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内政はめちゃくちゃ、外交はぐちゃくちゃ、使い物にならない?
[日本の政治]
2018年4月30日 12時32分の記事

政界からマスコミ界を見渡すと、本当に日本は大丈夫なのかと心から疑問に思う今日このごろです。

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今回の南北首脳会談で出された板門店宣言で、朝鮮戦争を継続しないと合意したことを明確化しました。これは言うまでもなく、朝鮮戦争の終焉を文字通り意味し、朝鮮半島において最大の問題が解決されるということですから、極めて大きなことです。朝鮮半島にこれ以上大きなことはありません。そして、このことを常識的に考えれば、当然のこととして、韓国は米国とこの発表をすることをすり合わせています。それは朝鮮戦争において、その主力が在韓米軍だからで、韓国がこの発表をするには米国の了解がなければできません。つまり、休戦状態も含めて朝鮮戦争において展開されてきた在韓米軍は、朝鮮戦争が終焉することによって韓国から撤退するということが、米韓において合意に達していなければ、板門店宣言を南北首脳会談で出すことはできないということです。したがって、休戦を維持するためにも朝鮮戦争において展開されてきた在韓米軍の撤退はすでに既定路線として話が進んでいるということは、現状、必然的に言えることです。そうでなければ、この板門店宣言は出せるはずはないのです。
また、もう一つ重要なことは、3月初旬、韓国の特使が、まず北朝鮮に入り、金正恩朝鮮労働党委員長と会見し、その後、渡米してトランプ大統領と会談し、その際に金委員長の親書を同大統領に手渡しているということです。このときから南北問題は一つの国家における国内問題になっているのです。実際、以下のように北朝鮮が標準時を韓国のそれに合わせることを発表しています。これは日本時間と同じになるということも意味します。

「北朝鮮『平壌時間、5月5日から変更』」(2018年4月30日 朝鮮日報)

したがって、米朝首脳会談が、実質、米朝韓もしくは米朝韓中という枠組みになり、南北が同時に入るわけです。

しかし、今回の南北首脳会談について、日本のマスメディアでは、この会談での北朝鮮の演出・思惑ということに焦点が当てられ解説が様々言われていますが、実相はすでに南北双方で協力して戦争終結の方向で演出しているのです。こんなこともわからないのかと呆れますが、状況は既にこれまでのパラダイムでは理解できないものになっているのです。全く日本はそれに追いついていない状況で、テレビなどを見ていると本当に惨憺たる知的水準をさらけ出しています。
たまたま4月29日のBS朝日『日曜スクープ』を観ていましたが、慶応大学准教授の磯崎敦仁氏という方が専門家として朝鮮半島情勢についてとうとう様々な珍説を披露していました。このレベルで研究者として地位を得ている日本のレベルの低さをまざまざと痛感しましたが、このレベルで研究者と言えるのですから、現在の日本が対外政策に失敗し続けるその姿の責任の一端は学会にもあるのは明らかです。はっきり言ってテレビに出て物言えるレベルではないと考えますが、テレビのレベルがそもそも高くないので仕方のないことでしょう。この番組の司会者の男性も軍事などについての知識は皆無の状態で、よく司会ができるなと言うレベルです。まあ、このようなことはこの番組に限ったことではありません。実際、それが日本のマスコミの本質と偽らざるレベルなのでしょう。ただ、私が心から怒りを覚えることは、デタラメな珍説が世間に流布され、国民が正確な判断をすることが阻害され、国民の利益に反することが公然と行わることにあります。このつけはいずれ国民が払う危険性があるのですから、非常に問題があります。

話を戻すと、板門店宣言というものは、朝鮮戦争の終焉=米軍の撤退ということが既に米韓の間で了解されているから可能となるわけですから、常識的に考えて、今後は、朝鮮戦争終結に向けて、在韓米軍の撤退、一方で北朝鮮側のソウルなどへの攻撃拠点の撤去がなされて行くという道筋といえます。そういう中で米朝韓もしくは米朝韓中の首脳会談がなされるわけですが、4カ国の枠組みでやることがベストでしょう。そしてその場所がモンゴルのウランバートルや米国側からはシンガポールなどと言われていますが、板門店でやるのがベストではないかと考えます。北朝鮮からシンガポールへは空路になるでしょうから、そうなるとかつてマレーシア機が消息不明になった空域を通ることになります。こんな危ない地域を通って会談をするリスクをおかす必要は東アジア・世界の平和構築の観点から全くないないことと思います。朝鮮戦争の終焉ですから板門店でやれば、それで問題は何もないと考えます。

「内政はめちゃくちゃ、外交はぐちゃくちゃ、使い物にならない?」(2018年4月30日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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