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感染拡大防止なくして経済は成り立たない?
[日本の政治]
2020年8月3日 23時50分の記事

感染拡大防止なくして経済は成り立たない。感染拡大防止と経済の両立ではなく、あくまでも優先順位トップは感染拡大防止・防疫なのです。そして、その感染拡大防止においては、国民の日々の感染防止対策はもちろん必須ですが、それ以上に何よりも政府が率先して先手先手で手を打ち、防疫に努めない限り、成果はあがりません。国民が日々の感染防止対策をしているのに、政府が何もやらないのでは上手くいくはずはもちろんありません。しかし、これが今の日本の状態です。
防疫に成功している国はすべて政府が率先して防疫に努めています。それはそうです。国民の努力だけ求める政府では単なる無能、でくの坊、存在しないのと同じです。むしろ害でしかありません。それが今の日本なのです。要するに防疫の成否は、積極的に政府がやるかやらないかなのです。これだけなのです。そして、感染拡大防止ができない限り、経済は成り立たない。つまり経済が成り立つか、否かは、あくまでも政府の防疫の成否にかかっているのです。経済を成り立たせるためには、感染拡大防止を防疫当局である政府が徹底して行うことしかないのです。しかし、わが国を見れば、絶望的に政府は防疫ができていないのです。そして、やる気もない。それで経済を成り立たせるといっているのですから、政策が、そして思考が完全に破綻しています。昨日のブログでもこのことは申し上げましたし、これまでも何度も申し上げました。繰り返しになりますが、このことにもう一度を焦点をしぼり書きましょう。


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感染拡大防止に成功している国とそうでない国を比較すると
成功している国は経済も伸びている
昨日も取り上げましたが、中国は防疫が成功している国です。最初は大変でしたが、『Worldometer』(8月4日時点)によると、今や100万人あたりの犠牲者数は3人で、日本は8人です。因みに韓国は6人、台湾は0.3人、米国は478人、スエーデンは568人です。また100万人あたりの感染者数は中国59人、日本290人、韓国281人、台湾20人、米国14559人、スエーデン8017人です。
間違いなく中国は防疫に成功し、感染は収束しています。その中国の第2四半期(2020年4〜6月)のGDP(速報値)実質成長率が、前年同期比でプラス3.2%です。昨年よりもすでに経済が伸びているのです。また前期比ではプラス11.5%、年率換算ではプラス54.5%です。以下のBBCの記事にあるように、明らかに中国はリセッションを回避して、V字回復しつつあるわけです。中国が感染を抑えている限り、普通に考えて成長の底堅さは続くでしょう。そして、感染を抑えていることによって、中国の世界的なアドバンテージをもより大きくしているわけです。これが感染拡大防止を徹底してやった国の成果です。

「中国経済、第2四半期は3.2%拡大 景気後退を回避」(2020年7月16日 BBC)

韓国
韓国の100万人あたりの感染者数(281人)は、日本(290人)とあまり変わらないように見えますが、日本は3月から5月に、感染者数が一体何人いたか、実はわからないのです。これは本当にすごいことというか、驚きですよね。もちろん、正確に何人いたかはどの国もわかりませんが、PCR検査をしっかりとやっているので、ある程度の近似値はわかるわけです。しかし、日本は検査を絞っていたと政府が公言していますから、その不明さは他国の比ではないのです。ただ、わかっていることは、感染者は発表されている数値よりははるかに多いことというだけなのです。
これが、日本の100万人あたりの検査数が世界で155位(Worldometerより)という意味なのです。まるっきりの後進国。数値隠ぺい国。
韓国は現状、感染を完全に抑えています。先週7月26日から8月1日までの韓国全土での新規確認感染者数は7日間合計で69人です。韓国全土1日平均10人です。このうち約半分が人口970万人のソウルですが、それでも1日平均約5人です。日本や東京などとレベルが違うのです。そして、韓国はしっかりと早期のPCR検査と隔離を行って世界から賞賛されています。
その韓国の経済、以下のハンギョレでは、第2四半期において、中国に次いで14カ国中2番目と報じています。GDPは前期比でマイナス3.3%、年率換算でマイナス12.5%です。このハンギョレの記事を見ると、マイナス3.3%は本当に良い方なのです。

「韓国、4〜6月GDP成長率 −3.3%、14カ国中、中国に次いで二番目」(2020年8月2日 ハンギョレ)

台湾
東アジアにはもう一つ防疫に成功した国があります。台湾です。台湾は東アジアの4カ国の内、最も良い数字を出しています(100万人あたりの感染者数20人、100万人あたりの犠牲者数0.3人)。
その台湾の経済はどうなのか? 第2四半期のGDP速報値は、以下のNHKの記事によると、前期比でマイナス2.28%、前期比年率換算でマイナス8.82%です。前年同期比ではマイナス0.73%です。韓国とほぼ同程度の数字で健闘しているのです。そして両国ともこれまで防疫に明らかに成功しているのです。

「4〜6月期の台湾GDP、マイナス0.7% 17四半期ぶり」(2020年7月31日 NHK)

「第2四半期の台湾GDPは前年比‐0.73% 09年以来の大幅減」(2020年8月3日 ロイター)



「感染拡大防止なくして経済は成り立たない?」(2020年8月4日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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