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選択肢
[日本の政治]
2018年11月8日 21時15分の記事

6日の米国中間選挙では、民主党が議席を伸ばしましたが、政治に一定程度影響力を行使できる選択肢があるというのはやはりうらやましいものです。

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民主党も共和党も、どちらも五十歩百歩という現実があるのかもしれませんが、それでも政権の方向性が危ういという時にバランスがとることができるというのは非常に良いことです。
今の日本の状況と比べれば、その意味することは非常に大きいと考えます。現在の日本の政治状況はほぼ独裁状態で、バランスをとる存在がありません。大手マスコミも政権の方向性を追随するばかりで、切れ味よく政権の問題点をえぐり出すことができていません。こういうときは国自体が暴走する可能性は大きくなります。
そのような独裁体制ですから、政治に緊張感がなく、国民への誠実さが見えません。政権の閣僚の発言を聞いていると、開き直り、嘘、逆ギレ、ごまかしが横行しています。そういう弛緩していて、国民軽視の政治に歯止めをかける選択肢がないというのは、本当に問題があります。
このような状態は、野党の体たらくもありますが、その野党を分断し続ける与党にも大変に大きな問題点があります。この与党の動きは政治的な画策と言えるのかもしれませんが、権力の座にある与党が国民から政治の選択肢を奪い、独裁的な政権をつくり出していると言えますから、現状の政治状況の責任が最もあるだろと考えます。こういう所にも与党の国民軽視の姿勢が見え隠れしているのです。

これから、日本のマスコミでは、米国政治のねじれ、決まらない政治などということが言われるかもしれません。どこからともなくこのような論調が生まれてくるかもしれませんが、日本における独裁の方が今や明らかに問題でしょう。このような決まらない政治という論調が出てくるとすれば、それは米国を語って、実のところ日本を縛ることが目的、はっきり言えば独裁をより強固なものにすることが目的と考えます。
与那国島町議会で議長が延々と決まらないことは問題ですが、議会がねじれ議論が生じるのは民主政治において必要不可欠なプロセスです。むしろ、現在のように突然、国会に出てきた問題法案を、議会で十分な議論せずに先へ進めることの方がよほど問題であるわけです。国民にも考える時間がありません。そのような問題法案を十分な議論無しで進められるほど社会は単純ではありませんし、複雑だからこそ議論が必要なのです。そのような場合、時間は必要なのです。十分な議論の時間をとったいうことは、与党が決めることではなく、野党の納得の問題、そして国民が判断することなのです。
どのマスコミが、米国の状況について決まらない政治という論調を張るか、また誰がそのように言いはじめるかをじっくりと注視すべきでしょう。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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