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集団免疫を行っていると考えられる小池都政?
[日本の政治]
2020年6月27日 23時54分の記事

昨日の本ブログ「集団免疫を行っていると考えられる小池都政?」(2020年6月26日)の続きです。

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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ドイツで次世代産業の期待の星としてもてはやされてきたワイヤーカードが破綻しました。決済サービスに関するシステム提供などをする超最先端フィンテック企業が、実は詐欺的に約2300億円の資金が行方不明になり破綻するという極めて皮肉な結果となっています。

「ワイヤーカード、『手の込んだ』詐欺で2300億円を不明に−監査法人」(2020年6月26日 ブルームバーグ)

ただ、それは皮肉でも何でも無いのです。要するにフィンテックなどと最先端と言われるものに無条件に価値を与えて思考停止してしまった故の陥穽なのです。このワイヤーカードの件はまさにこのような思考停止の象徴的な事件と考えます。そして、その思考停止の意味することは誰かのカモにされると言うことなのです。このワイヤーカード破綻でかなり多くの人々が損害を被る可能性が出ています。
世界三大投資家の一人、ジム・ロジャース氏は以下のアエラの記事で仮想通貨の価値はゼロになると言っています。そもそも価値はゼロなものを上述のように思考停止して無条件に価値を与えてしまったことによって仮想通貨は暴騰したわけですが、結局は誰かのカモになった人ばかりで、最終的には価値がゼロになると言うことです。
2年か3年ほど前の私の勉強会で、出席された方から仮想通貨はこれからどうなるかと聞かれたので、基本的に詐欺のようなもので、価値はないとお応えしたことがあります。その方、恐らくかなり仮想通貨にお金を入れていたようで、私の答えに少しむっとしたようでした。しかし、このジム・ロジャース氏のような見解はある意味、常識的なものなのです。この質問をされた後で一度、仮想通貨の大暴落が起きています。私に質問された方がどうなったは私にはわかりません。
因みにこれからの時代において最も価値あるものは、いうまでもなく『人』です。富を生み出すものは人しかありません。これだけは断言しておきます。とにかく人を大事にすることがすべてになります。それはわかりやすくと言うと、バブルの時代とまったく反対と言うことです。

「ジム・ロジャーズ『仮想通貨の価値はゼロになる』ビットコインをすすめない理由とは 連載『2020年、お金と世界はこう動く』」(2020年6月19日 アエラ)

仮想通貨、キャッシュレス、フィンテックなどと言われるとすごく価値があるものに見えてしまいますが、必要以上に価値を与えると必ず誰かのカモにされるのです。実際、その程度のものであるのです。もっとシビヤに見ないといけないのです。
このワイヤーカードの件を見ていると、昨日の本ブログで取り上げた、小池都知事が意気揚々と発表していた店舗型東京版新型コロナ見守りサービス(新型コロナ・クラスター発生通知サービス)の新型コロナ・テックパートナー企業(協力企業)を思い出します。この協力企業にキャッシュレス決済サービス提供企業が2社あり、このやり方は公共性にそぐわないと昨日は批判しました。
ワイヤーカードの件を見れば明らかなように、小池都政の方針はキャッシュレス決済企業に価値を与えすぎています。むしろ、私にはキャッシュレス決済普及のための販促を小池都知事をはじめ東京都が行っているように見えて仕方がありません。ワイヤカードとこの東京都の施策にある共通のキーワードはソフトバンクです。ソフトバンク・ビジョン・ファンドなどはこの原油安の状況で基本的にかなり問題を抱えていると考えます。東京都の選定とこの東京都のシステムの設計自体に極めて大きな問題点があると考えます。
以下の記事には、ワイヤーカード問題で、行政当局が次世代の期待の星である同社を甘やかしていたことが、大きな問題を引き起こした要因と指摘されています。今回の東京都のシステムで、小池都政はキャッシュレス企業に同じように極めて甘い対応、それも公共性を著しく損なった上でその甘い対応を行っているものと考えます。そもそも企業システムを中心として公共システムを構築すると言うこと自体に極めて大きな問題があるのです。新自由主義者の小池氏にはまったく公共性という知見がないものと考えます。公共性の知見が無いものは都知事にはなるべきではないのは明らかです。

「ワイヤーカード転落、甘やかした当局に痛い教訓 規制当局は監視役ではなく『チアリーダー』に」(2020年6月26日 ウォールストリートジャーナル)

「ワイヤーカードの不正会計疑惑 浮かぶ3つの疑問」(2020年6月24日 日本経済新聞)

小池知事の実務能力がないのは、新型コロナウイルス対策の無策ぶりを見ていても明らかなのですが、その無能さは以下のいまだに10万円給付が3%という大阪市長と良い勝負でしょう。パフォーマンス先行の政治家というのはほとんど100%実務能力がないと考えます。それはパフォーマンスで何でも乗り切れると考えるからですし、政治家として人々を愛するのではなく、カリスマとして人々に愛されることが思考の中心になっている(極端なナルシシズム)からです。だから、パフォーマンスに走るとも言えます。このような人たちは、日常と非日常で言うのなら非日常、実と虚で言うなら虚なのです。
小池氏の場合、虚飾性が非常に強く、その思考は90年代のバブルの発想と考えます。ディスコのお立ち台の上で踊っているキャラクターと同じモノを感じます。
そういうバブル時代の日本の発想として経済・企業と絡めれば何でも良いという発想があります。あの時代は、世界を席巻した日本企業が日本の全て、全盛の時代でした。しかし、その後、そういうバブル時代の発想はもてはやされてはきましたが、基本的に日本の成長には貢献していないわけです。むしろ、政治の世界にいた者からしたら、公金を利用しようとする悪しき企業が跋扈する要因に、そのバブル時代の発想があるとすら考えます。
しかし、これからは、このようようなバブル時代の発想は一気に消えていくことでしょう。ただ、小池氏の場合はその思考からは抜け出せないものと考えます。染みついてしまっています。まさにバブルの絶頂期にテレビ東京『ワールドビジネスサテライト』の初代キャスターで飛躍していますから仕方が無いでしょう。要するに小池氏はバブルの申し子でもあるのです。ただ、そのバブルの時代の残滓が終わるとき、小池氏も終わるということです。
彼女にあるのはセレブ臭ですが、都民を親身に考える姿勢はまったく見えてきません。小池氏にもっとも似合わない言葉は『親身』でしょう。その思考の根幹はカタカナ語の多用がセレブと勘違いしている思考と、企業とのタイアップというバブル時代の日本のそれを30年近く引きずっているだけと考えます。しかし、その思考はこれから急速に力を失います。仮に彼女が今回の都知事選挙で当選しても最後まで任期をまっとうできるのか、そこは一つのポイントでしょう。恐らく無理でしょう。

「大阪市の10万円給付まだ3% 『準備が不十分だった』と松井市長は先週に謝罪」(2020年6月24日 MBS)

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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