このブログのトップへ こんにちは、ゲストさん  - ログイン  - ヘルプ  - このブログを閉じる 
温故知新
[日本の政治]
2018年6月27日 23時57分の記事

昨日の本ブログ「日本の本質とは? 今起っていることの本質とは?」(2018年6月26日)でTPP=英連邦経済圏と従英という戦前回帰のことを書きました。今日は、過去の従英時において何が起ったかを、拙著『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』(P18-22 2015年 ビジネス社)で書いた日清戦争のお金の流れをその一例として簡単に書いておきましょう。詳しくは拙著をご覧下さい。

【PR】システム構築、ソフトウェア開発はイーステムにお任せください


日清戦争の結果によって発生した清からの賠償金は、戦費の穴埋め(21.9%)と戦後の軍拡費(62.6%)に84.5%が費やされています。つまり、相当部分が日清戦争後の軍拡費に当てられて、このことが次の日露戦争に繋がっていきます。この戦争賠償によって八幡製鉄所が造られたことは有名ですが、実際に使われた費用は全体のたったの0.2%です。ほとんどが軍拡費に当てられています。
そして、このことによって旗艦・三笠などが造られます。しかし、これらの建造がなされたのは日本ではなく、なぜか英国であるわけです。つまり英国にお金が流れる構造で、日本に入る構造ではないわけです。
実際、この賠償金も清から日本へのものですが、直接に日本に入る形をとっていません。ほとんどが英国・ロンドンで、ポンド建てでやり取りされているわけです。清の賠償金も英国系銀行が肩代わりしている(清の借金)わけです。つまり、日清戦争の賠償金は、清から日本にロンドンで帳簿上、形だけ支払われ、そのお金はそのままロンドンで日本から英国(イングランド銀行)へ帳簿上移り、そのお金で戦艦三笠が造られた(造らされてロシアとの戦争準備をさせられた)わけです。英国の銀行間で日清戦争の賠償金の数字が行き来しただけで、日本にはほとんど何のメリットもなかったのですが、日本も清もその行き来した数字にその後、縛られていくわけです。
お金の流れでこの日清戦争を見れば、日清とも得るものはほとんどなく、英国の一人勝ちです。一人勝ちと言うより、英国の金融構造の上で日清ともに戦争をさせられたと言うとこです。もちろん、そのことによって日清ともに人的な被害を出しているのです。
そして、この日清戦争の賠償金で建造された三笠が日露戦争で使われるわけですが、この日露戦争も実は英国の世界戦略と密接に絡んでいるわけです。これらのことはザ・フナイの連載などで書いてきました。ロシアの二正面ということですが、今の世界情勢でも全く同じロシアの二正面がポイントなっているわけで、それで生じたのウクライナ紛争、朝鮮半島情勢、中東情勢なのです。

このようなことが、過去において英国と関係をもったことによって生じたことの一例です。
そして、それ以来現在まで、日本でこのような日本と日本人において非常に重要なことが全く省みられていませんし、日本の歴史学においてきっちりと総括されているとも思いません。
ですから、同じ失敗を同じように繰り返すわけです。昨日書きましたが、勲章をもらって、嬉々として鉄道事業は差し出します、原発の損失は喜んで日本国民が負担するようにしますということが、21世紀の今の時代、平気でなされるわけです。それはかつての構造がそのままだからですが、そこに愛国心はもちろんありません。あるのは日本が中心にない産業・金融構造と、支配体制、そして右翼のエセの口だけの愛国心というナルシシズムだけです。

