《日本の政治》 誇張ではなく国民新党は時代を15年先んじていた | |
[日本の政治] | |
2021年11月20日 0時0分の記事 | |
以下の文章はフェイスブックに10月27日に掲載したものを、加筆・修正したものです。
以下は昨日(10月26日)の産経の記事ですが、東京8区の自民・石原伸晃氏の劣勢が伝えられています。記事には石原氏が「立憲民主党の吉田晴美氏を追い」とあります。長年、石原氏が議席を占め、自民の地盤が固い杉並区において、現時点で石原氏が追う立場であるのは、勝敗がほぼ決まった情勢と考えます。石原氏の比例復活も厳しくなっているというデータもあります。 「自民閣僚経験者12人が苦闘 終盤情勢」(2021年10月26日 産経新聞) 石原氏と兄弟で東京3区の宏高氏も、情勢調査では厳しい数字が出ています。この選挙で、一時代を彩った石原ファミリーが政界から去ると言うことは十分ありえます。まさに地殻変動が着実に起きているのが、今回の選挙で、この変動が来年の参院選へと続いていくものと考えます。 地殻変動と言えば、今回の選挙で自民党は『分厚い中間層をつくる』とスローガンを掲げ、一方、立憲民主党は『一億総中流社会を取り戻す』と言っています。二つとも突然でてきた耳慣れない言葉に思われるかもしれません。しかし、国民新党の政策と広報を担当していたものとして責任をもって申し上げれば、この二つとも国民新党の中核政策で、15年程前に一字一句違わずにまったく同じことを政策として出しています。 国民新党の政策をつくっていたのは、亀井久興先生と、娘で現在、島根1区で立民から出馬している亀井亜紀子さんです。ですから、立民の『一億総中流社会を取り戻す』というのは、亀井亜紀子さんのものであるわけで、事情を知っている者からすると、その意味がすぐにわかるものなのです。 そうなると自民党の『分厚い中間層をつくる』はどうなのかということになりますが、パクりか、もしくは知っている人が関わっているという可能性があるわけです。 いずれにせよ、今や自民党と立憲民主党がそろって国民新党の中核政策を言っているのです。ここまで来るのに15年かかったと、広報と政策を担当した私としては、実は感慨深く状況を見つめているのですが、ここに明らかな時代の地殻変動の根源の1つがあるのです。 15年ほど前、亀井久興先生は、国民新党の政策は、いずれ皆が理解する、理解せざるを得なくなる、とよくおっしゃっていましたが、その通りになっているのです。このお言葉の真意は、問題は構造的だから、その構造を変えないと、さらに問題は深刻化すると言うことです。そして、予測通り問題は深刻化し、どうにもならなくなり、現状、これまでとは違う方向性が出てきて、地殻変動になっているということなのです。 現在の地殻変動は、都市部から地方へとこれから確実に伝播していきます。だから、自民党が『分厚い中間層をつくる』と言わざるを得なくなったと考えます。ただ、とにかくその問題ある構造は自民党がつくってきたのですけどね。 上述した立民と自民のスローガンが言われることは、単に国民新党の政策が正しかったことの証左に過ぎないのです。それは、言い換えれば、亀井久興先生と亀井亜紀子さんの見識の高さが証明されたと言うことに過ぎないのです。ここまで来るのに15年かかりましたが、逆に言えば国民新党は15年も先んじてたわけで、その政策能力は政界でも群を抜いて高いのです。早すぎたのかもしれませんが、いずれにせよ、これは誇張ではありません。こういうことがわからない人が多すぎるので、日本の政治が悪くなるばかりなのです。 ですから、自民党の劣化は、このような『良識』を失ったからに他なりません。国民新党の政策が、15年前から実施されていれば、今頃、GDPは当時の2倍、非正規労働者は高度技能の専門職に限定されて、現状の半分以下となり、労働者の所得は1.5倍以上になっていたことでしょう。まちがっても、以下の記事のように韓国に平均賃金が抜かれるようなことにはなっていなかったでしょう。 