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欺瞞には欺されるな?
[日本の政治]
2018年1月17日 13時40分の記事

昨日の本ブログ「結構、大変な状況」(2018年1月16日)で、原油高騰に対して対策が必要と書きましたが、これは短期的なものです。中長期的には明らかにエネルギーの主軸を転換することが迫られています。

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原油の高騰で社会が不安定になって行くのは非常に問題がありますし、これは国際情勢においても同じでしょう。むしろ、逆に国際情勢を不安定にして原油価格をつり上げるという構造も見え隠れして、その動きがスパイラルに原油高騰を引き起こしているものと考えます。

1970年代、80年代に21世紀には原油がなくなると明らかに言われていました。しかし、いまだにありますし、その生産量はその時よりも飛躍的に伸びているわけです。このようになるのは、シェール・オイルなど新たな油田が発見され、生産が増えただけではなく、そもそも私たちの原油に対する認識が間違っている可能性があるからと考えます。実際、原油は化石燃料ではないという指摘がありますし、だからこそ原油の埋蔵量はほぼ無尽蔵であるという指摘があります。そして、この40年の原油生産量を考えれば、明らかにこの指摘を裏付けているわけです。
したがって、原油価格の高騰は明白に一部の人々を儲けさせて、全体を苦しめる構造になっているわけです。そういう意味で、原油価格が現状より高くなっていくのであれば、原油からの転換という動きは世界的に目に見えて出てくるのは自然なことでしょう。ただ、そのボーダーは1バレル60ドルではなく、1バレル20ドル程度なので、必然的に原油が社会の主軸からはずれていくことになるものと考えます。今後、原油生産と原油消費がなくなるとは思いませんが、長期的には原油は安いエネルギーもしくは素材という位置づけで、他のものが社会の主軸になっているということになると考えます。このようなことに正当性や妥当性を考えているむきは、世界的にもかなりいると考えますが、現状の原油高は、その考えを現実への動きとして誘うには十分なものと考えます。


1970年代、80年代、原油は将来枯渇するということで、登場したのが原子力です。ただ、実際、原子力に期待をかけるのは、明らかに時代遅れになっています。原子力に希望を見いだすのは、1950年代から80年代までで、その導入において様々な問題がこれまで発生している現状、普通に考えて期待をかけられる代物ではありません。福島第一原発事故、杜撰な管理、それでいて金食い虫ということから、原発に期待を寄せるのは、明らかにそこに利害が生じている人々のみです。
事故が起きれば、人が住めなくなり、原発を建てるにも、壊すにも途方もない費用がかかり、廃棄物処理の目途すら立たたず、廃棄物処理にもまた膨大な金がかかるわけです。驚くべきことに、もんじゅはその建設において廃炉が想定されていないわけで、本当に廃炉が可能なのかと疑問に感じるのは当然でしょう。福島第一原発の凍土壁と同じで、できると言って、なかなかできず、しかしそこに途方もないお金が投じられるということと同じになるのではないかと、もはや考えざるを得ません(「凍土壁、頼りなさ露呈 福島第一、遠い廃炉」2018年12月1日 朝日新聞)。もんじゅの実相は、何の実績も出さず、ただその維持だけに膨大な資金が投じられ、できるかどうかわからない廃炉にもさらに莫大な資金が投じられる、ということと考えます。これでは上記の原油の構造より明らかに社会的な利益に反するものになっています。もちろん、これはもんじゅだけでの話ではありません。
もんじゅは、間違いなく100年後もあのままで、その間、途方もない資金が原型を留めるために使われるものと考えます。原発は安いと言うが、明らかにこの議論には時間軸が欠けています。もんじゅ一つだけで、トータルに見れば、経済的採算性はほかのエネルギーよりはるかに低いでしょう。
まだ原発擁護を言っている人は、多分、原発が好きなだけだろうと考えます。もはや実質的な意味は無いと考えます。原発の元を取るのは当面無理だが、それが完了するまで待っていたら、日本は世界でエネルギー技術がもっとも遅れた国になり、その影響は計り知れないものと考えます。遅かれ早かれ原発は廃れるでしょう。この原発の技術で、それを擁護するのは恐らく核兵器でしょう。もしくは原潜などの技術ですが、果たしてそれが国を救うことになるかは疑問です。実際、一度、それを始めれば、確実に軍事的なエスカレーションに巻きこまれ、これまで同様湯水のごとく資金が投入され、さらにこの金食い虫の原発を抱えて、日本社会が持つのかどうか私には疑問です。相手の脅威になる前に、私たちにとってまず脅威となり、それを乗り越えることがまず第一になるものと考えます。そして、少子化で国力が完全に低下傾向にある現状を考えれば、多分、乗り越えられないものと考えます。
ザ・フナイで世界的な構造転換について書いてきましたが、そのような構造転換を念頭に、政府・与党が新機軸で将来の日本と安全保障を考えているとは思えません。恐らく、現状の政府与党では不可能と考えます。例えば、どうしてロシアとの平和条約を結ぼうとしないのか、2013年以降、そのしかるべき時期はとっくに過ぎています。これ一つとっても、明らかに将来への失策と考えます。
「欺瞞には欺されるな?」(2018年1月18日)へ続く。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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