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日本の政治は時代の変化を理解しているか??
[日本の政治]
2016年3月14日 7時8分の記事

昨日の本ブログ「日本の政治は時代の変化を理解しているか??」(2016年3月13日)の続きです。

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自公 対 民共??
3月13日、自民党の党大会が開かれ、そこで安倍首相は「自民党と公明党の連立政権対民主党と共産党、『民共勢力』との戦い」(2016年3月13日 産経新聞)になると演説で述べいます。選挙前に対立の構図を作り上げて「集票の構造」を作ることが、この発言の真意でしょう。しかし、これまで政権与党に疑問を持つ層の受け皿にすらなっていなかった民主党や共産党を、首相自ら対立の構図として明確に「受け皿」と認定してしまっては、むしろ民共にとっての「集票の構造」ができあがってしまった、もしくはつくってあげてしまったということと考えます。
これで自民党の失政やスキャンダルが出れば、自動的に民共に票が流れる構図ができあがったと言うことです。これは明らかに政権の焦りからくるミスではないかと考えます。政治のイニシアチブを握っているのはあくまでも政権与党であり、その政治が検証の対象になりますから、このような構図をつくることは明らかに野党に有利になります。失政やスキャンダルがあれば「野党の批判ばかりして、やることやっていないではないか」と言われるのが落ちです。与党であるのに視点が野党なので、このようなミスが生じるのであると考えます。
米国の大統領選挙などでは対立候補の名前を言わないということがありますが、それはそのように名前を言えば、自分以外の票の受け皿を提示してしまうからです。今回はこのような構図を自民党自ら作り上げたという形になったと判断します。

「首相、参院選は『自公連立政権対民共の戦い』 」(2016年3月13日 産経新聞)

次の参議院選挙で自公対民共という構図は、間違いではないでしょう。しかし、その構図は本質ではないと考えます。自公対民共という認識は間違っていないが、当たってもいないと言うことです。そして、ここに今の自民党・公明党政権の本質的な瑕疵や見落としがあり、それが政治のゆがみになっているものと考えます。
現在の日本の政治状況、社会の状況について、最も的確に把握しているのは、現状を見る限り、共産党と考えます。以下の記事のように自公に対して5野党と市民・国民と対立軸を共産党の志位委員長は述べています。

「志位委員長『参院選は自公対5野党と市民・国民』」(2016年3月13日 NHK)

「国民」とは大げさかもしれませんし、政治的に構図を作り上げる発言と言えますが、ポイントは、自公に対して民共が対立軸ではないと言うことです。昨今、世論調査を見ると自公に対して満足していない層が非常に増えていますが、それが現状、民共に流れているわけではありません。つまり、民主党は対立軸ではないないのです。だから、民主党がその世論の意志を反映できなければ、必然、支持は得られず消滅するでしょう。今回、自公対民共という構図をつくり出してしまったことで、かえって民主党が得をしている状況が出現していますが、現状の世論のベースはこのようなものです。
そして、現状、日本で生じていることは、上述した米国で生じていることと同じものと考えます。新自由主義で社会基盤は非常に傷つき、余裕がなくなり、中間層も必然的に縮小しています。そういう状況において、現在、問題となっている待機児童問題、少子化問題、貧富の格差、労働環境、子どもの貧困などがあるわけです。すべて社会基盤の問題として表面化しているわけですが、そのことにこれまで本当の意味での対応がとられていないと思われていますし、状況は改善どころか悪化の一途をたどっています。そして、政権はその反対の方向や関係のない方向で政策を進めている、もしくはそう思われているわけですから、当然、不満や不信となって世論調査に現れるわけです。
共産党の言う「国民」とは、正確に言えば国民ではなく作り出された社会構造(社会基盤)なのであって、現状、このことが日本の政治状況において固定的な構造、軸になっているわけです。したがって、現状、これは階級闘争ではないのです。このことは米国の状況も同じでしょう。むしろ闇雲な新自由主義の推進によって共同体の危機が明らかに浮上している状況なのです。これは政治の不在を意味し、その政治の間違い、本質を踏み外した政治が巻き起こす必然的な反応が現在、生じているものと考えます。
米国でも同様で、それが既成の政治的枠組みを越えた現象として現在生じているものと考えます。
ローマ法王フランシスコが『福音の喜び』などでトリクルダウン理論を激しく批判していますが、この箇所を読んだとき、世界中でこのトリクルダウン理論が言われているのだと思いました。新自由主義は、まさにグローバル資本主義ですから当然なのですが、日本ではその政策を自民党が率先して実施してきたわけです。だから、日本も米国も同様な現象が生じるのであり、欧州もまた同じでしょう。
したがって、民主党がこの状況の本質をつかめなければ、当然、支持を失い必ず民主党はなくなりますが、だからといって、この本質的な状況が変化するわけではないので、いずれ代替の勢力が出現してくることは必定でしょう。
この本質的な流れはいずれ自公を飲み込んでいくでしょう。その流れに反する動きをすればさらに大きくなって跳ね返ってくることは間違いありません。この流れを誰がつくっているかと言えば、それはまさに政権与党であるわけですから今や自ら状況を非常に難しくしているのです。そして、既にこれまでの既成の枠組みでは捉えることができない状況に入っているのです。
自民党で次を担うことができる者は、明らかにその穴をふさぐことができる政治理念と政治的な力量を持った者です。現政権では不可能でしょう。そして、それができなければいずれ必然的に自民党もこのうねりに飲み込まれ、これまでの枠組みからはみ出した政治的な流れが確実に日本に出現していくことになります。それが何時なるかは断定できませんが、既に始まっていることだけは確実であると考えます。

「日本の政治は時代の変化を理解しているか??」(2016年3月13日)

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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