<ロシア・ウクライナ情勢> プーチンの批判を受け止められない日本の危険性 | ||||
[日本の政治] | ||||
2022年3月28日 23時58分の記事 | ||||
以下のテレビ朝日の記事では、3月25日、ロシアのプーチン大統領が日本の歴史教科書では「誰が原爆投下したかを言わず、真実を無視している」と批判したことを報じています。また、プーチン大統領は「日本では追悼の日にも誰が原爆を落としたのかは言わないことになっている」とも述べて批判しています。このことを少し考えてみましょう。 「プーチン氏“持論”で日本批判『日本は真実を無視』」(2022年3月26日 テレビ朝日)
中・高の社会科や歴史の時間を思い返すと、米国が原爆を投下したとは、教科書に書いてはあるでしょう。ただ、そう書いてあっても、『米国』ということが強調されることはあまりないと考えます。 だから、最近では日本と米国が戦争をしたことを知らない若者はとても多いわけです。以下の記事に、そのことが載っていますが、このような戦争と言うものに対して無防備で、危険性を考えず、忌避感がない世代、言ってみれば『平和ボケ』の世代は、将来、必ず戦争に巻きこまれ、悲惨な想いをすることになるだろうと危惧します。すでに今やそういう傾向が出ています。このままだとZ世代などの未来はとても暗いと考えます。とても残念です。 「【エンタがビタミン♪】菊地亜美も“終戦記念日”が何日か「出てこない」。日本と米国が戦争したことを知らない若者も。」(2014年8月17日 テックインサイト) いずれにせよ、米国と戦争をしたことすら知らない人々が沢山いるのですから、当然、原爆を米国が投下したことを知らない人も沢山いるのです。そして、若年層ほどこの傾向が強くなるわけです。 言うまでもなく、このようになるのは、米国と戦争をしたということをしっかりと教えていないからです。社会科や歴史の授業では、大抵、第二次世界大戦などの現代史は、1年の最後の最後にちょこちょことやるだけです。それでは、日中戦争や太平洋戦争で何があったかなんて言うことはしっかりと学ばないままになってしまうのです。私でさえ、日中戦争などについてしっかりと学ばなかったと反省をしています。 ですので、事実上、プーチンがいうように誰が原爆を落としたかということが、強調されて教えられないでいることは事実でしょう。そして、そのほうが、これまでの日米同盟の日米両政府にとっては都合が良いのも事実です。そういうことが、これまででは朝鮮戦争やベトナム戦争などの継続にとってのポイントになっているのです。 上記のテレビ朝日の記事では、このプーチンの指摘を『独自の主張』と述べていますが、まったくそのようなことはないでしょう。むしろ、このプーチンの指摘を『独自の主張』と表現してしまうテレビ朝日こそが、戦争についてしっかりと教えられていない日本の若者が多くいる極めて危険な状態を無視しているという、とても悪意あるその本質をもっていると非常に感じます。 このようなプーチンの批判が3月25日にあって、その翌日、首相の岸田と米大使が広島の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花したということになったのでしょう。プーチンの批判によって日米離反とならないようにと言うことなのでしょう。 「岸田首相、米大使と広島訪問 ロシア核使用『許されぬ』」(2022年3月26日 時事通信) 上記の時事通信の記事では、この日米での広島・原爆死没者慰霊碑に献花ということともに、「ロシア核使用『許されぬ』」と書かれています。 しかし、ロシアはこれまで原爆を使用したことはないのです。あくまでも使用したのは米国だけなのです。繰り返します。あくまでも使用したことがあるのは米国だけなのです。そして、今後も米国は核兵器を使用する可能性があるのです。核兵器を全廃していませんよね。核兵器禁止条約にも署名してもいません。 実は、この記事でも『誰が原爆投下したかを言わず、真実を無視している』のです。あくまでも『米国が原爆投下した』とは明言しないのです。これでは、やはりプーチンの言うとおりと言うことになってしまいます。 ◎ さらに深刻な問題 冒頭のテレビ朝日の記事にはさらに深刻な問題があるのです。それは以下の部分です。
この文を観てみましょう。プーチンが指摘する『日本の教科書ではアメリカが虐殺行為を行ったと説明せず、真実を無視している』ということを『根拠は不明ながら』として、プーチンが『持論』を展開したと書いています。 恐らく、テレビ朝日自体は、このプーチンの言葉の真意がわかっていないのでしょう。それは『虐殺』という意味のことです。 ウィキペディアでは、広島・長崎で原爆での犠牲者を『15万 – 24万6千人』としています。そのほとんどが民間人です。 また、東京や諸都市への米国による空襲の犠牲者はウィキペディアには、以下のようにあります。そのほとんどが民間人です。
沖縄戦の犠牲者については、ウィキペディアには、以下のようにあります。
原爆投下はいかなる理由であっても無差別攻撃の虐殺です。大虐殺です。東京などへの空襲も大虐殺なのです。沖縄戦も大虐殺なのです。民間人をこれだけ無差別に殺せば、それは虐殺なのです。大虐殺なのです。 先の大戦については、日本が悪いと私は考えていますが、しかし、これらの膨大な犠牲は米国による虐殺なのです。 それはいかなる理由があっても変りません。これは、『根拠不明』でも、『プーチンの持論』でもない、紛れもない事実なのです。 そして、テレビ朝日のようにこれらの犠牲者について『虐殺』という認識がないから、先の大戦について、過去の悲惨な話程度になって忘れさられていくのです。 実は、このことは極めて危険なことなのです。なぜか? それは、このテレビ朝日の虐殺という認識がない『感覚』が、日本に加害者としての虐殺の意識がないということの裏返しになるからです。 だから南京大虐殺がまったくなかったと言い放ち、先の大戦では日本は全く悪くなかったと開き直るのです。 このテレビ朝日の記事内容の視点は、実は先の大戦についての加害意識が欠落していることの裏返しでしかないのです。だから、とても危険であるのです。日本での虐殺は軽く扱う、そして日本が行なった虐殺は認めない、先の大戦の責任は無視する。テレビ朝日はもはや戦争肯定のまったくのネオコンの論調を張っているにすぎないのです。 | ||||
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