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可哀想な日本人?
[日本の政治]
2017年10月25日 2時30分の記事

本ブログ「可哀想な日本人?」(2017年10月25日)の続きです。

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さて、このような状態の日本において、以下のように二つの日本の経済・社会の実相を示す特徴的な記事が報じられています。

「40代“所得”300万円未満の世帯割合 20年で1.5倍に」(2017年10月24日 テレビ朝日)

「実質賃金 8月はマイナス 厚労省、速報を下方修正」(2017年10月20日 毎日新聞)

この20年で所得300万円未満の世帯割合が1.5倍になったと言うことですが、20年前の40代より現在の40代は明らかに貧乏であるということです。格差も広がり、これでは少子化が進むのも無理はありません。明白に経済や人々の生活は一向に改善していません。
そして、実質賃金も全く上がる気配がありません。むしろ記事のようにマイナスを記録し、株価とは本当に対照的です。このような状況で消費税をさらに2%上げるというのですから正気の沙汰ではありません。このことによって当然、一般の購買力は2%確実に減ります。実質賃金がよく言っても全く上がらない状態ですから、消費する額は当然増えることはありません。したがってこれまで以上に消費することは考えられませんので、増税後、同じ額の消費額であっても実質の消費額は2%減るということに必然的になります。GDPの6割は個人消費ですから、これで景気が良くなると言う方が、頭がおかしいですし、消費額の減少はスパイラルになって、賃金に影響していきます。それがまた消費減に繋がっていくわけです。
今回の選挙の結果、このような状態になっていくことが明らかになっているのに、果たしてそれで日本の将来は買いなのか、そして与党の政策は評価できると本当に言えるのでしょうか? まさに摩訶不思議の世界です。国民がやせ細って、企業が太れば良いとなどと言うことはあり得ませんし、トリクルダウンなど起るはずはありません。ただただ、国民が困窮し、日本自体が沈下していくだけです。既にそのような現象が目白押しです。
本ブログで何度も指摘しているように、現在の日本経済の最大のポイントは家計の可処分所得です。それを増やす政策をするしかありませんが、現状はまさに逆方向に暴走しています。そして、政界、マスコミなども含めて一般的に疑問がもたれていません。大丈夫なのか思います。

さらに、以下の記事のように会社員の給与所得控除見直し(減額)について政府税調で議論されていると報道されています。

「会社員の給与所得控除見直し議論 政府税調」(2017年10月23日 NHK)

給与所得控除が減額されるということは、実質、増税の議論です。またまた日本人の可処分所得が減ります。これが消費税増税と重なるわけですから、さらに大きな負のスパイラルになっていきます。日本の将来性は普通に考えて絶望的です。間違いなく今後は縮小していきます。

選挙が終わり、自民党が大勝して、消費増税が確定的になり、さらに間髪入れずに給与所得控除を見直すと政府(政権)が言っているわけです。その自民党を評価し、応援する経団連は、会員企業の嘘、隠ぺいが社会的、国際的に問題視され、一方で大企業の内部留保は巨額に膨れあがっています。そして、国民に痛みを要求しているわけです。当事者の自浄の動きを全く見せないで。まさにやりたい放題の状況です。このような状態で法人税減税をするのでしょうか?
日本人は本当に可哀想だと心から思います。一票の投票権(主権)を行使しても踏んだり蹴ったりです。まさにエリートは劣化し、国民は省みられていません。エリートの劣化は必ず国を滅ぼします。
選挙で自民党に投票してもこの有様です。果たして、国民はどこまで我慢できるのかと考えます。そして、財界の言うとおりのことをしても経済は良くなりません。それは上記のことを見れば一目瞭然です。

財政再建などで国民に痛みを伴う改革を求める理由は、国民にお金を貸しているからです。つまり国債を買っている債権者だからです。しかし、その債権者は、不祥事や金融危機などでおかしくなれば、国に救済させて、そのつけは国民負担です。こう見れば借金を返さなくてはならないという国民の姿勢を真顔で言うのは、まさにピント外れのことなのです。苦しくなった時に国民のお金で助けてもらっている債権者が、お金をちゃんと払えと言って国民の痛みを伴う改革を要求するのは少しやり過ぎでしょう。そして、このようなことでは日本の経済はいつになっても良くなるわけはありません。経済が縮小していくだけです。このような理不尽なスパイラルが続くだけです。

また榊原経団連会長は以下のように述べています。


また、憲法改正に向けた議論について、榊原会長は「改憲論議も重要だが、経済界としては、経済最優先の政策運営を基本姿勢としてやっていただきたい」と述べました。(2017年10月23日 NHK)


安倍自民党を支持し、応援している経団連は改憲を間違いなく支持しているものと考えます。

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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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