する層も実は社会的・経済的不満の発露が本質と考えます。『もっと良い生活をさせろ』、もしくは『これ以上、生活のレベルは落とせない』という心情を背景として、排他主義に陥っているわけです。法王フランシスコが貧富の格差は暴力を生むと『福音の喜び』の中で述べていますが、まさにこの排他性の背景には貧富の格差があると考えられます。かつてのナチス台頭と類似の心的状況がそこにあります。
サンダース氏の社会主義に支持が集まるのも、トランプ氏の排他性へ支持が集まるのも、その背景には同様に貧富の格差があると考えるのが自然でしょう。数年前、米国では99%と1%の富裕層という言い方がされましたが、その趨勢が今も続き、現在の状況のベースとなっているわけです。これは明らかに米国から発生した貧富の格差を生む新自由主義が、その発祥地の米国社会を相当むしばんでいると言うことでもあります。
そして、この趨勢は、最終的に富を独占するものに間違いなく向かいます。これは必然的な帰結で、どんな政治手法をとって誤魔化しても、誤魔化すことができない状況へと進展します。
米国は早々に中間層の再構築を行うべきでしたが、そうせずに貧富の差を拡大し続け、既に「ルビコン川」を渡ってしまい元に戻ることが出来ない状況に至っているものと考えます。だからこそ、そのことが今回の大統領選の異変に如実に表れているわけであり、実際、民主・共和両党ともこれまでのような生え抜きの候補者ではなく、部外者であるサンダース氏、トランプ氏が旋風を巻き起こしているものと考えます。このことが示すことは、これまでの米国政治の対立軸が既に激変しているということであり、その背景は新自由主義の跋扈とそれに蝕まれたまれた米国社会から生まれた新しい流れという次の段階への移行が始まっている状況と言えます。それは、言い換えれば新自由主義を否定する動きであり、新自由主義と密接に絡む軍産複合体の否定にもなっていきます。この流れは既にオバマ政権の時から始まっており、今後、確実に強まっていくでしょう。そして、最終的には貧富の格差を解消し、分厚い中間層、そして社会基盤の整備という方向に間違いなくなっていきます。これが革命的か、政治の範疇でおさまるかは政治家のビジョンと素早い対応によって変わります。
米国は自らつくり出した原因によって、新しい状況が胎動しているのです。同時に様々な構造の変化が生じている状況で、これらを内包してこれまで長く続いた既成の枠組みからはみ出して事態が推移しているのです。

「日本の政治は時代の変化を理解しているか??」(2016年3月13日)へ続く。

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片桐勇治(政治評論家) さん
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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