政党の政策・調査能力? | |
[日本の政治] | |
2019年2月10日 2時38分の記事 | |
昨日の本ブログ「政党の政策・調査能力?」(2019年2月9日)の続きです。
以下の日刊スポーツのコラム『政界地獄耳』が良いことを言っています。 「『事前通告ないから』答えぬ低レベル閣僚/地獄耳」(2019年2月9日 日刊スポーツ) 内容は、最近、首相や閣僚が国会での質問をかわすための方便として、事前通告を受けていないので答えられないということが言われているというものです。その通りでしょう。 このコラムには民主党政権で事前通告をしていても首相や閣僚が答えられないことが多発したと書かれていますが、上述したことから考えれば、旧民主党が野党から与党になってすぐに対応できないのは当然の成り行きであるわけです。野党時代に蓄積ができていないわけです。 そう言う意味で現在の野党の政策能力・調査能力の拡充はどうしても必要であるわけで、その上で与党になってからも一定程度の時間が必要であるわけです。それは現政権下において政府から十分な情報が野党に開示されているとは到底、考えられないからです。したがって、次に政権交代が生じた場合、少なくとも10年の年月が日本の政治には必要であると考えます。 ただ、これは現野党の状況です。自由民主党は55年体制から既に半世紀をはるかに超え、60年以上、政権の座にあるわけです。そう言う状況にあって、事前通告がないから答えられないというのは、勉強不足、そもそも与党として失格と自ら言っているにすぎません。この60年間、一体、何をやっていたのか、というのが本質的な評価でしょう。ほぼ一党独裁体制なのですから、森羅万象、何でも答えられなくてはいけませんし、答えられないのは与党失格か、民主政治を踏みにじる独裁体制の表れかとしか言えないでしょう。 以下の記事では、統計不正問題について、安倍首相が責任を痛感し、再発防止に全力を尽くすと述べたと報じられています。 「安倍首相 不正統計問題『再発防止に全力』」(2019年2月9日 日本テレビ) しかし、60年以上、政権党であったのに、再発防止に全力を尽くして、その効果があるのかと疑うのは私だけではないでしょう。民主党政権時に、当時の首相が同じことを言うのなら、まだ考えますが、祖父も首相であった安倍首相がこのように言っても、それは自由民主党に政権担当能力がないと言っている以外に意味はないと考えます。60年間、政権党であったものが防げなかった事案の再発防止を、同じ党がなせるわけはないわけです。 既に明らかに政権交代が必要になっているのが、日本の政治の実相です。ただ、変わるべく集団も能力もないというのが、これまた実相であるわけです。これは上述のことを考えれば、間違いのないことです。 そこでひとつの新しい方向性を考えてみてはどうかと思います。現状のように野党が乱立している状況では、それらの党のスタッフ、政策・調査能力も分散されてしまいます。例え野党が糾合しても、現状の政治家の意識では、政党の政策・調査能力の拡充に頭は回らないでしょう。自分のことしか考えないわけです。それでは与党になる前の旧民主党と同じになってしまいます。 そのような政治家をポイントにするのではなく、独立した野党・リベラル系を橋渡しするシンクタンクのようなものをつくった方が良いと考えます。100人、200人で、最初はボランティア主体でも良いですから、そのそのような集団をつくる方向性があるでしょう。もちろん、そこで問題になるのが方向性とお金です。方向性は与党のチェック、民主政治、平和主義の堅守で良いでしょうし、ネットベースでも最初はよいのではないかと考えます。まずは予算書、決算書をみんなで読み合わせるだけでも良いと考えます。はじめに国のお金の流れを徹底的にチェックすることから全ては始まります。 このようなものは、これまで連合にその役割と存在が期待されてきたわけですが、もはや連合にはその意志が確認できなく、方向感も整っていません。それが現在の野党の非力さを生んでいる明らかな一因です。また連合はもはや労働者の代表ともいえない存在となっています。単なる利益集団です。 一方、議員ベースの糾合だと、バッジをつけたい人ばかりが集まってきて、スタッフを見下し、横柄になり、勉強もしませんし、スタッフを育てる意志もありません。むしろ、スタッフを派閥争いに使ったりするようになって、自分の利益優先になります。 発想を逆転させて、未来をつくるために前へ進むべきときでしょう。政策・調査能力をもった集団が表れれば、現状の閉塞感を少しは変えることができるでしょう。もしかしたら大きく化けるかもしれません。そう考えると、現在の政治は、100人、200人の市井の人々の協力によって変えていくことができるのです。そして、そのような集団から明日の日本の政治を担う人材が確実に生まれてくるのではないかと考えます。 | |
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