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問題の深刻さがわかっていない 色々と考えてみた その3
[日本の政治]
2020年3月23日 1時13分の記事

新型コロナウィルスについての動きを色々と見ていると、安倍政権の日本は問題の深刻さに気がついていないと考えます。その第二弾です。

(※ 本記事は掲載から1週間が経つと有料記事になります)

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本ブログ「問題の深刻さがわかっていない 色々と考えてみた その2」(2020年)で、新型コロナウィルス感染拡大に伴う経済対策は「米国並み以上、2倍くらいの現金給付をして、消費税を最低半分、基本的にゼロにすることが必要です」と書きました。この時、米国の経済支援額は1兆ドル(約100兆円)と言われ、日本はまだはっきりとしていませんでした。
その後、以下の記事のように新型コロナウィルス感染拡大に伴う日本の経済対策は30兆円と出ています。日本は米国の経済対策の当初額の約3分の1の額になりました。人口が約3分の1なので同額ということなのでしょうが、しかし、今度は、米国が倍額の2兆ドルを以下のように言っています。これだと日本は60兆円にしないといけないわけです。

「政府、コロナ対策30兆円規模に 消費減税見送り公算、旅行代助成」(2020年3月22日 東京新聞 共同通信)

「トランプ大統領 経済対策 当初の倍2兆ドル規模要請を示唆」(2020年3月22日 NHK)

上述のように、本ブログでは日本の経済対策は「米国並み以上、2倍くらいの現金給付をして、消費税を最低半分、基本的にゼロにすることが必要です」と書きましたが、まずその規模に米国がしたのです。やはり米国の事態の深刻度に対する認識、国民を大事にする姿勢が少なくともこの記事には如実に出ています。同ブログで「ここがTPPから離脱をし、ラストベルトを助けるといったトランプ政権のアメリカと安倍政権の日本との決定的な違いなのです」と書きましたが、まさに2倍の差となってこのことが見事に現われています。安倍政権の対応は遅いとも同ブログで書きましたが、その上、国民を愛さないのです。

おかしな政策
また、上記、東京新聞(共同通信)の日本の経済対策についての記事には、国民に対する現金支給がいくらかとは書かれていません。一方で、記事には旅行や外食の助成を支給と書かれています。
しかし、新型コロナウィルス感染拡大に伴う経済対策であるのなら、それは人の移動や接触が抑制される可能性がある事態を想定しているわけで、そもそも外食も旅行もままならない状況が当然、念頭にあるわけです。ですので、このような助成は、新型コロナウィルス対策とはまったく方向が逆のものであるわけで、この記事での言葉を文字通り受け止めるのなら、政府は頭がおかしいのではないかと考えます。
新型コロナウィルスでは、旅行業や外食業などが大きな痛手を受けていることは間違いありません。しかし、そのために人の移動と交流を促進させる、つまり新型コロナウィルス感染拡大に寄与する方向性の助成を実行するというのは、それはちょっと矛盾しすぎです。旅行業や外食業に対して恨みはまったくありませんが、この施策は政策として現状はおかしいと判断せざるを得ません。
そして、現状、問題なのは『業界』ではありません。自民党など与党は業界単位で考えるので、このような発想になるのでしょうが、そもそも今、ポイントになっているのは個々人の生活なのです。そこにまず焦点を置かないととんでもないことになります。人があっての社会や国で会って、業界が中心ではないですし、国の主権者は業界ではなく、国民なのです。この業界単位で考える発想を早く捨てるべきです。いつもの利権が関わるので、このような発想になるのでしょうか?
業界は大事ですが、それ以上に人が大事であるのは言うまでもありません。業界を先行させる発想は、単に利権と力の誇示でしかないと考えます。

山尾志桜里議員の行動は正しい
まず、以下のように山尾志桜里衆議院議員が新型コロナ特措法についての立憲民主党の対応に関連して離党したことが伝えられています。山尾さんの主張をずっと観てきましたが、大変に良いもので、離党まで踏み切ったことは大変に良いことと考えますし、支持します。
この特措法についてのポイントは、現状の安倍政権がまずもって民主主義国の行政官としての明らかな不十分さです。これまで国民の判断に資する十分な情報開示をしているとは到底考えられませんし、また国民の命と健康を守るための医療行政という国民から信託されている義務を果たしているとも到底、考えられないからです。基本的に安倍政権は、戦前の軍国主義体制に戻そうとしているわけですから、明らかに民主主義ではない時代の体制に戻そうとしている政権です。レベルとしてはネオナチと同じレベルです。これまでも民主的に国民に情報を開示するということを避け、さらには公文書偽造なども頻繁に起きています。
(ただし、非民主的な政権である安倍政権が、杜撰な新型コロナウィルス対策を意図的にしている可能性については付記しておきます。この観点は間違いなく現在を考える上での思考の留意点と考えます)
つまり、この特措法を起案している安倍政権は、民主主義否定を目差し、そのような行動が多発してきているわけで、実はもっとも私権制限をさせてはいけない政権であるのは子どもでもわかることです。しかし、立憲民主党の態度は、山尾氏が主張したようにその党名が泣くようなレベルであったと考えます。民主という言葉を党名からまずは外すべきでしょう。そうなると実は安倍政権と同じと言うことになってしまいますかね?
安倍政権の非民主制は、3月17日に出た森友事件で自殺した財務省職員の手記でも明らかでしょう。これに対して立憲民主党は今後どう対応するのでしょうか? この事件が別名アッキード事件と言われたように、佐川氏の他の証人喚問は当然、それ以上のものを実現しないと、今回、失った信用は取り返せないでしょう。

「立民・山尾議員が離党届提出、新型コロナ特措法で“造反”」(2020年3月18日 TBS)

「『すべて佐川局長の指示です』森友事件で自殺した財務省職員『遺書』入手」(2020年3月17日 週刊文春)

それと民主主義の行政官は、どんな立場にあろうが、国民の私権を制限するとき、国難だからという思考停止ワードを使って説明してはならないのです。言葉を十分に尽くして国民の同意を得なくてはならないのです。

安倍首相の本心
さて、この新型コロナ特措法で緊急事態宣言がそもそも盛り込まれていると言うことは、その宣言がオリンピックの開催時期にもあり得ると言うことが視野に入っているわけです。したがって、オリンピックの中止、延期がこの法律を作ったときから視野にあるということです。それが安倍首相の本心です。
感染のピークがオリンピックと重なり、緊急事態宣言を出すと言うこともあり得るわけです。また、強硬にオリンピックを開催して、その後、例えば8月、9月と年内中に新型コロナウィルスで緊急事態になるようなことがあれば、オリンピックで大勢の外国人が国内に入って、それが原因と言うことにもなりますし、感染に対してしっかりとした国内対策をしていなかったということにもなり、必然、政権の責任問題になります。つまり、この特措法とオリンピック開催はそもそも相反するものであるのです。
この特措法を法制化してオリンピック開催を強行するということを目指しているのなら、この特措法の期限を6月一杯までとするしかないのです。
以前、近代五種協会で海外遠征など海外とのやり取りを経験していたことから考えると、すでにタイムリミットは過ぎているのではないかと考えます。予選も十分な形で行われていないようですし、それは本戦が十分満足な形で行われないことを意味します。
あと、最後に付記しておきますが、安倍首相は延期ではなく中止をそもそも画策している可能性があるということは、十分考慮するポイントであると考えます。そして、もちろん戦前と同じように中止にしてはならないのです。戦前、中止を画策したのは軍部です。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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