TPP=英連邦経済圏が始まる前にこれですから、始まったらもっと大変なことになるでしょう。まさに戦前回帰となるでしょう。

このような日本と日本人にとって非常に重要な現在、テレビなどマスメディアでは、金貸しと不動産で財をなし、女遊びでならした人物の怪死事件を連日のように取り上げていて、TPPについて詳細に報じることは一切ありませんでした。もちろん、昨日、本ブログで書いたようなわかりきっていることすら誰も言いません。
その他、日大の問題などを連日のように取り上げていました。しかし、政治的に重要な首相の名が取りざたされる加計・森友問題などはむしろ下火で、これらの問題はテレビの視聴者が興味を失っているからと取り上げないと言わんばかりにほとんど報道されませんでした。私はこのような状態を見て、日本にはジャーナリズムはないと率直に思います。

今、TPP(関連法案)が参院で採決に入ろうとしていますが、このTPPに衆参で誰が賛成を投じたかが、10年後、20年後に非常に問われてくるだろうと考えています。今はTPPについて政府の答弁やマスコミの解説もバラ色の未来しか言っていませんが、いずれ今この時のことが問題になるでしょう。どうして、そう言えるかと言えば、未来の若き日本人が必ずこのTPPを問題視すると考えるからです。なぜなら、TPPが将来の日本人に恩恵をもたらすものではないと断言できるからです。

このブログへのチップ   0pts.   [チップとは]

[このブログのチップを見る]
[チップをあげる]

このブログの評価
★★★★★

[このブログの評価を見る]
[この記事を評価する]

◆この記事へのコメント
コメントはありません。

◆コメントを書く

お名前:

URL:

メールアドレス:(このアドレスが直接知られることはありません)

コメント:




◆この記事へのトラックバック
トラックバックはありません。
トラックバックURL
https://kuruten.jp/blog/tb/katagiri/411234
くる天

◎ 必読の書

○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
本ブログについて
日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
日本と世界の政治経済の本質を読み解く
地域:東京都
性別:男性
ジャンル:ニュース
ブログの説明:
世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
ブログ内検索

カレンダー
<<2018年06月>>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
カテゴリ
全て (1461)
日本の政治 (1371)
ザ・フナイ (15)
中東情勢 (4)
アジア・太平洋情勢 (2)
戦争の構造 (3)
世界の読み方 (15)
書評 (1)
勉強会・講演会のお知らせ (3)
本ブログの重要記事

注目です!

「韓国のリベラルはとてもレベルが高い」(21年2月3日)←New!
「やはりイギリスが言い始めた」(21年2月4日)←New!
「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(20年12月31日)←New!

値千金のブログ記事:岡田晴恵特任教授、国のコロナ対応に激怒!番組出演中に声を震わす 「このままだと3月4月にピークがきます」 (20年2月25日)
○本ブログ「この緊急時にこの政権の遅さは致命的? 」(20年4月16日)
○本ブログ「アメリカ政府が認定した当然のこと」(20年4月4日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月1日)
○本ブログ「朗報と考えられることと安倍政権の犯罪的な無能と愚鈍?」(20年4月4日)
「ノーベル賞受賞者が新型コロナウイルスの早期回復(終息)を予測した理由:「我々は良くなっていく」(訳文)」(20年3月23日 ロサンゼルス・タイムズ)
最近の記事
12/02 22:32 お知らせ
11/28 22:44 兵庫県知事選 選挙期間中に『個人のボランティア』と確認しているのだろうか?
11/27 13:30 候補者と選挙コンサル 踏まえておくべき重要な1つの視点
11/27 10:02 兵庫県知事選 口約束ということが意味することは何か?
11/26 22:47 兵庫県知事としての斉藤氏の本質は何か?
11/25 21:33 斉藤・PR会社問題 これはちょっと安すぎるという感想
11/25 15:59 ゴゴスマでの明らかにおかしい議論
11/18 23:50 今回の兵庫県知事選の最大にしてほぼ唯一の争点は『マスコミ報道の信頼性』
11/13 08:50 石破さんの素晴らしい言葉
11/08 11:07 FRBの利下げをいかに考えるか
携帯用アドレスQRコード
QRコード対応の携帯で、このコードを読み取ってください。


Copyright (c) 2006 KURUTEN All right reserved