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歴史の境界においてはこれまでの常識は通用しなくなる?
[日本の政治]
2019年2月26日 23時58分の記事

昨日の本ブログ「歴史の境界においてはこれまでの常識は通用しなくなる?」(2019年2月25日)の続きです。

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ナショナリズムの危険性
以下の記事は、これまで立憲民主党や希望の党の皆様と同じ主旨のことを社民党の又市党首も言っていることが書かれています。これも朝日新聞です。55年体制です。まあ、非常にわかりやすいのですが、これからの東アジアの平和をいかにつくり出していくかという視点とビジョンはこの記事からは見て取れません。米朝首脳会談の前日であるのに。

「ノーベル平和賞推薦は『世界の笑いもの』社民・又市党首」(2019年2月26日 朝日新聞)

これまでザ・フナイなどでの拙論で、朝鮮戦争の終焉を予測してきました。そして朝鮮半島情勢も含めて、世界の動きも書いてきましたが、基本的にその予測したコースで動いてきています。このこれまで書いてきた世界情勢の動きの実相がわからないと現在の東アジアや日本の実相もわかりません。それは、今後の動きもわからないと言うことですし、正確な将来のビジョンも考えることができないということです。
この世界情勢の動きの中ではっきりしていることは、東アジアでは朝鮮戦争の終焉か、それともその動きに反してこれまでの構造を継続しようとするかという二つしかないということです。そして、後者はこれまでの構造の継続・温存ですが、基本的にその本質は抵抗運動に他なりません。ただ、この後者の方向性ではいずれ朝鮮半島とその周辺で数千万人が犠牲になる戦争の危険性があります。
ただし、現状、見る限り前者の方向性で動く世界の趨勢は変わらないと考えます。そうなるとこれまでの日本での戦後構造(朝鮮戦争の構造〔日米同盟、冷戦構造〕)は崩れていくことになります。そういうときに、新たなポイントになるのがナショナリズムです。戦後構造(朝鮮戦争の構造〔日米同盟、冷戦構造〕)とは、戦争の構造なのですが、この構造が崩れたとき、新たなる戦争の構造として危険性が考えられるのは、ナショナリズムの高揚と日本を取り巻く国際的な緊張の高まりです。ある意味、おきまりのコースなのです。
そして、上述してきたことをこの視点でも見なくてはなりません。事実、対米追従・隷属という言葉が使われていますから、その裏返しはナショナリズムです。そのポイントが新たに浮上し、また浮上させていると考えます。
朝鮮戦争の構造が終わろうとしているとき、これまでの歴史の流れが変るとき、朝鮮戦争を前提として展開されてきた米軍は当然、そのプレゼンスを収縮させるわけです。これは東アジアだけではなく、世界的に既に生じていることです。
そのようなときに、対米隷属という言葉は、まさしく空虚であるわけです。ドン・キホーテを連想してしまいます。
むしろ、現状、これまでの構造が崩れるとき、日本が暴走すると言うことがもっとも懸念されることで、実は対米隷属というタームはそれに拍車をかけ、異常なナショナリズムに繋がる大変に危険な要素を持っているのです。そして、それは日韓激突、日露激突、日中激突、そして日米激突に繋がる危険性を持ち、日本にとっては滅亡の危険性をはらむものです。かつてのABCD包囲網と同じ状況を作り上げる危険性があるのです。既に日本が置かれている状況はそのようなステージに移っていると認識する必要があるわけです。これは急務で、それが歴史の境界におけるリアリティです。
既にすべてを次元が違うレベルで考えないといけないところに来ているわけですが、そのような構想力を野党には見いだせないと考えます。もちろん与党にも、マスコミにもです。。このような状況で、まだ実情を把握していない国内向けの世論対策という観点で、政治が語られれば大きな陥穽がその先に待っていることを認識する必要があります。だからこそ、まず問題になるのが、これまでと違った形で東アジアの平和をいかに構築するかというビジョンが問われるわけです。その先にしか日本の未来はないのですが、政界もマスコミも日本の近隣諸国に対する敵意で満ちあふれています。米国に対しても対米隷属と言っているわけですから。これでは、単にナショナリズムの高揚と全方位を敵にする外交姿勢しか出てきませんから、当然、いずれ日本は行き詰まりを見せます。今日の政界とマスコミの言論の延長線上にあるのは、この行き詰まりです。大変に危険なのです。

以下の記事では、横田空域の一部を日本側が管制すると報じられています。このことは拙著『この国を縛り続ける金融・戦争・契約の正体』(2015年 ビジネス社)やザ・フナイで縷説してきたことですが、朝鮮戦争の構造が終焉を迎えるときには当然、生じることで、このようなことは何年も前から準備していることなのです。そして、これは日本(安倍政権)が望むと望まざるに関係なく生じることなのです。そして、このことは米朝首脳会談へと繋がるお話しでなのです。
むしろその進行を遅らせてきたのが日本(安倍政権)であるのです。それを今になって横田空域が云々かんぬんといって、ナショナリズムを煽るのはこれまた危険性があることなのです。本当に世界の情勢や東アジアの情勢を知っていれば、横田空域云々とか対米隷属云々とは言わないはずです。恐らく、この論には今後のナショナリズムの高揚を視野に入れているものと考えます。大変に危険なものです。

「横田空域 通過、米と合意 羽田発着国際線枠が拡大」(2019年1月31日 毎日新聞)

時代の境界においては、物事をしっかりと見ないと命の危険性が生じるのです。

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くる天

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐勇治(政治評論家) さん
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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