欺瞞には欺されるな? | |
[日本の政治] | |
2018年1月18日 0時0分の記事 | |
昨日の本ブログ「欺瞞には欺されるな?」(2018年1月17日)の続きです。
原発にかけるお金を再生可能エネルギー開発に回したらどんなに大きな発展があったかと社会一般の常識として思われる日が近いうちに来るものと考えます。原発にかけた、もしくはこれからかける資金をそのまま再生可能エネルギー開発に投じていれば、すぐに日本は世界トップの国になることは間違いないでしょう。明らかに原発及び原油依存が足を引っ張っています。 トヨタが燃料電池車を開発して市販していますが、この燃料電池車は電気自動車と対比されて評価はされていません。しかし、この水素で動く燃料電池自動車は、電気自動車と同列で考えるべきかどうか明らかに疑問です。例えばユーラシアに張り巡らされたガスパイプラインは、この燃料電池で実は壮大な電力網になるわけです。それも火力ではなく燃料電池で作られた電気であるわけです。そのキーの技術をトヨタが開発したと言うことで、十分ユーラシアでの存在を発揮することができます。水素で動く燃料電池自動車より電気自動車のほうが良いという議論がありますが、火力発電所や原発で作った電力で走るのであればあまり意味が無いのではないでしょうか? そもそも水素で動く燃料電池車も電気自動車であるわけで、電気自動車の技術発展は燃料電池車にそのまま直結するという類いのものです。何が違うかと言えば発電元が石油でもなく原子力でも無く、水素であると言うこと、そして発電しながら走れると言うことです。つまりハイブリッドカーと同じく、発電機にも成るということで、自動車に搭載しなければその技術は発電所にもなると言うことです。 水素は太陽電池で水を分解するだけでできますし、最近では触媒で水から水素を取り出す技術も開発されています(「水を分解 水素作る触媒開発」2018年1月13日 NHK)。 もちろん、再生可能エネルギー開発は水素だけではありませんが、原発にかける資金をそれらに配分すれば、10年と経たないうちに、電気はありあまるほど生産できるようになるでしょうし、日本がそれをリードすることができるでしょう。実際には、少なくとも2011年の福島第一原発事故の時から始めるべきことであったわけで、明らかに原発(行政)や原油依存に足を引っ張られてきたわけです。対応が遅すぎるのです。 河野太郎外相が、以下の記事のように日本の再生可能エネルギー開発の遅れを嘆かわしいと批判したと報道されています。 「河野外相:日本の再エネ導入状況、『嘆かわしい』−政府批判で存在感」(2018年1月17日 ブルームバーグ) 河野氏の言っていることは確かに正しいものと考えます。ただ、明らかにこれは欺瞞でしょう。彼がそう考えるのなら、彼が関わるであろう今年で期限を迎える日米原子力協定を終了させるべきであるのは、誰の目から見ても明らかです。それをまず彼はしなくてはならないわけです。実際、彼を熱烈に支持していた方と先日話しましたが、今や幻滅に転じています。それは、先日の慰安婦問題の対応とこの日米原子力協定について、河野氏の対応に欺瞞を見いだしているからです。普通に考えて現在の外相としての河野氏の言動は、明らかに次代の日本の政治シーンにおいて河野氏が軸になる可能性を喪失させています。上記ブルームバーグの記事にある存在感は出していません。 彼が存在感を出すのは、唯一、日米原子力協定を終了させてからでしょう。そうなって彼の政治的な整合性は担保されます。しかし、以下の記事のように、河野氏にはその意志が明らかにありません。 「日米原子力協定 自動延長確定へ 日米、見直し議論せず」(2018年1月15日 毎日新聞) この記事にもあるように、既に原発・核燃料サイクルは破綻しています。それなら政治家・河野太郎は日米原子力協定の終了に動かなくてはならないのは明らかです。しかし、彼がそうせずに、再生可能エネルギー開発の遅れを嘆いても、それは一般的な感覚として欺瞞でしかありません。きれい事を言って人々に嘘をついているか、欺していると言うだけです。そして、彼の言動からはっきりしているのは、日米原子力協定の延長には核兵器、兵器への原子力技術転用があるということです。彼の言動の矛盾はそのことのみを示しています。 河野氏の今後の去就は注目です。そして、このことは今後、彼の政治行動に必ず付きまとうのは必至です。なぜなら、彼に期待し、彼に幻滅した人があまりにも多いからです。そして、河野氏が自分で蒔いた種をどのように刈り取るかが、彼にとっても、日本にとってもポイントになっているわけです。 | |
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