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日本の政治の稚拙化
[日本の政治]
2017年6月17日 23時59分の記事

自民党の高村副総裁の野党に対する発言が、問題視されて報道されていますが、この発言は日本の政治の稚拙化をはっきりと示しているのではないでしょうか?

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自民党の高村副総裁が、加計学園問題での野党の追求を「ゲスの勘ぐり」と党役員連絡会で発言したことが報道されています。

「高村・自民副総裁 『野党はゲスの勘ぐり』」(2017年6月16日 毎日新聞)

与党副総裁という権力中枢の高みにある方が、野党とは言え同胞に向かって“ゲス(下衆)”と言い放ってしまっては、元も子もありません。恐らく何気なく使った言葉なのでしょうが、しかし、そこには高村氏が見ている世界観が色濃く反映されていると考えますし、驕りも極限まで来ている証しと考えます。
ゲスとは『下種・下衆・下司』と書きますが、意味は品性が下劣、身分の低い者、召使いなどの意味があります。権力の頂点にいる与党の大幹部が、自分以外の野党を下衆というのは、そのまま高村氏の世界観を表現しているものと考えます。つまり、野党の皆さんは下々(しもじも)の卑しい人々ということです。もちろん、高村氏のような地位にあっても、このような表現を使わない人もいるわけです。しかし、高村氏は使うわけですから、そこに高村氏の世界観が反映されていると考えるのは正しいことです。
昨年から“ゲス”という言葉が一種の流行語のように使われています。そういう中で、言葉に頓着しないで、“下品な者の勘ぐり”という中傷の意を込めて、高村氏はこの言葉を放ったのかもしれません。しかし、やはりそれでも許される話ではないと考えます。加計学園問題などあからさまに政府の説明が二転三転して、様々な問題点が指摘されています。そのことについて、政府の一翼を担う政権党の大幹部が、批判や追求している者を、“下品な者の勘ぐり”と言っているわけです。あまり考えないで放った言葉であっても、そこには自民党・安倍政権お得意の人格攻撃、印象操作、レッテル貼り、過ちを認めない、無責任という要素がぎっしりと詰まっているわけです。これが子どもであれば、“逆ギレ”というレベルの話でしかありません。高村氏の発言のレベルはその程度と考えます。とにかく今の自民党・安倍政権は言葉の問題がひどいですが、それには当然、深層があると考えます。また、このことは書きます。

“ゲス”というのは、多くの場合、“下の衆”と書いて品性が下劣という意味として使われます。では一体、下劣の反対の“高尚”である品性とは何を意味するのでしょうか? それが高みの者の心、姿というものです。
下劣とは、不道徳、嘘をつくこと、他人に対して守るべき節度を欠いていること、欲に溺れ、身勝手、利己的で自己の利益しか考えないこと、浅ましさ、さもしさなどです。その心の結果として下劣な姿があるわけです。その下劣とは、社会に対して責任感がなく、身勝手で自分の利得だけを求める姿ですから、だから“下の衆”と書いて下劣を意味するわけです。これは人間の社会にあっては当然の理なのです。なぜなら、このような下衆ばかりがはびこったら社会が成り立つはずもなく、崩壊するからです。だから、そういう社会を破壊する人をさげすんで、下の衆と言うのは、まともな社会にあって当然の理なのです。
この言葉は地位に関係する意味ではないと考えます。“私は上品ですよ”と上品の押し売りをする人間を心の中では下衆だと思うわけです。どんなに地位が高かかろうと成金趣味や権力の亡者や傲慢な者を下衆だと思うわけです。それは自分のことだけ考える人で、社会にとっては害悪になっていると薄々感づいているからです。その本質は、下衆な人が自分のプライド、利益だけが満たされれば他人はどうでも良いと考えているからで、他人様がいて成り立つ社会では当然、害悪であるということなのです。
一方、高尚とはこの反対であるわけです。道徳があり、他人に対して節度を守り、他人の利益を考えることです。そういう精神、人物は世の中のため、人のためになるから、ありがたさも込めて高く評価するわけです。下の衆の反対の高みの者の精神とはこういうものです。だから、尊敬もされ、愛着も持たれて、政治は安定していくわけです。これを仁政というわけです。このことは古今東西、変わらない真理です。
それなら、高村氏の発言は、高村氏が一翼を担う政府・自民党が、野党をゲスと言えるほど高尚なのですか、という想いを喚起させることになります。そして、そうではないだろうと今や多くの人が考えていると考えます。加計学園問題や森友学園問題では、権力の中枢やそのお仲間が適当な理由をつけて自己の利益ばかりを追求したのではないかと考えられているわけで、そこに当然、下劣さを感じ取っているわけです。下衆が、自分を批判している者を下衆と言っては、それはやはり子どもじみた逆ギレの域を出ないわけです。高村氏がいる自民党が、野党を下衆と言えるほど高尚なら、加計学園問題や森友学園問題の疑惑など微塵も出ることはないはずです。
自民党・安倍政権の本質とは、この下衆なのだろうと考えます。そしてその発言もその視点から出されていると考えます。そして、残念ながらこの下衆な発言は意外と支持があり、そういうことを言ってみたいという願望を叶えてくれるという支持の構造があると考えます。このような視点からも安倍政権ということを見るべきだろうと考えます。
もちろん、この下衆の感覚には、政治を担っている責任感はありません、現状は下衆な感覚がそのまま権力を握っているというのが実相と考えます。

産経新聞が以下のように、この高村発言に対して二階自民党幹事長が苦言を呈したと報じています。

「自民幹部がバトル 高村正彦副総裁『野党はゲスの勘ぐり』に二階俊博幹事長『ほとんど使用禁止用語』と苦言」(2017年6月16日 産経新聞)

ただ、これは一種のガス抜き、高村発言に対する批判を中和するための戦術と考えます。本当に問題視しているのなら、高村氏の責任問題になるくらいのことはあるでしょう。自民党にも二階氏のようにまともな感覚があるんだよということが、この記事のポイントと考えます。だから産経が載せるものと考えます。この対立の構図ということは、今の政治を見る上でポイントと考えます。
本当の意味で高尚な精神の発芽があるのか、そこが今の政治の最大のポイントでしょう。

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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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