なぜ離党したのか? | |
[日本の政治] | |
2017年6月23日 6時51分の記事 | |
“元”自民党の豊田真由子衆議院議員の秘書に対する暴言は、本当にひどいものです。自民党を離れましたが、やはりそこには自民党の体質を色濃く示す要素があります。
昔、懇意にしていたある大物政治家の秘書が、「政治家というのは、街中に自分の顔写真を貼って、何とも思わない奴だから、そもそもおかしい(変態なの)のさ」と言っていたのを聞いて大爆笑をしことがあります。同意を求められて頷くしかなかったのですが、政治家、特に国会議員は、おしなべて個性が強い人々です。そして国会議員ともなれば、その個性がプライドでさらに膨張していきます。同時に政治家は演説が商売ですから、声も大きく、それが強い個性と相乗効果となっていくわけです。 ただ、今回の豊田氏の件は明らかにそういう範疇の問題ではないものと考えます。音声を聞く限り精神的に問題があるとしか思えません。常軌を逸しています。また、秘書も短期間で相当数が辞めているということですから、精神性の問題は明らかにあるものと考えます。 このことはまた、ゆっくりと書きますが、豊田氏は昨日、自民党を離党しました。しかし、なぜ、離党したのでしょか? 話は簡単で、週刊新潮に記事が載り、秘書に対する問題ある姿勢が白日の下にさらされたからです。だから、週刊新潮の発売日に自民党離党という行動になったわけです。誰が考えてもそうでしょう。 しかし、逆に考えれば、これは、記事が出なかったら、離党はしなかったということを意味します。実際、秘書への問題ある姿勢は、以前からあったわけです。それが、週刊新潮に報道されるまで、何の動きもしなかったということは、豊田氏は、問題となっていることを、そもそも責任感や悪いことと思っていないということです。 それならば、今回、週刊新潮に記事がでなければ、豊田氏の秘書への対応は変わることはなかったということです。要するに、表沙汰にならなければ、何をやっても良いという思考が明らかにあるものと考えます。 豊田氏は今回の件における問題性を認めていると報道されています。そして、豊田氏は自民党を離党することを選択しました。つまり、問題ある行為が世間にさらされて、最初にしたことは自民党員であることに責任を感じたと言うことです。国会議員としての責任を優先しませんでした。ここにもう一つ、豊田氏の国民に対する姿勢が明白にあるものと考えます。国会議員としての立場より自民党員としての立場を優先したわけで、豊田氏は国民を見ずに、自民党を見ているわけです。これでは、国会議員として信託されている万民のため、世のために仕事をすることは、当然、期待はできません。ただ、この姿勢は、加計学園問題や森友学園問題を見ていると、今の自民党議員に共通することと考えます。 豊田氏の離党は、言うまでもなく、自民党の世論対策と考えます。豊田氏本人のものではありません。豊田氏が国民への責任を果たすのなら、まず会見をすべきで、その後、議員としての出処進退を明確にすべきです。自民党もそのようにさせなかったわけで、自民党にも国民への責任感がないわけです。そして、豊田氏が自民党を離党するということで、自民党は責任を回避し、世論対策としたということです。しかし、離党しても自民党には責任が明確にあります。 自民党の河村建夫元官房長官は、豊田氏の件について「かわいそうだ。男性の衆院議員なら、あんなのはいっぱいいる。気持ちは分かる」 (2017年6月22日 ロイター)と擁護したと報じられています。発言の訂正はしていますが、この発言は要するに他にも豊田氏のような議員がいて、それは世間に公表されていないということを意味しています。これは、上述した豊田氏が表沙汰にならなければ、何をやっても良いということと同じ思考です。 一体全体、自民党はこういう体質なのでしょうか? 表沙汰にならなければ、何をやっても良いという、自制心のかけらもなく、政治家としての責任感も道徳心もないということなのでしょうか? それでは子どもと同じでしょう。ただ、この体質、加計学園問題や森友学園問題などに非常に鮮明にあらわれていると考えます。この二つの問題も、表沙汰にならなければ、着々と進行していたことでしょうし、森友学園などは問題視されて始めて止まったわけです。そして、この両問題について、関係が言われた政治家は、説明をはぐらかしたり、事実と全く違う説明をしたり、公の場で説明することを拒んだりしています。豊田氏もまた、これと同じで、公に何も言わずに自民党を離党することだけを選択しました。もちろん、それは、上述の世論対策と考えますが、そこにはやはり、両学園問題と同じく、党として、政治家としての国民への誠実さ、責任感はないのです。 | |
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