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正月から歌番組で歌う政治家は所詮この程度
[日本の政治]
2016年1月21日 13時6分の記事

本日発売の『週刊文春』で、甘利経済再生相(TPP担当)に賄賂を渡したという贈収賄について報じられています。
正月から歌番組でマイクを握って歌っている大臣ですから、このようなことが報じられても、当然あるだろうと思えてしまいます。ただ、件の歌番組では、歌うことの方がTPPよりも緊張したと甘利氏が述べたと言われ、さすがにこの言葉を目にしたときには、TPPで将来への不安を持つ人がいるにもかかわらず、このような言葉を平気で吐く、本当に血も涙も責任感もない政治家であると心底、憤りを覚えました。そのことは本ブログ「年始のTV特番での政治の醜態」(2016年1月3日)でも書きました。
その上に、今度は袖の下を貰っていたと報じられているのですから、ただただ呆れるばかりです。とんでもない政治家と考えますし、そしてこれが日本の政治家のレベルと考えます。

「衝撃告発『私は甘利大臣に賄賂を渡した!』」(2016年1月20日 週刊文春)

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『週刊文春』の記事を見ると、「桐の箱に入ったとらやの羊羹」(同上)と一緒に謝礼として袋に入れられた現金が渡されたとあります。江戸時代の悪代官を彷彿とさせる場面が想起され、一瞬、いつの時代の話かと思ってしまいますが、本当にえげつないなと思います。
以下の記事のように、今回の件で説明責任を果たすと甘利氏は言っていますが、説明責任を果たすのは政策などの内容を国民に説明する責任であって、彼が行わなくてはならないのは身の潔白を証明することでしょう。それができなければ進退を考えると言うことであり、説明責任を果たせば良いと言うことではありません。言葉の使い方が間違っているものと考えます。それともこれは責任逃れの言葉なのでしょうか。
同時に、この記事では、『週刊文春』の取材は受けているが、記事はまだ読んでいないと書かれています。普通、この種の記事で取材を受けている場合、ゲラの段階で『週刊文春』が見せているのではないかと思います。また、早刷りが大抵火曜日くらいに政界で出回りますから、読んでいないということは感覚としてないものと考えます。真相はわかりませんが、もしかしたらここに嘘がある可能性がまずあります。

「甘利氏事務所に建設会社から1200万円 週刊文春報道」(2016年1月20日 朝日新聞)

かなり問題がある政治家ではないのか?
今回の報道を機に改めて甘利氏のことを調べると、いろいろなことが出てきます。パチンコ業界や消費者金融からの多額の献金、労働者派遣法の規制緩和を陳情していた日本人材派遣協会の加盟社から献金といろいろとあります。
甘利氏の初入閣は労働大臣ですが、一方で非正規労働者を派遣する側の団体である日本人材派遣協会の加盟社の献金が、こともあろうに労相任期中に行われており、このことは国会で追求されています。それでいて、甘利氏の資金管理団体に勤務するスタッフの強制加入の労働保険が、未加入状態のまま長い期間放置されていたことが2009年1月に毎日新聞によって報じられています。実際のところかなり「ブラック」なお方と思える情報が数々あります。少なくとも労働者の味方とは全く思えないことが多くあります。
安倍総理は、明日の施政方針演説で「同一労働同一賃金」と正規社員と非正規社員の賃金や待遇の格差を是正することを述べると以下のように報道されていますが、それなら昨年、非正規労働者について法改正をする前に少なくとも戻せば単純に済むと考えます。しかし、そうできないのは、TPPなどが念頭にあるからだろうと考えます。TPPを見越して非正規労働ということは、門戸を開放して外国企業が日本人を雇いやすく(いいように使えるように)するためと考えられ、だからこそ、そのままにしたいということでしょう。そのTPPを担当していたのが甘利氏ですから当然といえば当然の結果と考えます。この非正規労働者についてはこれまでの経緯を考えると、かなり甘利氏のポイントが大きいものと考えます。
日本の派遣会社の事業所数はダントツで世界一で、米国の3倍です。米国の人口は日本の約3倍ですから、この数がいかに多いかがわかりますし、労働人口の半数近い4割以上が非正規労働者という日本の実態もわかる数字です。そして、このことで大きなひずみが生まれ社会基盤が脆弱になっていますが、そういう状況で日本の「経済再生相」が甘利氏であるのですから、彼がそのようなポジションにある限り、日本の労働環境と景気は間違いなく上向かず、経済再生などあるはずもないものと考えます。

「『同一労働同一賃金』に意欲 施政方針演説で首相表明へ」(2016年1月20日 日本経済新聞)

甘利氏については、上記の他、かつて高額な事務所経費の問題も取り上げられています。このような政治家が国民の生活に関わり、国の形を変えてしまうTPPの交渉に関わること自体が、国益に反すると考えます。彼が国民の利益を護るとは考えられません。彼が護るのは彼に献金をするところだけと言われても仕方がないと考えます。本当にこのような人事は恐ろしいことであり、そのような立場の政治家に今回のような疑惑が出ることはあり得ないことでしょう。以下の記事では、甘利氏は「私自身は国民の皆様から後ろ指を指されるような行動は今日までしていないと思っていた」と今回の問題について語ったと報道されていますが、上記を考えると、そんなことはないのではないかと率直に思います。

「甘利経財相『調査し説明する』 週刊誌報道巡り」(2016年1月20日 日本経済新聞)

第二次安倍政権発足以降、高木毅復興相、松島みどり法相、小渕優子経産相、下村博文文科相の問題が浮上しました。さらに今やGPIF損失問題から厚労相の責任も間違いなくあると考えますが、どれも皆、しっかりと責任をとって辞任をしたというイメージがありません。小渕経産相くらいしかけじめをつけた印象がないと思われる方も多いと思います。これは憲法を無視するかのごとく軽視し、遵法精神が希薄と考えられる現政権ならではのことで、当然の結果と考えますが、それで良いと言うことでは全くありません。今回の甘利氏の問題はかなり大きな問題であり、本人の進退はもとより、TPPという国の重大事の担当者にこのような問題があると思われる政治家を任命した総理の責任は間違いなくあり、政権自体の責任問題であることは当然であると考えます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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