はっきり言いますが、今の日本を窮地から救う処方箋を書けるのは、亀井久興先生、亜紀子さん、そして当時の国民新党の政策しかありません。 「韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも…」(2021年10月20日 朝日新聞) 亀井久興先生と亜紀子さんの親子は、親子で国会議員になっていますが、決して世襲ではありません。久興先生は、すでに自民党時代に、選挙区ではなく、比例代表からとなっていました。ですので、亜紀子さんは強固な地盤を引き継ぐ『世襲』と言うことではないのです。常に勝利が確実ではない選挙戦を戦ってきたのです。 しかし、亀井家は元は津和野藩主ですから、地元の名士で知名度はあります。また、皇族に関わる家系で、岩倉具視の末裔、旧華族の伯爵家ですから、家柄は申し分がなく、さらに上述のように見識は非常に高いのです。 そして、そういうものが、自民党に逆風が吹くとき、大きくものを言う尋常ではない爆発力をもっているのです。それが、最初に爆発したのが、2007年の参議院選挙です。この選挙は自民党逆風で、野党共闘でしたが、国民新党から亀井亜紀子さんが島根県選挙区に出馬しました。 実は、出馬表明時、本人すら勝てると思っていなかったのです。私は党の選対にいましたが、誰も勝てるとは予想していませんでした。それが、勝ってしまったわけです。正直言うと、国民新党関係者は皆、驚きました。 今回の選挙もアベ・スガ時代のツケで自民党逆風、そして立民・共産を中心とする野党共闘となっているわけです。当然、相手は恐れているものと考えます。そういうところに、島根1区で亀井亜紀子さんと同姓同名の『謎』の候補者が突然現われるということが起るのだろうと考えます。 「読み方が同じ2候補、点字投票区別できず 島根1区 団体が対応要求」(2021年10月27日 毎日新聞) 亀井久興先生、亜紀子さんともに、保守ですが、とても穏健、リベラルで、筋金入の平和主義者です。なにせ、親戚が226事件で暗殺された斎藤実元首相ですから、ほとんど実体験として、そのようなことを経験されているわけです。 もともと、私はタカ派で新自由主義でしたから、国民新党にいた頃、穏健な保守、リベラル、平和主義というものには物足りなさを感じていたのですが、それから10年以上がたってみると、その正しさを実感として感じています。久興先生がいつもお話しくださった226事件の生々しいお話しは、私の心に鮮明に刻まれています。 国民新党は、久興先生の他に、党首が綿貫民輔先生でした。綿貫先生は、衆議院議長、トナミ運輸の中興の祖、ミスター自民党と言われ、神道の神職としては民間で最高位の方です。そして、忘れてはならないのが、もう一人の『亀井さん』である亀井静香さんです。静香さんは、ああ見えて、とてもハト派なのです。お姉様を原爆でなくされている経験が大きいものと考えます。 そういう先生方と膝を突き合わせて、お酒を飲みながら色々とお話しを聞けたのが、国民新党でした。まさに私にとっての『学校』です。最終学歴を『国民新党』と書きたいくらいですが、その学校で保守の真髄を学ぶことができました。その保守の真髄とは、平和と人々の安寧を何よりも目指すこと、情を持って政治を行なうことです。 世間では、タカ派で新自由主義が保守と勘違いしている人がいますが、それは保守ではありません。それは、単にタカ派であり、新自由主義でしかないのです。 国民新党はとても良い政党でした。政策的に抜群の能力を持ち、皆、和気あいあいとしていました。あと、『亀井』が4人もいたので、名前で呼ばないと区別ができないということもありました。ですから、今まで亀井亜紀子さんに『亀井さん』といったことは一度もありません。いまだに亜紀子さんと呼んでいます。そういうとても親しい関係が国民新党の特色でした。今、その存在がないのが、とても残念です。今あれば、間違いなく時代の中心になっていたはずです。 | |
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