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情勢の正しい判断と正しい対処
[日本の政治]
2020年3月29日 10時52分の記事

現状、テレビを観ていると経済と都市封鎖(ロックダウン)ということが、天秤にかけられて語られています。新型コロナウイルス感染拡大を防止・抑止し、制圧するには都市封鎖が必要ですが、それは経済に計り知れない影響を及ぼすということがいわれ、この二つが天秤にかけれられています。しかし、これは愚問ではないかと考えます。

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何よりも目的を明確に自覚することが大切
現状において状況の基本的要素は、新型コロナウイルス感染拡大です。イタリアやニューヨークでは大変な勢いで拡大し、だから都市封鎖を行うわけですが、目的は都市封鎖ではないことは明らかです。もう一度、いいますが、目的は都市封鎖ではないのです。
その目的はあくまでも新型コロナウイルス感染拡大防止・抑止・制圧です。なぜか? わかりきっているようですが、感染が拡大して、感染者が増えて病人だらけになってしまえば、誰も動けなくなり、都市封鎖(ロックダウン)をしなくても経済は停止してしまいます。同時に医療を担う人々がいなくなり、医療が崩壊します。それは再生不可能な状態へと社会が至ってしまうことを意味します。
そうなったときに都市封鎖(ロックダウン)をしても遅いのです。そのような遅い対応をすれば、都市封鎖(ロックダウン)をしたとき、誰が食料を運ぶのでしょうか? 誰が医療を担うのでしょうか? 私たちは根本的なことを忘れています。それは、この世の中をつくっているのが、大多数の無名な人々であることをです。だから、食料や物資は自然に店先に届き並べられると誤解し、医療は当たり前のようにあると、勘違いするわけです。それが、都市封鎖(ロックダウン)と経済ということが天秤にかけられる発想のポイントであるのです。こういう発想はバブルの後遺症のように思います。それとも新自由主義でしょうか。いずれにせよ、誤った浅はかな経済優先主義の発想です。
現状は、新型コロナウィルス感染拡大の防止・抑止・制圧のために、社会や経済の根幹を健全なうちに守るために、都市封鎖(ロックダウン)をするという発想にならなければダメなのです。都市封鎖と経済を天秤にかけているようでは、かならず決断が遅くなり、その時は都市封鎖をしているときに、物資生産、物資輸送という最低限の経済基盤も動かなくなる状態を招くことでしょう。そうなったときでは、まったく遅いのです。

情勢の判断と目的をはっきりしなくてはなりません。安倍首相のように、最近、自身の妻が多くの人々と密接な距離で宴会(花見)をしていたことを問われて、都が自粛を求めている公園ではないから大丈夫と珍答弁をしています。バカな子どものような呆れた答弁です。問題なのは感染拡大を防ぐこと、そして、そのために多人数で密接な環境を作らないことが重要であるわけです。それが今、要求されている目的です。公園が問題ではないのです。首相からして現状における目的と対処がはっきりしていないわけです。だから、都市封鎖(ロックダウン)と経済が天秤にかけられる発想がまかりとおるのでしょう。とにかく、このバカ首相では日本はこの難局を乗り切れないので、早く辞任、交代させるべきです。明らかに引きずり下ろした方が良い。それこそが日本人の安全保障です。

