甘利大臣が辞任−−潔白は証明できなかった | |
[日本の政治] | |
2016年1月28日 23時56分の記事 | |
甘利大臣の辞任が報道されています。記者会見で今回の疑惑について説明を行い、最終的に辞任を表明しました。これは様々な説明をしたが、身の潔白は証明できなかったと言うことであると考えます。甘利氏が会見で述べたことは、甘利氏の「言い分」であって、それは「真相」ではありません。このことは、文春で報道されていることも同じですが、結果として文春に書かれていることを完全に覆せなかったことが原因で今回辞任に至ったことは明白です。完全に疑惑を晴らすことができれば辞任ということはまずなかったでしょう。また、今回の記者会見では甘利氏の秘書が300万円を不正に使用したと言われ、それがパーティー代金に使われたと説明されています。政治資金パーティーのことと考えますが、これはもしかしたら別の問題点を浮上させるかもしれません。 今回は刑事事件の可能性という性格がありますので、議員辞職なども当然、視野に入るものと考えます。また今回の疑惑の件は、国家の責任者としてTPP交渉を担当していた時に行われており、様々な利害がからむTPPの交渉を担当していた大臣が賄賂を貰っていると疑われる事案です。これは、TPP交渉のそもそもの信頼性を崩すことであり、疑惑の真相やTPP交渉の信頼性の有無などを、徹底的に国会で追及する必要があります。当然、TPPの様々な条項に関して、一つ一つ吟味する必要があります。それは甘利氏の恣意的な判断がある可能性があるからです。もちろん、これらのことが晴れない限りTPPは前へ進めることは非常に問題があります。いずれにせよ、今回の疑惑は国民への裏切り行為を示すものと考えます。
政治家と秘書の関係は、失職など政治家の地位が落ちれば秘書も同じく職を失うという関係にあります。ですので、当然、政治家の事務所は、政治家を中心にまわります。ボスである政治家の命に背いたり、不利益になる者は、職を失うことを意味します。ですので、選挙の時、人当たりが悪い秘書は選挙区に入ることを禁じられたりもします。このようなことで事務所を追われた秘書をこれまで何人も見てきました。 議員が支援者などからお金を貰えば、必ず額を確認します。そのようにしなければ、支援者との関係を「計る」ことができなくなるからです。もちろん、秘書が貰った様々な金品も普通は報告します。これもまた政治家と支援者との関係に直結するからです。 そういう意味で、普通は「秘書が」ということはなく、政治家も当然、知っています。このように政治家を中心に回る政治家の事務所は、秘書の態度や振る舞いもその政治家の考えの投影になりますから、秘書はボスである政治家の一種のクローンなのです。もちろん例外はあって、政界で有名な話ですが、秘書が事務所のお金3億円を持ち逃げしても、それが裏金であったので表沙汰にできないと言う話は聞いたことがあります。 それはさておき、今回の甘利氏の疑惑への説明は違和感を禁じ得ないものです。むしろ、お金を支援者などから貰うことが常態化していたので、金銭に関してかなり緩くなっていたことも考えられます。つまり、政治資金収支報告書に記載されていないものが、まだまだあり、その一つが今回のケースであったのではないかと推測します。つまり、同様のことは他にもあるが、言い逃れができないように証拠がそろえられてたのが今回のケースというように想像します。もしそうなら、嵌められたのではなく、完全に嵌まったということでしょう。 なぜ、ダボス会議に行かせたのか? 今回の辞任で、いずれにせよ疑惑を覆すものはなかったことは明らかになりました。先週末から甘利氏はダボス会議に出席しました。会議ではパネラーとして、聴衆の前に座り話をしていましたが、その時、今回の疑惑について質問され、甘利氏は釈明をしました。しかし、それから1週間も経たないうちに大臣を辞任をするのですから、他国から見たら普通、どう見えるでしょうか? 「日本の顔」として行っているのですから、完全に行かせるのは間違っていたものと考えます。今回の出席は公費だったのでしょうか? まさか政府専用機は使っているとは思いませんが、このようなことも今後、国会で追及する必要があります。 また、今国会で甘利氏は「経済演説」をしていますが、明らかにこれも間違いです。民主党など野党は退席をしましたが、それは当然、正しい判断であったわけです。そして、その時、議場に残った議員は、演説をする甘利氏に歓声を上げていました。これも今となっては非常に問題があるものと考えます。 | |
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