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梯子をかけて転げ落ちた
[日本の政治]
2017年3月24日 8時18分の記事

国会で籠池氏の証人喚問が行われましたが、明らかに籠池氏の答弁で語られたこの問題に関連する人々の新たなる証人喚問と問題の全容解明が必要です。籠池氏の証言の内容は様々なポイントがあるものと考えますが、偽証罪以外の罪にも問われる可能性もある上でのその発言は潔いという印象がありました。先日の都議会での証人喚問で、発言の冒頭、文字をすべて忘れたと予防線をはった右翼のカリスマよりは、はるかに潔かったと考えます。

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この籠池氏の証言で、FAX2枚目の「調整中」というのは、明らかに力が働いていることを意味しています。官房長官などは何を根拠に断っていることだと言うのか、わかりません。『今は駄目だけど、次はいけるようにがんばっています』というのが、この調整中の意味ですから、当然、これは今回の件で働きかけが行われたことを示しているものと考えます。
この籠池証言に対して、安倍首相夫人がフェイスブックで反論したと報道されていますが、これは明らかに国会軽視です。籠池氏の証言は、国権の最高機関で偽証罪に問われる可能性のある中での発言です。国会において今回の問題の全容を解明するための証人喚問であるわけで、そこで行われた籠池氏の発言に対して、首相夫人ともあろう人が、フェイスブックで反論というのは、国会での証言とフェイスブックでの反論が同等ということですから、明らかに国会をなめている、愚弄している行為です。国政に対する責任感は全く感じられませんし、これは国家・国民を愚弄する行為です。さらに言えばフェイスブックで書いた人が本人ではない可能性もあるわけです。そのようなことを首相夫人がするというのは、あってはならないことでしょう。国家と国民をなめすぎです。この一見でも首相は辞任すべきレベルと考えます。


今回の証人喚問には他にも多くのポイントがありましたが、とりあえず一番最後の質問者のやり取りだけを取り上げて見てみましょう。
今回の証人喚問は参議院、衆議院と続き、同日に行われましたが、衆参あわせて一番最後の質問者は日本維新の会の下地氏でした。
この質問は今回の証人喚問で明らかにポイントの一つと考えます。この下地氏の質問の中で、松井大阪府知事が森友学園の問題に関与しているとはっきりと述べています。下地氏は、「松井さんはあなたが学校(経営)ができるようにはしごを掛けて、はしごから落ちたのはあなた自身なんですよ」(2017年3月23日 毎日新聞)と述べています。証人喚問の証言者ではなく、明らかに質問者が松井知事の関与を確定させる発言をする形になったと考えます。
このことは以下の記事でも明らかでしょう。

「私立小設置認可基準を緩和 大阪府が要望受け」(2017年2月28日 毎日新聞)

この記事では、2012年、大阪府が森友学園の要望を受け入れて、私立小学校設置認可基準を緩和していたというものです。そして、基準の緩和後、小学校認可の申請は森友学園の1件のみと書かれています。普通に考えて、森友学園のためにこの設置認可基準が緩和されたと言えると考えます。籠池氏が梯子を変えてくれと要望して、それに応えて梯子をかけたということと考えます。同時に、基準緩和を要望したところだけしかこれまで申請がないと言うことですから、その基準緩和における大阪府の判断も、実際の所、公益性に欠けていることは明らかと考えます。公益性を装っての基準緩和と考えますが、実質、恣意的な基準緩和という側面は経緯からして明らかと考えます。
このような関係が、少なくとも2012年から続いているということです。その中での2015年1月27日の大阪府私立学校審議会臨時会での条件付き認可適当となるわけですが、森友学園と大阪府の関係において、下地氏の発言での「松井さんはあなたが学校(経営)ができるようにはしごを掛けて」というのは非常にわかりやすいものです。この下地氏の発言で、大阪府と森友学園の関係は確定と考えます。さらに言えば、籠池氏が「政治的な背景あった」というのも頷けるものです。『神風』がふくのも当然でしょう。まさに、下地氏の発言がそのことを証明したと言うことです。
さすが、元国民新党の幹事長だけあって、表現が的確です。事実は小説よりも奇なりと申しますが、まともな頭ではこの質問者の論理展開の筋書きは到底思いつかないでしょう。下地氏の質問や発言を聞いていて、言葉に正確さがかけているものが散見されました。話がくるくる変わりますし、脈略もなく進むので何を言いたいのかさっぱりわかりませんでした。恐らく自分でも何を言っているのかわからないというのが実相と考えます。そういうなかで、思わず口をついたのがこの発言と考えます。
また、下地氏の質問は、今回の森友学園の問題の実態解明ではなく、籠池氏に対する恫喝に近い口調と考えますし、脅しとつるし上げになっていたものと考えます。聞いていて、発言は自らの党の弁護に近く、それは質問者の発言ではないと考えます。非常に問題があるものと考えますが、最後には、自らの党の関係者の関与を自ら暴露するという落ちとなったと考えます。梯子をかけて転げ落ちたのは、下地氏ご本人で、それが実力と考えます。


この質問においてポイントになったのが、森友学園の小学校設置認可申請に対して、大阪府私立学校審議会の動きです。2014年12月18日に最初の審議会が開かれますが、その時は森友学園側の様々な問題点が出されて、継続審議、決定保留になるわけです。しかし、年が明けて2015年1月27日に一転条件付き認可になるわけですが、この1ヶ月間ほどの期間に政治的背景があるのかないのかと言うことです。籠池氏は背景があると述べ、下地氏も結果として認めているわけです。
この政治的背景ということは、実は以下の記事からも明らかと考えます。

「安倍首相夫人・アッキーも感涙…園児に教育勅語教える“愛国”幼稚園 『卒園後、子供たちが潰される』と小学校も運営へ」(2015年1月8日 産経新聞)

この記事については本ブログ「そもそも道徳観がない」(2017年2月24日)でも取り上げました。この記事には、焦点となっている小学校のことが後半に書かれています。日付を見ると2015年1月8日で、丁度約20日程前に認可保留となった小学校のことが、首相夫人が感涙したという記事の中で書かれているのです。そして、この記事の約20日程後に条件付き認可が出されるわけです。広報をやっていた私から見れば、これは明らかに森友学園を取り巻く関係者がスクラムを組んで小学校設置実現へと進む中での記事と考えます。だから同時に政治的背景があったというのは筋が通ります。そして、実際に『結果』が出ているわけです。この記事は、明らかに産経の提灯記事と私は考えますが、広報の経験がある人から見れば普通はそう考えるでしょう。
この記事を見て鮮明に思うことは、この森友学園の問題で、産経新聞も当事者の一つであるのは、間違いがないと言うことです。そういう片棒を担いだと考えられるメディアが、今回の森友学園の問題を適正に扱えるのかは、非常に疑問と考えます。そして、かなり多くの人がそう考えているものと考えます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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