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《日本の政治》 確定事項 右翼がオリンピックを台無しにした
[日本の政治]
2022年2月21日 23時58分の記事

北京オリンピックが閉幕しました。17日間の大会期間はあっという間という感じで、中国はそつなく大会をこなしたのではないかと考えます。個人的には女子カーリングで日本チームが銀メダルをとったのはとても嬉しく思いました。日本チームのメンバーの雰囲気はとても『普通』なのですが、その誇示をしない普通さの中に落ち着きと自信、マイペースさがあり、世界2位の成績を収める強さがある。みていて微笑ましさすら感じますが、この『普通さ』は日本の新しい国際化のモデルになるかもしれないとテレビを観ていて考えました。

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昨年に行なわれた東京オリンピックは、開催前、アベ政権下での数々の疑惑や不祥事などで大きなイメージダウンとなり、さらに新型コロナウイルス・緊急事態宣言下での強行開催となりました。
そのような大会開催に天皇陛下はご懸念を出されました。
私は開催はすべきと考えていましたが、緊急事態宣言下での開催はあまりにも問題があり、また国際情勢を考え、再延期と申し上げてきました。
一方、今回の中国での北京オリンピックは、世界的なパンデミック下での開催でしたが、中国自体はゼロコロナ政策をとり、同国内での感染者数と犠牲者数はほぼゼロの中での開催となりました。これは東京オリンピックとは雲泥の差です。
東京オリンピックは、緊急事態宣言発令下、新型コロナウイルス感染者が自宅で何もケアを受けられない中で孤独死し、世の中では開催反対の意見が続出する中での開催でした。因みにNHKはその後、その反対運動はお金が払われてのものというねつ造をし、言論弾圧に走りました。
一方、中国国内では新型コロナウイルス感染者・犠牲者がほぼゼロの中でオリンピックが行なわれたわけです。これは為政者としてとても大事なことです。オリンピックという世紀のイベントを、中国は国民の犠牲を出さないで行ない、日本は国民を省みずに行なったということなのです。
どちらが良い政治かと言えば、当然、中国なのです。これが現実の見方です。日本の政治家の劣悪さによってこのような差が生まれたのです。
北京オリンピック開催にあたり、色々な問題があったことでしょう。
しかし、この新型コロナウイルス感染者・犠牲者がほぼゼロの中で北京オリンピックは開催され、東京オリンピックはそうでなかったと言うことが、極めて大きな差となるのです。それは政治の国民に対する姿勢の現れであり、これからの双方の国の将来性の違いとなってあらわれることなのです。
人を大切にしない国が伸びるはずはないのです。なぜなら、国は人によって成っているからです。とてもシンプルな真理。
平和の祭典であった東京オリンピックはまさに右翼政治家によって台無しになったと考えます。

◎ 東アジアの時代の象徴であったはずが
北京オリンピックの閉幕を観て、2018年の平昌オリンピックからはじまった、東アジアでの3連続オリンピック開催についてしみじみと考えました。平和の祭典を東アジアで3連続開催する。まさにこれからの東アジアの時代の象徴となるはずだったと考えます。
しかし、この東アジアでの3連続オリンピック開催は、新型コロナウイルスと日本の右翼政治家によって台無しになったと考えます。この損失が日本人と東アジアの人々にとってどれだけのものだったかと考えます。
日本の右翼は、戦前・戦中と同じく、東アジアを敵意と分断と侵略・恐怖で満たそうとしています。彼らはただただ同じことを繰り返すだけなのです。だから、これからもまったく同じことを繰り返します。

◎ 高市の『暴支膺懲(ぼうしようちょう)』
自民党政調会長のタカイチが、以下のように首相になっても靖国参拝を続けると明言し、続けて「途中で参拝をやめるなど中途半端なことをするから相手がつけ上がる」と述べたと報じられています。この『つけあがる相手』とは当然、中国と韓国です。その他にはない。

「首相になっても靖国参拝 高市氏が意欲「中途半端はつけ上がる」」(2022年2月19日 毎日新聞)

本ブログ「《日本の政治》共産主義より数千倍、軍国主義の可能性がある日本 極めて危険な現実 (3)」(2021年10月16日)などで『暴支膺懲(ぼうしようちょう)』ということを申し上げました。
これは戦前・戦中、日本で『鬼畜米英』とともに散々言われたスローガンです。その意味は、『乱暴で人道にはずれている中国を、征伐して懲らしめろ』です。
『膺懲(ようちょう〔征伐して懲らしめろ〕)』とは難しい漢字ですが、当時、暴支膺懲(ぼうしようちょう)ということを、日本はその中国の文字でいっているわけです。何とも間抜けというか、破廉恥というか、夜郎自大というか。そして、暴支膺懲と言いながら、結局は自国を亡ぼしたのですから、何とも底抜けにバカだなと思ってしまいます。
こう言って、先人に失礼なんてまったく思いません。当時、とくに戦後、多くの日本人も同じように思っていたことでしょう。だから、長らく戦後の日本人は戦前の否定をしてきたわけです。
それに、戦前・戦中、中国を侵略していたのは日本であって、それを普通に考えれば『乱暴で人道にはずれている』のは日本のほうです。現在の日本人のほとんどはこのようなことをすっかり忘れてしまっていますが、中国・韓国ともそれは覚えている。当たり前。だから、戦前・戦中の軍国主義・国家神道の象徴である靖国への日本政府閣僚の参拝に反発するわけです。
私は何度も8月15日に靖国参拝をしましたが、この中国・韓国の反発は当然だと考えています。私が中国・韓国の立場なら同じように激しく反発します。したがって、私が首相になったら靖国参拝はしません。ただ、神社の参拝はします。無論、これは軍国主義、国家神道とは無関係のことです。毎月1日と15日に神社に参拝することは、20年近くずっと行なっていることなのです。
話しを戻すと、このタカイチの発言である「途中で参拝をやめるなど中途半端なことをするから相手がつけ上がる」というのは暴支膺懲(ぼうしようちょう)の論理そのものなのです。
だからこそ、上記、毎日の記事には中国・韓国の反発が予想されるとありますが、もしかしたら『無視』される可能性もあります。それほど日本は国力を落としていると言えますし、政治家としてタカイチはたいしたことはありません。

