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オリンピック強行開催中に事実上の医療崩壊 この国の政治は基本的に機能していない (1)
[日本の政治]
2021年8月2日 23時53分の記事

以下の記事のように自民党政調会長の下村氏が、感染対策のためにロックダウンについて議論すべきと、なんと今頃になって述べています。本当なら1年半前に言わなくてはならないことを、今になって言う。これほどバカげたことはありませんが、これが日本の与党政調会長の実力なのです。

「『ロックダウン 国会で積極的に議論すべき』自民 下村政調会長」(2021年8月2日 NHK)

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本ブログでは、新型コロナウイルス対策で私権制限をすることは、現行憲法で十分でき、できないというのはおとぎ話、作り話に過ぎないということを述べて、そのように本ブログ「日本政府も東京都も現状の10%しか想定していない 48時間以内に五輪中断・来年再開催を即時決定せよ」(2021年7月31日)で書きました。
このロックダウンも含めて様々なルールを策定、法制化、感染拡大防止対策と医療設備の充実を徹底的に昨年からして行わなくてはならなかったのです。そして、本年の通常国会で法制化することは、当たり前のことだったのです。このことも何回も指摘してきました。
しかし、この下村氏の発言は、新型コロナウイルス感染拡大が昨日から始まったように話していて呆れるばかりです。まさに、これまでアベ・スガ自公政権が、実質的な感染対策を何もやってことなかったことを、自民党政調会長自ら証明している発言なのです。
昨日の本ブログ「日本政府・東京都の防疫政策の実質的な破綻」(2021年8月1日)で指摘したように、日本政府・自公政権・小池都政の防疫政策は、緊急事態宣言という宣言だけのアナウンスしかしてきていないのです。だから、今になってそれが完全に崩壊し、感染爆発・オーバーシュートとなって、下村氏が『これからロックダウンについて議論しましょう』と言っているわけなのです。情けない。これでは、政治家と自称していることがおこがましいレベルです。はっきり言って、こんなのは政治家ではありません。
そして、何と、これが自民党の政調会長なのです。基本的にはバカ。スガ氏と下村氏は1996年初当選の同期ですが、この二人とコロナ相の西村の3名に共通することは、教養と帝王学がないことなのです。政治家の器ではないのです。ただただ、ポストなどへの執着と権力欲だけは強く、それ故にポスト獲得は実現したのですが、そのポストに見合う勉強をしてきていない。だから、いざその地位に就くと、その実力の程が白日の下にさらされ、失敗と不手際を繰り返し、批判の対象になるわけです。スガ氏はその典型です。とにかく、非常に薄っぺらい人々。だからこのようなことになるわけです。

◎ 案の定、オリンピック強行開催中に事実上の医療崩壊
以下のTBSのニュースでは、新型コロナウイルスに感染して呼吸困難に陥った患者の搬送先を、救急隊が探しても100箇所に断られたことが報じられています。すでに、このような類似のケースが多数と考えられ、明らかな医療崩壊です。以下のように書かれています。


男性(50代)はコロナ感染し呼吸困難の状態で、救急隊が搬送先を探しましたが、およそ100の医療施設が態勢の不備などを理由に受け入れを断ったということです。
男性は通報からおよそ8時間が経過した翌日の未明に、およそ50キロ離れた病院に入院しました。

「【独自】都内約100病院が拒否 コロナ救急患者搬送に8時間 」(2021年8月2日 TBS)


このニュースのもう一つのポイントは、50キロ離れた病院に入院したということです。今後、都内の医療リソースはすぐに限界に達し、医療崩壊しますから、そうなると隣接する関東一円の医療リソースを使用するようになります。しかし、それもすぐに限界に達しますから、関東地方は近日中に確実に医療崩壊します。
この医療崩壊は何も新型コロナウイルス感染者だけの話しではないのです。夏の行楽シーズン、海、山に出ている人々が沢山いると思いますが、もしそのような人々が怪我などをしても、医療崩壊しているのでケアされないということを、上記の記事は意味しているのです。それは当然、命の問題に関わる。そのようなことを即刻、テレビ、新聞で徹底的にアナウンスしなければなりません。何も考えずに海・山で遊んで、事故などにあって救急車を呼んでも受け入れてくれる病院がないということに遭遇するわけです。これ、本当に大変なことです。
しかし、今の完全に思考停止状態のスガ自公政権の日本政府では、一言もそのような注意喚起をしていないのです。これ、本当に問題で、普通に犯罪です。

◎ このようなときオリンピックには7000人の医療リソース
この事実上の医療崩壊をしているときに、パンデミックの状態でオリンピックを強行開催して、その大会のために医療リソースが7000人も取られているのです。これは明らかな異常事態です。日本国民の命が完全に後回しにされている。
ただ、実はそれだけではないのです。オリンピック関係者も、現状ではケアされない可能性が出てきているわけです。とにかくオリンピックの早期中断と来年開催の決定をしなければなりません。それを24時間以内にしなければなりません。もう時間はありません。

◎ スガ自公政権の日本政府も医療崩壊を認めた
以下の記事は、スガ自公政権の日本政府が、新型コロナウイルス感染者で中等症や軽症者は入院させず、またホテル療養もさせないと発表したことを報じています。すなわち、すでに医療逼迫・崩壊しているから、新型コロナウイルス感染者に対する十分なケアを提供できないことをスガ自公政権の日本政府が認めたと言うことです。だから、上述のように救急隊が病院を探しても100箇所、8時間断れ続けられたということが起きているわけです。完全に医療崩壊。

「入院患者以外は原則自宅 政府、宿泊療養を限定 感染増加地域」(2021年8月2日 毎日新聞)

これがオリンピック強行開催中の東京の現実です。これ、普通にいって地獄です。なぜ、こんな時にオリンピックを強行開催をしているのか? そして、し続けるのか? このことが、小池都政、アベ・スガ自公政権、日本政府にこれから問われていきます。『ご懸念』まで出たのに、それを無視した強行開催による、この惨状。今後、10年から20年は、このことがずっと問われ続けていきます。基本的に小池百合子の政治生命は終わったと考えます。女性だろうとなんだろうと、失政の責任はきっちり取らなければなりません。それが、人々の命をあずかる政治家の使命なのです。

「オリンピック強行開催中に事実上の医療崩壊 この国の政治は基本的に機能していない (2)」(2021年8月3日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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