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一夜にして中国経済復活!?
[日本の政治]
2016年1月13日 23時54分の記事

本日の日経平均株価は400円以上値上がり、年初来、続いていた株価下落がストップしました。このことに対するメディアの論調は、昨日まで言われていた中国経済の先行き不安、北朝鮮情勢、原油安などはなりを潜めてしまっています。代わりに違う値上がりの「要因」が言われています。

「日経平均大引け、7日ぶりに反発 496円高い1万7715円」(2016年1月13日 日本経済新聞)

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まさにメディアの論調を見ていると一夜にして中国経済が復活したかのようです。しかし、そのようなことはなく、経済の問題は構造の問題なので、一夜にして巨大な構造が180度変わることはあり得ません。変わったのはそれを見ている方の認識であって、そう考えれば株価変動に対する論評には本質的な要素は希薄であることがわかります。ただ、本日の株価上昇について、値上がりだが中国経済の不安は払拭されていないと報道したTBSの『ニュース23』の論調は適当なものであったと考えます。
いずれにせよ、昨日の「金融問題における二つの視点」(2016年1月12日)で指摘したように、このような論評は、大抵の場合、誰かの利益と立場を守るために言われることは、留意すべきことと考えます。株価が落ちた時には、そのことに引きずられるムードや感情に乗じて、例えば「中国の先行き不安」ということが言われ、翌日、株価が上がれば、今度はその上げのムードに乗じて、そんなことはどこ吹く風になるのは、そのようなことを如実に表している事例でしょう。謂わば、これは一種の洗脳に近い情報操作ですから、気をつける必要が確実にあるものと考えます。
そして、以前にも本ブログ「今年はテレビの報道には気をつけるべき」(2016年)で指摘しましたが、今年は選挙イヤーですので、このような論評に、政治の責任を隠したり、政治的利用がなされるという可能性は非常に高くあることは間違いないポイントになります。
現状、メディアは政権とともに歩んでいるということは、当たり前のように言われています。したがって、メディアからの情報が、政権をあらゆる形で擁護する可能性は非常に高いということを忘れるべきではないでしょう。そのような擁護は国のためになりませんし、その擁護をしている人々も同様にそのことによって悪影響を被る結果になるのですが、そのことがその立場の人間にはわからないものと考えます。明らかに戦前の政府とマスコミの関係と同じになっていますが、実際にはその程度のジャーナリズムなら存在の意味は本当は無いものと考えます。国家や社会に対して政治は政治の役割があり、ジャーナリズムにはジャーナリズムの役割があります。国家や社会のためという目的は同じですが、各それぞれの役割は同じではありません。厳然と一線があります。この簡単なことが揺らいでいくと、実は社会はゆっくりと確実に崩壊に向かいます。それが戦前、日本が経験したことです。
今年は、この観点において非常に重要な1年であり、このことには常に留意する必要があると考えます。

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日本と世界の政治経済の本質を読み解く-ブロくる
片桐勇治(政治評論家) さん
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世界は大きく変わり、新しい時代が胎動しています。しっかりと把握していますか? この時代を読み解くには歴史を見つめ、構造を把握し、パワーの心奥を見つめ哲学を持たなくてはなりません。一緒にこの新しい時代を見つめて行きましょう! 最低週1回の更新です。
プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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