千葉の障害者福祉施設で集団感染がありましたが、調理師の方の感染が確認されています。障害者福祉施設という社会との関係性が濃厚ではないところでの集団感染は、その原因が調理による食物を通じた経口感染ということは容易に想像できます。クルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』でもその感染拡大は食物を通じた経口感染が濃厚ではないかと考えます。少なくともその可能性をしっかりと考えるべきでしょう。
そうなると現状、外食での感染拡大、それもクラスター、集団感染という可能性は極めて高いわけです。昨晩、近所の街中を散歩しましたが、ほとんどの外食のお店は営業していましたし、多くのお客さんが入っていました。それと同じ日に千葉県の障害者福祉施設のニュースが報道されているわけですが、さすがにこのギャップには驚きます。
新型コロナウイルス感染拡大防止において外食ということが一つのポイントになると考えますが、そうなると上述の経済ということが言われ始めるわけです。しかし、そのような観点で経済を重視すると、結果として経済・社会を壊滅させて、再生不可能な状態にする可能性が極めて高いわけです。ですから、昨晩の安倍氏の記者会見では、世界の他の国々と同じように一律最低10万円以上の現金給付をするとまず宣言しなくてならなかったのです。米国は220兆円以上の経済対策をすでに決めているではないですか? 香港はずっとまえに1人14万円の給付を決めています。米国も同等の一律給付がまず行われるでしょう。日本はそれ以上の額の給付をしなくてはならないのであり、昨日、それを安倍氏はまず宣言しなくてはならなかったのです。
そうでないと、人々は生活のために働かないといけないと考え、本当は危険を拡散させる営業を行って、経済・社会の崩壊を招く危険性があるのです。その責任をこのような人たちはとれませんし、それをさせているのは明らかに安倍氏を筆頭とする行政の無能と怠慢です。その責任は今後、間違いなく追求されるでしょう。すでに対応は遅すぎるのです。検査体制を筆頭にまったく何もやっていませんし、日本には新型コロナウイルス対策で明らかに空白の2ヶ月が存在します。
だから、安倍氏は昨日、この一律給付を香港並みに具体的にまず言わなくてはならなかったわけです。そして、無能・無策無為、不能なので当然のごとく、言っていないわけです。それは行政や日本の法体系に足枷があるからではなく、安倍氏や行政が無能、無為無策、不能であるからです。香港の対応を観ていれば、明らかです。韓国もそうでしょう。彼らは非常に優秀にことを進めています。ですので、韓国は現状、一旦のピークをすでに越えています。

日本で、現状のようなときに、商品券を配って外食の需要を喚起しても無理ですし、それは上述のように経済・社会を明らかに破壊する行為になります。新型コロナウイルスがおさまったら業界への経済対策をやれば良いわけで、現状は国民の一人一人の命や生活を守ることに専念して政府や行政はメッセージを出し、対策を打ち出すことをしなくてはなりません。商品券なんていうのは一年後で十分なのです。むしろ、このようなときに一部業界へのえこひいきは、その業界の将来の壊滅を誘発すると考えます。怨嗟の対象になります。
とにかく東京都と日本政府の対応は、根幹の部分、つまり新型コロナウイルス感染拡大防止と言うことについて対応が極めて遅く、的確さに欠けていると考えます。そして、そのための経済・社会維持への施策にまったく積極性がありません。本当にひどい行政と考えます。これなら、これ以上のはるかに有効なことは私にでもできます。

安倍氏は、自分の妻が多くの人々と近接で宴会(花見)をして、その行動を問われたら、公園ではないから大丈夫だと、感染拡大防止の目的意識がまったくないことを自ら証明しました。この事実・実情を、日本の人々は世界にどんどん発信、しらしめるべきでしょう。これは日本を貶める行為でもなんでもなく、まったくの実情ですし、安倍氏のように、このような無能で、無為無策、不能の為政者がいては、世界に今後迷惑をかける可能性があるので、早めに世界に報せたほうがよいのは明らかです。まずこのような首相がいること事態が、日本にとって、そして世界にとって緊急事態であることを言わなくてはならないでしょう。

新型コロナウイルスにおける緊急事態宣言でもっとも問題なのは、私権制限においてその基準が明確ではないことです。政治思想抑圧のためなどに悪用される可能性があり、そういう基準が整備されていませんし、安倍政権ではそれがもっとも危険なわけです。公文書偽造などが当たり前のように行われ、再発しているわけです。このような政権にもっとも私権制限をさせてはいけないわけで、山尾志桜里議員の主張はまったくもって正しいわけです。緊急事態宣言について、少なくとも衆参の議長の承認、衆参各会派の代表者の承認という手続きを設けるべきであったと考えます。そして、定期的(例えば週に一度)に最低限これらの国会関係者への状況の報告とチェックをすべきです。そういうチェック体制が作られていないわけで、それでいて、上述のように首相は感染拡大防止の目的意識がまったくなく、無能・無策、不能であるわけです。まず、とんでもない状態であるわけです。日本はまず首相を代えることが、新型コロナウイルス対策への第一歩でしょう。

「1人14万円の現金支給 香港、新型コロナで経済対策」(2020年2月26日 日本経済新聞)

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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