CIAから自民党への資金提供に関する特大スクープの意味? | |
[日本の政治] | |
2016年1月18日 23時42分の記事 | |
昨日の小日向証言の続編で、「CIAから自民党への資金提供に関する特大スクープの意味?」(2016年1月17日)の続きです。今回は核密約についてです。 「CIAから自民党への資金提供に関する特大スクープの意味?」(2016年1月17日)
昨日は、1971年に出された『富士ジャーナル7月号』での小日向白朗氏の証言を交え、西日本新聞のスクープ記事について論じてきました。本日はその続きで「核密約」について触れますが、昨日に取り上げた小日向氏の証言にこのことが書かれていますので、まずもう一度、昨日と同じものを以下に掲載します。 (小日向) ところが、この復興資金三十億ドルの借りも背景にあってか、講和条約を結んだ時に、吉田さんは日本の航空権、国防権、電波権を売り渡し、その自由使用をアメリカに認める特別覚書きを密かに入れているんだ。 今年の四月二十六日にニューヨーク・タイムズが“核戦力の通過問題”の密約説を発表したが、それは、その中の一つにすぎない。この記事も漠然としているが、一応発表したということは、密約問題を僕がしゃべってもいいというようにうけとったので、いってしまうわけだが、この密約によって、日本の自衛権は一たん戦争が始まれば、全部アメリカの指揮下に入らなければならないわけだ。また日本は、アメリカ軍の施設には、アメリカの許可がないと自衛隊でも入れないが、逆にアメリカ軍は、自衛隊の施設でもどこでも自由に入れるという不平等な状態がいまでもつづいているわけなんだ。 だから、憲法も安保条約も、実は見せかけにすぎないんで、日本をしばっているのは、この密約なんだよ。 したがって、日本の国内にも核はあるんだ。 先頃問題となった沖縄のVOA放送、これは何のためにあるかと言えば、中国が原爆をもっている。中国はそれを使う気は全くない、よその国にその技術を売ろうとさえしているんだが、ソ連は、日本と中国を牽制するためにICBM網に懸命なんだ。そこで、これを防ぐには、迎撃して空中でおとすABM網が必要なんだが米ソはお互いに相手が、それをもっていることを知っている。そのABM網の電波探知機の触覚になるのが、あのVOAですよ。(『富士ジャーナル7月号』1971年 P.25−26) 核密約 西日本新聞は、昨日とりあげたスクープ記事以外に、以下のようにもう一つ重要な記事を出していて、「核密約」に関しても隠蔽がなされたと言うことが報じられています。 「『外交の闇』隠蔽躍起 『核密約』も米に要請か 外務省、80年代」(2016年1月6日 西日本新聞) 上記記事には「『核密約』については90年代後半、米国が関連文書をいったん公開し、それが報道などされた後、再び機密指定され非公開になった例が少なくとも2件ある」(2016年1月6日 西日本新聞)と書かれ、その一つが「米国立公文書館で『核密約』の存在を裏付ける『大平・ライシャワー電文』(63年4月4日付)」(同上)で、もう一つが「この会談内容に触れた別の文書(72年6月付レアード国防長官からロジャース国務長官への書簡)」(同上)とあります。後者のレアード国防長官からロジャース国務長官への書簡については、この書簡が報道された1999年、当時の外務大臣であった高村正彦現自民党副総裁は「大平−ライシャワーメモでも出てくればびっくりして腰を抜かすが、これは米政府内のやりとりだ」(同上)と述べ、密約を否定しています。 しかし、西日本新聞の記事には「核密約は2010年、外務省の有識者委員会が存在を認定。日本政府と外務省が長年にわたり国民を欺き続けた事実が確定した」(同上)と書かれています。同時に上記の小日向氏の証言では、「日本の国内にも核はあるんだ」とはっきり述べられています。 戦後、日本が国防権を放棄し、米国にすべてを委ねている状況では、米国の核が日本に持ち込まれていることのほうが、自然と考えます。独立しているという幻想があるとおかしな結論になりますが、これが戦後の日本の実相でしょう。そのことを何よりも自民党は知っているはずであると考えます。 昨日取り上げた西日本新聞の記事で、米中央情報局(CIA)の資金提供に関する公文書について証言をしたマイケル・シャラー米アリゾナ大教授は、「こんなに『ひどい政策』をかつて米政府が行ってきた史実は、正確に後世に伝えなくてはならない」(2016年1月6日 西日本新聞)と述べていますが、その通りでしょう。いまだその「ひどい政策」を公開できないのは、このひどい政策が現在も続いているからです。そして、このひどい政策に戦後、呼応してきたのは自民党と考えて問題がないものと考えます。したがって、米国人から言わせれば、呼応した相手もまた「悪辣」ということでしょう。昨今、与党は「国民と対話しない」、「マスコミを弾圧する」、「隠蔽体質」と言われていますが、それは今にはじまったことではないことが、西日本新聞の二つの記事を読むとよくわかります。ただ、昔は色々な歯止めもあったので、今よりはましだったかもしれません。 戦後占領期の占領軍の施策を検証すると自民党は述べていますが、まずは自らを検証すべきでしょう。その占領軍とともに戦後、一貫して歩んできたのではないでしょうか。視点のすり替えも良いところです。 次回では小日向氏の証言を基にVOA放送と歴代首相がしてきたサインについて触れたいと思います。 | |
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