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フェーズは何も変わっていない 五輪即刻中断・選手村をコロナ患者用に転換せよ (1)
[日本の政治]
2021年8月5日 23時50分の記事

本ブログ「新型コロナウイルスは寝てれば治るのか? すでに金メダルの数より感染者数の方が圧倒的に大事 (1)」(2021年8月4日)の続きです。
さて、以下の記事のように『まん延防止8県追加決定』とありますが、『まん延防止』でこれまで新型コロナの感染拡大が防止されたことが、一体あるのでしょうか? まったくありません。スガ自公政権・日本政府は、以下の二番目の記事のように感染状況について『フェーズ(局面)』が変わったとしきりに言っているのですが、それなら、これまで何の効果も上げていない『まん延防止』をやるというのは、そもそも自己矛盾でしょう。フェーズが変わったというのなら、最低でも即刻、全国一律に緊急事態宣言の適用をすべきです。これはすぐにしなくてはなりません。
しかし、このこと以上に重要なことは、そもそも『フェーズ』は変わっていないことです。そのことを示す非常に良い記事が出ています。

「まん延防止8県追加決定 8〜31日 13道府県に拡大」(2021年8月5日 毎日新聞)

「田村厚労相、デルタ株に危機感『フェーズが変わった』」(2021年8月1日 毎日新聞)

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それが7月27日の論座の記事です。この記事はとても良いもので、「五輪『中断』を求める西浦教授らの危機感を共有しよう」(2021年7月27日 論座)というものです。
この記事には、京大の西浦教授が、7月21日の段階で「8月7日には都内の感染者が1日3000人超となり、21日には1日5235人になるとの推計」(同上)を提出していることが書かれています。そして、これだけの感染爆発が予想されるので、西浦教授は五輪の中断を求めているわけです。こういう経緯を観れば、オリンピック強行開催前の7月21日には確定的に感染爆発・オーバーシュートが予測されているわけなのです。
また、西浦教授は「今後、呼吸苦があっても自宅療養で待つ者が増加し、自宅で重症化する人が出る。ここから待つと状況悪化を懸念するため、この時点でオリンピックを中断し、都内で外出自粛を徹底することを提案します」と明確に述べて、現状の状況をはっきりと7月24日の段階で予測しているのです。
このように観ると、実際には、フェーズなんか何も変わっていないのです。オリンピック開会式の前に今年の開催の中止、来年開催を決断しなくてはならなかったのです。それが全てで、そのことは明らかだったのです。昨年末に本ブログ「東京オリンピックは2022年に開催すべき」(2020年12月31日)以来で指摘してきたように、昨年末の時点で、今年のオリンピック開催が大変なことになることはわかりきっていたことなのです。そして、そう判断した理由もこれまで何度も申し上げてきました。
話しを戻すと、フェーズが変わったといっているのは、スガ自公政権・日本政府であって、そういうのは自分たちがバカで無能であることを晒しているだけなのですが、その本意は責任逃れでしかないのです。つまり、このようなフェーズになることは予想できなくて、だからオリンピック強行開催をしてしまった、よって自分たちには責任がないと。
このスガ自公政権・日本政府がバカで無能であることを晒し、さらに責任逃れをしている悪辣さは、以下の記事のように、尾身氏が自宅療養原則への政府方針転換について事前相談を政府から受けていなかったことにも如実に現われているのです。これまで、パンデミックの状態での五輪開催に否定的であった尾身氏に対して政府・自民党はものすごい不満を表明してきたわけです(以下、3、4番目の記事)。だから、政府・自公政権は尾身氏を干していたわけで、それが事前相談がないということに現われているわけです。
この自公政権と同じスタンスを取るのが小池都政であり、それが一番下の記事に如実に現われています。これまで何度も申し上げてきたように自公政権と小池氏は同じ穴の狢なのです。まったく同じなのです。五輪強行開催をして、感染爆発・オーバーシュートとなっているのに、まったく責任を感じていないどころか、必死になって責任転嫁をしようとしているのです。それが小池都政とスガ自公政権・日本政府の実相。

「尾身氏『事前に相談なかった』 自宅療養原則への政府方針転換で」(2021年8月4日 毎日新聞)

「尾身氏、五輪開催が『人々の意識に影響与えた』 衆院委」(2021年8月4日 朝日新聞)

「尾身氏『普通はない』発言、自民幹部反発『言葉過ぎる』」(2021年6月3日 朝日新聞)

「尾身氏への不満強める 政府・自民―五輪発言、逆風懸念」(2021年6月5日 時事通信)

「小池知事『ですから、五輪はステイホームに一役買っている』 尾身会長の懸念を否定」(2021年7月30日 東京新聞)

話しを戻すと、西浦教授は7月の段階で感染爆発・オーバーシュートを予想し、警鐘をならし、五輪の中断を提案していますが、自公政権、小池都政はまったく無視して、五輪強行開催、現状の大変な状態を招いているのです。しかし、本日(8月5日)の新規確認感染者数は5042人ですので、西浦教授の予測(8月7日には都内の感染者が1日3000人超)を上回っており、政府は重症者以外の入院は認めないと一度は明言したわけですから、当然、オリンピックは即刻中断をして、選手村に入院できないと宣言された中等症以下の患者を収容しなければならないのです。オリンピックを悠長にやっているときではないのです。来年に再開催をしなくてはならないのです。

「フェーズは何も変わっていない 五輪即刻中断・選手村をコロナ患者用に転換せよ (2)」(2021年8月6日)へ続く。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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