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大胆なほど中身が無い?
[日本の政治]
2017年9月27日 0時50分の記事

昨日の本ブログ「大胆なほど中味が無い?」(2017年9月26日)の続きです。

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25日の安倍首相の会見では、経済や雇用のことが語られましたが、基本的に少子・高齢化と年金支給時期の遅れに起因している現象と考えます。また積極財政政策や金融緩和を行っているのですから、当然、フローが増えてGDPは寝ていても上がります。しかし、それを経済成長と呼ぶのは、総菜屋でお金を出しておかずを買って、それを私がつくりましたと人に出すのと同じです。大卒の就職率が過去最高と言っていて、その後に深刻な少子化と言っているのでは、自分で輝かしいその数字の理由を打ち明けてしまっていますから、世話はありません。
会見での言葉を聞いていて、「経済パッケージ」、「大胆な」、「革命」などと何かすごいことがありそうな言葉が踊りますが、これはこれまでの安倍首相の演説の明らかな特徴です。はっきり言って、もうこういう言葉、飽きました。実際、そういう言葉が踊っていて中味が無い、何をやっているのかわからないというのが、これまでの安倍政権でしょうし、その典型が国家戦略特区でしょう。だから、この会見では国家戦略という言葉が一度も出てきません。
基本的に個別的なことばかり焦点を当てて、全体像、グランドデザイン、構造的な視点が全くありません。マクロ経済政策をしていてこれでは意味がありません。これがマクロ経済政策がわかっていないでマクロ経済政策を行ったアベノミクスの失敗の原因ですが、マクロ政策をしていて、消費は低迷、可処分所得が上がらない、賃金も上がらず、企業も苦しくなっているときに行うのは、当然、消費税の減税のはずです。国民の可処分所得を増やすしかないわけです。だから法人税は上げても、消費財や社会保障費は下げるしかないわけです。最低賃金の上昇も法的にするしかありません。
しかし、会見で消費増税を前提に話していますから、これから経済を上げると思わせぶりなことを言っておきながら、再来年以降の経済状況は極めて苦しくなると一方で言っているのです。実際には会見で経済をこれから上げるとは言うことはできなかったのは明らかです。できるはずがない。
既に8%への増税で、消費増税の悪影響は証明済みです。だから10%への増税の場合、極めて深刻な状況が待っています。わかりきったことであるのに、対策をするつもりもなく、個別的事象、例えば話題となっているロボットやAIを引き合いに出しているという、明らかに頓珍漢なものです。生産性革命と言ってロボットやAIが意味することは基本的に雇用の圧迫で、基本的に一般の賃金上昇や可処分所得の上昇には結びつきません。それで消費税を上げると言っているのですから、この安倍首相の会見を見ただけで、絶望の未来が見えてきます。会見の内容はむちゃくちゃで本当に中味がありませんが、むしろ国難を予期させます。国難突破と言っても、今や安倍政権が国難であることは間違いありません。それを突破するための解散というのがこの選挙の本当でしょう。

国連総会で安倍首相はトランプ米大統領と共に北朝鮮に対して強硬姿勢をとりました。トランプ大統領は北朝鮮との戦争をはっきりと述べ、それに安倍首相は追随しています。普通の考え方をして、これだけのことをしていれば、北朝鮮は何らかの動きをするのは自明です。そういうときに選挙をやるというのですから、普通にあり得ないことであるのは当然です。自ら種を蒔いていますし、このことが意味するのは、普通に考えて、安全保障感覚がないということですし、そうでなければ北朝鮮との間に明らかに信頼関係があると言うことです。通常、敵対関係にあるのなら選挙の時に仕掛けてくるのは常套です。政治・社会が混乱しますし、それを普通は狙います。それでいて安倍首相が選挙前に北朝鮮に対して戦争をはっきりと言った米国に追随して強硬姿勢を打ち出している状況ですから、不可解極まりないものです。この国連演説は選挙用のものと考えるのが、自然でしょう。
安倍首相は、こういうときだから選挙をすべきと言っていますが、、平和主義のわが国でこれは大義ではありません。そして、同時に、それはこの選挙の結果は、北朝鮮との戦争の口実にされると言うことです。それ即ち、選挙という日本国民の選択で日本が戦争に巻きこまれていくと言うことです。その戦争とは本ブログやザ・フナイで書いてきたように中露ということです。北朝鮮はそのための装置でしかないのです。私から言わせれば現状はそのための明らかなトラップで、その結果は確実に日本人を苦しませることになるでしょう。本ブログ「明らかな憲法違反」(2017年9月23日)で書きましたが、朝鮮半島情勢で当事国中の当事国である韓国やドイツ、中露は北朝鮮との対話をあくまで言っていますが、それは当然のことです。ただただ、安倍政権は戦争を煽っているのです。それが安倍政権の何らかの利益に関わっているのは明白です。以下の記事はそれを証明しています。

「10月10日ミサイル発射Xデーに衆院選公示日ぶつける意図」(2017年9月25日 週刊ポスト)

そして、もう一つ、ザ・フナイ次号11月号でも書きましたが、ナチスドイツでヒットラーの側近でナンバー2として要職を歴任したヘルマン・ゲーリングの以下の言葉を今や忘れるべきではないでしょう。この言葉がいかに選挙と北朝鮮とに関わるか良くかみしめなくてはなりません。そして、こういう状況はつくられるのです。


それはそれで結構だが、意見を言おうと言うまいと、国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に曝す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ。


今の政権のやり方は非常にわかりやすいのです。

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くる天

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○ 『餓死した英霊たち』

○ 『世界で最初に飢えるのは日本 食の安全保障をどう守るか』

先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

○ 『CIA日本が次の標的だ―ポスト冷戦の経済諜報戦』


◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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