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『情』の国家論
[日本の政治]
2022年7月1日 23時50分の記事

昨日の本ブログ「『政』を知らない圧政のための政治家」(2022年6月30日)で保守のお話しをしたので、その続きを少ししましょう。

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私が国民新党で広報部長をしていたとき、兼任で政策についても担当していました。政策と広報は切っても切れません。その上、選挙もこなしていましたから、大変に忙しい日々でした。
国民新党の政策は反新自由主義のそれです。日本で最初にこの方向性をはっきりと打ち出した政党です。そういう反新自由主義の政策の中に郵政民営化反対があったわけです。国民の貯金500兆円をどうして海外の資本に実質渡さなければならないのか、どうして国民のためにつかわないのか、いまだにそれは疑問でしかありません。
国民新党は他、資本の論理を優先させて国民を収奪することに徹底して反対しましたし、労働者を重視しました。社会主義・共産主義ではありませんが、重なる部分は多々ありました。賃金上昇、格差是正、弱肉強食社会からの脱却、非正規労働拡大反対などなどです。また、自公政権によって進められていたワクチン開発・製造の自立性の喪失についても唯一警鐘を鳴らしていました。
そして、一貫して消費税反対を唱え、財政出動と可処分所得の向上を訴え、分厚い中間層の創出を提唱し、目指しました。
2012年、その消費税増税を連立政権のパートナーであった民主党が推し進めたので、党首であり結党を進めた亀井静香さんと亀井亜紀子さん(静香さんの娘ではない)が、連立離脱を主張しましたが、内部の議員が消費税増税賛成・連立維持の党内クーデターを決行、国民新党を結党した二人の亀井さんが離党という形で同党は実質瓦解しました。
その消費税が今もまた問題となっているのですが、政権離脱を実行してまで消費税増税反対を貫いたこの二人の亀井さんは筋が通っていますし、立派だと考えます。ただ、この二人を追い出した党内クーデターを起こした政治屋は、国民を見捨て、自己の権力維持に汲々として、立党の精神の反対を行く消費税増税に進んだわけです。その者たちを逆立ちしても筋が通っているとは言えません。このことは彼らには一生残ります。
2012年と言えば、東日本大震災から間もないときです。そういうときに、福祉を盾にして大型増税をすることが、為政者として正しいこととは到底思えません。普通なら人でなしと言われるレベルです。その民主党の増税に自民党も公明党も参画したのです。したがって、その後のアベ政権においてもこの路線が継承されました。新自由主義と消費税はセットなのです。
国民新党と消費税についてはこのようなことがありました。話しを戻しまししょう。
今はこの反新自由主義の動き、勢力は多少は増えましたが、2005年から2010年くらいまでの間は、やはり反新自由主義を国民へいくら呼びかけても理解をしていただくことはかなり大変な作業でした。わかっている方は本当によくわかっているのですが、その数はとても少数であったわけです。ですから、その後、日本にはこの新自由主義の毒が回り、必然、国民の生活から豊かさが日々失われました。その結果、気がつき始める人が少しずつ増えてきたのです。
しかし、当時はそうではありません。そう言う中で、どうやって国民の皆様に国民新党の政策と思想をお伝えし、理解していただくか、私はとても悩んでいました。何か、先が見えない深い霧に包まれている感じがしていました。私自身、そもそもが大変な新自由主義者・タカ派だったので、国民新党の政策をよく理解していなかった部分もあったと思います。
そのようなとき、私に一冊の本が送られてきました。以下の『「情」の国家論』です。著者の山本峯章さんが送ってくださったのです。

『「情」の国家論』(光人社 2008年 山本 峯章著、村上 正邦著、佐藤 優 著)

この本、出てくる単語は右翼的です。私は元来、右翼が嫌いなのです。なぜか、彼らからは意気込みを競う姑息さのようなものを常に感じてしまい、それが同胞を愛する心ではなく、その反対のナルシシズムの心根の象徴のように思えて仕方なく、とても忌み嫌っていました。今でもそれは変りません。
ですので、この本を読み進めていくうちに、右翼的な単語が出てくるので忌避感が最初は出てきました。それに共著者の村上正邦さんは、元は参議院のドン、私は参議院議員の秘書時代から村上さんを存じていますが、とにかく、こわいオジさんという印象しかなく、そう言う意味でもこの本については最初、忌避感がありました。
しかし、読み進めていく内にどんどん吸い込まれるようにその内容に没頭していきました。
この本のメッセージはシンプルで、政治は『情』をもって行なえと言うことです。
昨日にお話しをした仁徳天皇の民のかまどと同じです。保守の真髄は人々への『情』であるのです。 
私はこのことをこの本から教えられたとき、国民新党の政策の意味がはっきりとわかり、目の前の霧は一気にはれました。このように考えて良いのだ、そしてこのように考えなければならないのだとはっきりとわかりました。
そして、綿貫民輔先生、亀井静香先生、亀井久興先生が政治生命の進退をかけて訴えた心と思想と政策の真髄が、そのときはっきりとわかりました。以降、このことは我がこととなり変っていません。
国民新党は『情の党』なのです。これからは、このことが世界で最重要になります。いずれこの意味がわかります。そう考えたとき、現在、保守といえるのは、国民新党の政策と多くの部分が重なる山本太郎氏くらいかと考えます。

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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プロフィール
片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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