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ひどい政治とは、良い政治とは?
[日本の政治]
2020年2月24日 23時50分の記事

2月23日の東京新聞・『本音のコラム』に「子どもたちをよろしく」という前川喜平さんのコラムが掲載されていました。拝見してとても素晴らしいと率直に思いました。

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コラムには以下のように書かれていました。抜粋です。


背景には現代の日本社会が抱える歪みと人を幸せにしない政治がある。人間が使い捨ての道具のように扱われ、敗者や弱者は「自己責任」として切り捨てられている。人の命や幸せを蔑ろにする政治は、もっとも弱い子どもたちに最も過酷な状況をもたらし、子どもたちは生きる場所を失う。
(中略)
この子どもたちのために何ができるのか。この社会をどう変えたらいいのか。人を幸せにする政治を、どうしたら取り戻せるのかということも。


短いコラムですが、上記の部分が根幹だと思います。要するに人を大切にしない政治は、もっとも弱い子どもたちにもっとも過酷な状況をもたらし、子どもの生きる場所を失わせ、政治が悪いと、子どものところにそのしわよせが一番出ると言うことです。
本ブログ「天皇陛下のお誕生日に際して心からお慶びを申し上げます」(2020年2月23日)で、国・社会のもと(元、素、基)は人で、それ以外にはないと書きました。考えて見れば当たり前のことなのですが、それがなぜか軽視されてしまうわけです。
政治とは社会のためにあるわけで、そのもとである人を軽視するというのはそもそも政治ではないのですが、そのような類いのことが平気で行われているのが昨今の日本であるわけです。そして、子どもが軽視されれば、その社会や国の将来はないことは何よりも明らかなことです。

愚か者の叫び
この前川さんのコラムに書かれている「自己責任」というタームですが、このことを声高に主張して悦に入っている人々は、結局、自分は病気にならない、死なないと言っているに過ぎないわけです。また、赤ちゃんは生まれたときから言葉を話し、分別があり、すぐに歩けると言っているようなもので、実のところまったく現実感がないわけです。人間は一人では生きていけないから助け合い、支え合っていかなくてはならないわけで、そのことを無視して自己責任だけを言ってもそれはまったくの暴論であるわけです。
それを悦に入って声高に叫んで、自分は人の助けなどなくても生きていける凄い人間だと一方で叫んでいるわけですから、単なるバカでしかないのは明らかです。ワントピックに対しての反応がすべての基準になるという単に視野が狭く、思考力が欠如しているに過ぎません。

問題の根源は世界共通
社会はあくまでも人が基本ですから、政治や社会によって人がしっかりケアされ、しっかりと育てられていれば、必ず社会(国)は何とかなります。人がいるからこそなのであり、そしてそこからすべてがはじまるわけです。
しかし、そうではなく、人が軽視されるてしまうのは、自分の欲のためにその社会を作るコストを軽視するということに根幹があるものと考えます。それでは社会が衰退し、実はその欲も達成することが厳しくなるのですが、欲にまみえた思考はそのようなことがわからないわけです。その本質は近視眼的で視野が狭くて思考力が欠如しているとうことにすぎないわけです。
そういう欲の思考によって出されているのが自己責任論でしょう。そして、そのような論を悦に入って言っている人々は、単にその欲に利用されているだけであって、気がついたときには、自分が豪語した自己責任論で結局は潰されているという人が圧倒的にほとんどでしょう。なぜなら、人間は一人では生きていけないからです。
このような論理と構造は、プラスチックレジ袋の有料化と同じと考えます。このことの本質は、その費用を消費者に負担させる小売業者、もしくはレジ袋の費用を負担したくない小売業者というだけで、環境問題はそのための口実として利用されているに過ぎないと考えます。実際、最近、紙のレジ袋も有料化するとある大手小売り業者が言い始めていますが、これは本来のプラスチックレジ袋の有料化の意味とは異なります。つまり、プラスチックレジ袋有料化の動きに便乗して、レジ袋代を払いたくないと言うことは明らかと考えます。
そして、この本質は、お金の論理であるわけです。ただ、お金を増やしたいという欲ですが、そこに人々が軽視される本質があるわけです。人の命や社会の生命よりお金が優先すると言うことです。法王フランシスコの『福音の喜び』では、このような病理について随所に書かれていて、法王フランシスコはそのことを猛烈に批判をしています。
このことの本質は、格差を広げるグローバル資本主義、新自由主義なのですが、まさに前川さんが指摘していることは、世界的な現象であるわけです。そして、そのグローバル資本主義、新自由主義の尖兵である安倍政権では当然、人が軽視されるわけで、上記の自己責任論はそこから出ているわけです。新自由主義の思考的特徴は時間軸がないことで、結局、突き詰めれば、今だけ、金だけ、自分だけとなるわけです。社会を壊す要素がまさに溢れかえっているわけです。

ブレない、媚びない、驕らない
前川喜平さんの文は今まであまり読んだことがなかったのですが、この短いコラムを拝見して、日本における超一流の政治思想家であると率直に思いました。政治思想家という言葉が適切かどうか。前川さんは哲学者であり、行為者でもあるのですが、やはりその素晴らしさは思想にあると考え、政治思想家とあえて呼ぶことにします。
そして、その思想がなぜ超一流かと言うと、日本を良くしよう、社会をよくしようという極めて強いブレない信念がその根底にあるからです。文を読めばそのような眼差しで書かれていることはすぐにわかりますし、前川さんの評価や人気が高いのもこの部分にあると考えます。
そして、だからこそ前川さんは媚びることなく正しいことを言いますし、そしてまただからこそ驕ることもないと考えます。ブレない、媚びない、驕らない。これは国民新党のスローガンでしたが、前川喜平さんの文を読んでいて、このスローガンを思い出しました。因みに、このスローガンの生みの親は党首であって綿貫民輔先生です。
「ひどい政治とは、良い政治とは?」(2020年2月25日)へ続く。

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○ 『餓死した英霊たち』

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先の大戦も、現在も日本国民を大切にしない政治。この2冊がそのことを雄弁に物語ります。

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◎ 拙著です

○ 『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』



内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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