これまでの日本経済の主役の没落? | |
[日本の政治] | |
2019年5月21日 2時21分の記事 | |
内閣府が発表した1-3月期のGDPがプラスとなり、2四半期連続のプラスと報道されています。しかし、内容を見れば惨憺たる内容で、経済・国民生活は大変に厳しい状態であることを示していると考えます。 「1〜3月GDP、年率2.1%増 個人消費は0.1%減」(2019年5月20日 日本経済新聞)
このGDPの内訳を見れば、個人消費は全く伸びていません。3月の実質賃金はマイナス2.5と大変な数値を示し、なおかつ3ヶ月連続で下落しているわけです。一方、今年に入り様々なものが値上げされています。以下3番目の記事のように、東京都区部の4月の消費者物価は前年同月比プラス1.3%と上がっているわけです。つまり、給料は減り(デフレ)、物価は上がる(インフレ)というまさに生活者にとって地獄とも言える状態になっているわけです。もちろん、これは、これまで指摘してきた通り人件費増・雇用環境向上の政策をしてこなかった安倍政権の政策に、同政権のインフレ政策が重なったためですが、この状態は民主国家の政権がなす経済失策の中でも最悪と言えるものでしょう。まさに国民軽視の政策の故の結果と考えます。 「3月の実質賃金は2.5%減、3カ月連続マイナス」(2019年5月10日 ブルームバーグ) 「2月の実質賃金は1.1%減、2カ月連続マイナス−毎月勤労統計」(2019年4月5日 ブルームバーグ) 「4月東京都区部消費者物価(除く生鮮)は前年比+1.3%=総務省」(2019年4月25日 朝日新聞) これではGDPの内訳で個人消費が伸びていない、もしくはマイナスになるのは必然です(マイナス0.1%)。また内訳の他の項目では、設備投資がマイナス(マイナス0.3%)、輸出(マイナス2.4%)・輸入(マイナス4.6%)とも大きなマイナスになっています。つまり経済としては既に縮小に転じていると考えられる状態になっています。 このようなマイナス経済において、住宅投資(プラス1.1)と公共投資(プラス1.5)でなんとかGDPがプラスになっているというのが実相です。しかし、既にマイナス経済になっているのですから、住宅投資もいずれ壁にぶつかるのは目に見えていると考えます。 今回のGDPがプラスを示したのは、公共投資が大きな役割を果たしていることがわかりますが、これはこれまで指摘してきた通り、積極財政政策をすれば寝ていてもGDPがプラスになっていくことを証明しています。つまり、強烈に積極財政政策や金融緩和を行った安倍政権下でのGDP成長の内訳は、この程度のことで、実質的なことはほとんどないことを意味します。 なぜ、そのように言えるかと言えば、今回のGDP内訳でもわかるとおり、そのような強烈な積極財政政策や金融緩和を7年間もしてきても、個人消費が全く伸びていないからです。つまり、それはこれまでの公共投資がしっかりと国民に分配されていないことを示していますし、同時にこれまでの公共投資が経済の血となり肉となっていないことを如実に示しているのです。即ち、安倍政権は公的なお金をどぶに捨てた、それも第二次安倍政権が発足してからずっとそのような状態が続いていると言うことなのです。これは単にお金の使い方を知らないと言うより、お金の使い方に偏りがあり、国民のためには政府のお金が使われていないと言うことでしかありません。 個人消費が全く伸びないか下がり、設備投資も減り、輸出入も大幅に減っている状態というのは、恐らく戦後初めてのケースと言っても良いのではないかと考えますし、このような状態はむしろ先の大戦末期の状態に匹敵するのではないかと考えます。つまり、戦争で戦費という公共投資だけが伸びて、国民経済は目茶苦茶な状態と同じと言うことです。まさに、安倍政権の7年間で経済は最悪の域に達していると考えます。 「これまでの日本経済の主役の没落?」(2019年5月21日)へ続く。 | |
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