◎ なぜ、北京オリンピックが閉幕するまで待たなかったのか?
それにしても、タカイチはどうして北京オリンピックが終わるまで発言を控えなかったのでしょうか? 仮にも与党政調会長です。昨年の東京オリンピックのときに、中国・韓国がこのような挑発的な言動をしたでしょうか? 私はしていないと思いますが、それでいてこのタカイチの発言では、はっきり言って子供ではないですか? 日本を貶める。もう少し大人の対応をしたらどうなのかと、とても情けなくなります。
日本でオリンピックを開催しているときには、中国・韓国とも筋を通したのですから、日本もちゃんと筋を通すべきでしょう。こんなタカイチのように器が小さいのでは話になりません。
そして何よりも天皇陛下が東京オリンピック・パラリンピックの名誉総裁であったわけです。以下の記事にあるように中国は東京オリンピックを全面的に支持し、協力をしているわけで、当然、中国で行なっているオリンピックについて、日本はしっかりと敬意を表するのが礼儀というものでしょう。それが東京オリンピック名誉総裁であった天皇陛下のお顔を立てることになるのです。
しかし、このタカイチの発言では、当然、東京オリンピック・パラリンピックの名誉総裁であった陛下への当てつけになるのです。これは許されない。とにかくいつまでたっても、右翼は反天皇の動きをやめません。もちろん、これは戦前からずっと続くものです。このこともほとんどの日本人は知らないことです。しかし、映画『日本のいちばん長い日』で描かれた宮城事件ひとつとってみても、それは明らかなのです。昭和天皇が終戦の御聖断を下したとき、それはダメだと右翼がクーデターを起こしたわけです。そのクーデター未遂事件の首班としてアベ氏の親戚・松岡洋右が担がれていたのです。わかりませんか、その意味。
現代でも、親天皇を語って街中を黒塗りの街宣車で大音響をがなり立てて走り回る右翼。その街宣車に菊花紋を僭越にもつけている。おかしいですよね。そして何よりもあのような右翼をみて、日本国民は皇室に親しみを覚えるでしょうか? 反対ですよね。そういうことを右翼は意識的に行なっているのです。その本質は反天皇。それが右翼の正体。

「中国『東京五輪全力で支持した』日本に“信義”要求」(2021年12月9日 テレビ朝日)

ひとつ、確定事項としていえることは、右翼は平和の祭典であるオリンピックは台無しにすることしか考えていないということです。だから、その究極としてアベは東京オリンピック開会式を欠席したのです。
そのような平和の祭典・オリンピックを台無しにする右翼の策略に乗ってしまった人がとても多いと考えます。もちろん、私も当初、間違った判断をしていました。

◎ 信教の自由と政教分離と民主主義を理解していない与党政調会長
上記のタカイチ発言を取り上げた毎日新聞の記事には以下のように書かれています。


高市氏は2021年9月の自民党総裁選に出馬した際も「私の信教の自由だ」として、首相になった場合の参拝継続に意欲を示していた。


タカイチは首相になったときの信教の自由を強調しています。しかし、仮にタカイチが首相になったときに問題となるのは、タカイチの信教の自由ではないのです。常に最優先されるのは主権者である『国民』の信教の自由なのです。それが民主主義。
そして、主権者である国民には仏教徒もキリスト教徒も沢山いるのです。
首相が自分の信教を大々的に掲げゴリ押しをすれば、それは当然、政教分離の原則をおかすことになり、さらに政教分離がなっていなければ、当然、国民の信教の自由が阻害されているということになるのです。
タカイチはあくまでも自己を中心にしてしか考えられないから、上記のような言葉になるのです。自己中心の子ども脳の論理。そこには国民への視線は皆無で、とても非民主的、危険な中味なのです。とにかく、これではやってらないと思えるほどのレベルの低さ。これが与党政調会長の言葉かよと言うレベルなのです。この人はセンスがない。
そして、タカイチは言うまでもなくアベのクグツ(傀儡)です。言われてこのような発言をしてるのでしょうが、タカイチが問われるのは、アベが失脚した後、もしくは死んだ後にどうなるかということなのです。もちろん、そうなったら終わりと考えているのでしょう。だから、どかまでもクグツ(傀儡)であり続けるのでしょう。これは間違いないことと考えます。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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