今さらながら | |
[日本の政治] | |
2018年9月12日 10時0分の記事 | |
今さらながら、第二次安倍政権発足後の6年間を振り返ってみました。
安倍政権というより、安倍首相のこの6年間を考えると、やはりひとつの特徴が非常に鮮明に浮びます。それは安倍首相の言動には常に二律背反がつきまとうと言うことです。二つの矛盾することが、どちらもさも合理性があるように語られ同居しているということです。このことによって支持の構造が作り上げられてきたわけです。 しかし、その実相は、相反するものの内どちらかに本音・目的があるわけで、その本音・目的の反対のことを言うのも、実際はその本音・目的の達成のためにあるわけです。本音・目的と反対のことを主張することによって、正に反対を抑えて支持の構造を作り上げ、気がつくとその本音・目的が達成されているということです。そして、その反対のことは忘れられたように何も進んでいない、良くてかけ声だけとうレベルになるわけです。 例えば、アベノミクスですが、積極財政政策、金融緩和政策などマクロ経済政策を行なうと言って、その正反対の新自由主義の『成長戦略』を行なえば、マクロ経済政策の効果が出ないのは目に見えているわけです。このことは本ブログで何度も指摘してきましたが、実際、マクロ経済政策の効果が出ていません。 それでは、このような矛盾することをなぜするかと言えば、目的・本音が新自由主義政策にあるからで、この政策は実際、達成されてきているわけです。TPPなどはその最たるものです。さらに、このように考えれば、その新自由主義政策のために実はマクロ経済政策でばらまかれたお金も使用されると考えるのが自然であるわけです。まさにバラマキですから、支持の構造をつくることに貢献します。また、マクロ経済政策本来のポイントである国民一般にお金が回らず、ばらまかれたそのお金はどこかにいってしまっているわけです。国民の一般の利益になっていないわけで、それでは誰の利益になっているかと言うことが当然、ポイントになるわけです。 また、賃金上げろと安倍首相は財界に要求してきたわけですが、安倍政権下、労働環境について立法化されてきたものは、まさに労働環境が悪化する方向性と言えるものになっているわけです。つまり、本音・目的は労働環境の悪化、即ち財界に有利な方向にあるわけです。 このような手法ができるのは、その本音・目的が極めて強固にあるからです。優柔不断ではできないもので、一種、原理主義的と言えるものであって、本音・目的は何があっても絶対に曲げないわけです。例え安倍首相にしてはいつもと違うことを言っていると思うことがあっても、ポイントはあくまでも本音・目的は何があっても絶対に曲げないところにあるわけです。これが安倍首相の本質でしょう。 そのような本質において、二律背反が生じると言うことは、必ず片方は嘘と言うことになります。そして、それを公言するわけですから、確実に嘘を当たり前のように言うということになります。このような傾向がほぼ全般にわたってあるものと考えます。同じ人間ですから、個別に違う性質で対応することはないのは当然でしょう。 総じて一般的に見れば、政治家は八方美人のところがあり、このような本質は多かれ少なかれあります。利害調整をすることも必要ですから、どちらか一辺倒では成り立ちません。しかし、安倍首相の場合は、この一般的なレベルではないと考えますし、また実際のところ利害調整も最終的にしていないと考えます。そういうところが原理主義的なのです。こういうところに新自由主義、復古主義もあると考えます。 ただ、このような手法も年数が経つと、その本質が見えてきてしまいます。したがって、段々と支持は減り、そして嫌う人は、その嫌悪の度合いが日に日に強烈になっていきます。森友・加計問題では、その傾向が加速化しましたし、その問題に対する安倍首相の対応の本質が嘘であるという印象が非常に強まりました。このように見ると国民との関係も非常に劣化してきていると考えます。 安倍首相が地位にこだわるのは、本音・目的を達成するためと考えます。例え現状、劣勢に置かれていても、地位に就いている間にひっくり返すという思考をするものと考えます。原理主義ですから当然、そう考えるでしょう。ただ、その思考は、あくまでも原理主義的に本音・目的を達成させるためであって、国民全般の利益のためでないのです。このようなことがこれまでの安倍政権においての実相であり、だからこそ利害調整が最終的に行なわれない本質があると考えます。 | |
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