このブログのトップへ こんにちは、ゲストさん  - ログイン  - ヘルプ  - このブログを閉じる 
千載一遇のチャンスを逃したというより最悪の選択
[日本の政治]
2018年9月13日 19時49分の記事

ロシアのプーチン大統領が、9月12日、東方経済フォーラムの全体会合において、日本との平和条約を今年末までに締結するよう安倍首相に提案したと報じれています。日本はその提案を拒否していますが、これらをどう考えるべきなのでしょうか?

「プーチン大統領「条件なしで平和条約を」安倍首相を前に」(2018年9月12日 朝日新聞)

【PR】電話相談システム開発ならイーステム


ザ・フナイ8月号(7月初旬発売)では以下のように書きました。


本誌六月号で述べましたが、朝鮮戦争の構造が終焉した二〇一三年四月二十八日から南北首脳会談が行われた二〇一八年四月二十七日までの五年間で、新しい時代へ向けて第二次大戦後の構造を終息させなくてはならなかったわけです。南北両国はそのように動きましたが、日本は上述のように反対に動いてきたわけです。
さらに、日露関係も同様に第二次大戦後の構造を終息させなくてはならなかったわけですが、朝鮮戦争終焉に逆走した日本は、米国要因などをあげつらって当然のごとくこの日露関係においても全く進展をさせていないわけです。このことが上述の日本の孤立化を深刻化させています。しかし、トランプ大統領の米国は米朝首脳会談については日本と温度差が明確化し、新しい時代への動きをしています。後述のトランプ大統領が示した未来像にもそのことが表れていると考えます。
これまで本連載では日露関係の進展を何度も申し上げてきました。


新しい時代などと書かれているとわかりにくいかもしれませんが、簡単に言うとこの10年くらいの世界は第二次大戦後(冷戦期)の構造と構図を終焉させてきています。朝鮮半島、キューバと米国の関係、イランと米国などですが、その最たるものが7月の米露首脳会談で、ここでそのすべてが清算されたと考えます。このことの詳細は同誌11月号で書きましたので、そちらをご覧下さい。
4月27日の南北首脳会談で出された板門店宣言では、年内に朝鮮戦争の終戦と以下のように明記しています。


(3)南と北は、休戦協定締結65年となる今年、終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に転換し、恒久的で強固な平和体制を構築するため、南北米3者、または南北米中4者会談の開催を積極的に推進していくことにした。(「板門店宣言全文」(2018年4月27日 日本経済新聞)


上記ザ・フナイでの拙論と併せて考えれば、年内中に朝鮮半島では朝鮮戦争の終結をし、日露では平和条約を結んで、第二次大戦後(冷戦期)の構造と構図を終焉させることが、世界的なタイムスケジュール、取り決めといえるものであると考えます。プーチン大統領の今回の提案は、ザ・フナイ8月号での拙論を正に裏付けるものですが、年内に平和条約を締結するというプーチン大統領の提案は当然、出るべくして出たもので、日本はそれに応えなくてはならないわけです。しかし、安倍政権は朝鮮戦争の終結の反対の方向に動き、さらに日露間での平和条約締結など日露関係進展の反対に動いてきたわけです。この二つの動きは別個のものではなく、繋がっているものですが、その目的は安倍政権が今も残る戦前の構造を守るためとザ・フナイなどで分析してきました。
このような世界のタイムスケジュールに今年の4月27日(南北首脳会談)、6月12日(米朝首脳会談)、7月16日(米露首脳会談)、2018年中の朝鮮戦争の終結と日露関係進展というスケジュールが、まさにスケジュール通りにあるわけです。そういうことですから、ロシアとの平和条約締結で当然、領土は日本に戻ってくるわけです。普通に考えても、平和条約を結ばない国に領土を返還するというのは、返還後に手のひらを返され、不利になる可能性が大きいですから、当然、平和条約を結んだ上で領土問題を解決するというのが、ロシアからしたら当然の考え、手順でしょう。日本もそれに応じれば良いだけなのですが、今回の安倍首相の対応で正に千載一遇のチャンスを逃しています。
「千載一遇のチャンスを逃したというより最悪の選択?」(2018年9月14日)へ続く。

このブログへのチップ   0pts.   [チップとは]

[このブログのチップを見る]
[チップをあげる]

このブログの評価
★★★★★

[このブログの評価を見る]
[この記事を評価する]

◆この記事へのコメント
コメントはありません。

◆コメントを書く

お名前:

URL:

メールアドレス:(このアドレスが直接知られることはありません)

コメント:




◆この記事へのトラックバック
トラックバックはありません。
トラックバックURL
https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/415194
くる天

◎ 必読の書

○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
本ブログについて
日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
日本と世界の政治経済の本質を読み解く
地域:東京都
性別:男性
ジャンル:ニュース
ブログの説明:
世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
ブログ内検索

カレンダー
<<2018年09月>>
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
カテゴリ
全て (1461)
日本の政治 (1371)
ザ・フナイ (15)
中東情勢 (4)
アジア・太平洋情勢 (2)
戦争の構造 (3)
世界の読み方 (15)
書評 (1)
勉強会・講演会のお知らせ (3)
本ブログの重要記事

注目です!

「韓国のリベラルはとてもレベルが高い」(21年2月3日)←New!
「やはりイギリスが言い始めた」(21年2月4日)←New!
「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(20年12月31日)←New!

値千金のブログ記事:岡田晴恵特任教授、国のコロナ対応に激怒!番組出演中に声を震わす 「このままだと3月4月にピークがきます」 (20年2月25日)
○本ブログ「この緊急時にこの政権の遅さは致命的? 」(20年4月16日)
○本ブログ「アメリカ政府が認定した当然のこと」(20年4月4日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月1日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月4日)
「ノーベル賞受賞者が新型コロナウイルスの早期回復(終息)を予測した理由:「我々は良くなっていく」(訳文)」(20年3月23日 ロサンゼルス・タイムズ)
最近の記事
12/02 22:32 お知らせ
11/28 22:44 兵庫県知事選 選挙期間中に『個人のボランティア』と確認しているのだろうか?
11/27 13:30 候補者と選挙コンサル 踏まえておくべき重要な1つの視点
11/27 10:02 兵庫県知事選 口約束ということが意味することは何か?
11/26 22:47 兵庫県知事としての斉藤氏の本質は何か?
11/25 21:33 斉藤・PR会社問題 これはちょっと安すぎるという感想
11/25 15:59 ゴゴスマでの明らかにおかしい議論
11/18 23:50 今回の兵庫県知事選の最大にしてほぼ唯一の争点は『マスコミ報道の信頼性』
11/13 08:50 石破さんの素晴らしい言葉
11/08 11:07 FRBの利下げをいかに考えるか
携帯用アドレスQRコード
QRコード対応の携帯で、このコードを読み取ってください。


Copyright (c) 2006 KURUTEN All right reserved