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国民のためではなくG7サミットのための演出、プロパガンダ及びミスリード
[日本の政治]
2023年5月19日 23時51分の記事

以下の記事では5月19日の株価が3万円を超えてバブル後の最高値を更新したという、いたく景気の良いことが書かれています。ただ、この値動きは、5月16日にの本ブログ『日経平均の上昇について考える 』で書いたことが裏づけられただけではないかと考えますが、いかがでしょうか?

・ 『【速報】日経平均株価 バブル後の最高値を更新 』(2023年5月19日 TBS)

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とにかく日本経済は株高では伸びないということは冒頭で申し上げておきます。事実、バブルの時に日本経済は伸びたでしょうか? 伸びてはいません。しかし、だからといって、これから暴落すれば余力がない日本経済は崩壊します。これからの日本は『実』のあることを地道に積み上げていくしかありませんが、今のキシダ政権ではそれは無理でしょう。
さて、本題に入ります。前回5月16日に書いたときから、日経平均はたった3日で約1000円上がっています。一方、円ドル為替は、3日で約2円安くなっています。まさに急激な動きです。そして、5月16日に書いたシナリオのように、ダウは上昇しています。ただ、その上昇幅は日経平均のそれには届いていません。
日経平均は爆上がりしていますが、円安になっているので、海外からの資金流入と言うことではないと考えます。海外からの資金流入なら円高になります。したがって、端的に5月16日に書いたシナリオの通りと考えます。
しかし、上記のTBSの記事では、以下のように書かれています。


東京株式市場では日本株の割安感から外国人投資家などから買い注文が集まっていて、きのうまで、6営業日連続で値上がりしていました。 さらに、▼18日にアメリカで発表された失業保険の新規申請件数が市場の予想を上回ったことで、アメリカの雇用が堅調さが確認され、ニューヨーク市場で株価が値上がりしたことや、▼外国為替市場で1ドル=138円台後半まで円安・ドル高が進んでいることなどが追い風となっています。




この3日間で生じたこの急激な円安は、『東京株式市場では日本株の割安感から外国人投資家などから買い注文が集まっていて』、日経平均が約1000円も爆上げしたという普通なら円高傾向になることが起きていることを説明することにはならないと考えます。外国からなら円高傾向になるでしょう。
5月16日に書いたシナリオは、日本の株式市場で最大の投資家・日銀が爆買いすることを見越して手持ちの株を売る人々(勢力、金融グループ、国家の機関など)がいて、その株を日銀が買い取り、日経平均爆上がり、売った代金を持った人々は、次に、現在、金融不安が広がっている米国の株式市場に投入して、米国の株を買い支え、日米同時株高になっているというものです。このシナリオでは日銀から上がった株代金を米国に入れる際に、円を売り、ドルを買うので、円安ドル安になるわけです。
5月16日以降の値動きは、このシナリオが合理的な見方であることを示していると私は考えます。
そうなると上記のTBSの記事は、G7サミットにあわせて演出している日米株爆上げの本質を隠すためのアリバイ記事にしか私には見えません。
この日米株上げシナリオが『G7サミットのための演出、プロパガンダ及びミスリード』であるのなら、この記事は2番目のそれということになると考えます。
現在の日本経済の内容で、日経平均が3日間で約1000円も爆上がりする要素は無いと考えます。電気料金をみても、以下のように、これから最大40%の値上げがある日本で景気が上向くと考える方が頭がおかしいでしょう。この電力料金の一件だけをみても『国民のためではなくG7サミットのための演出、プロパガンダ及びミスリード』が、国民が完全に無視されて横行していることがおわかりいただけると思います。

・ 『【速報】大手電力7社の電気料金値上げ 経産省が正式認可 』(2023年5月19日 TBS)


○ すでに米国は覇権国家ではない
上記の5月16日に私が書いたG7サミットのための日米株高演出の一連の流れで、『手持ちの株を売る人々(勢力、金融グループ、国家の機関など)』と書きましたが、このことについて少しお話しをします。
3月20日、FRBが政策金利を引き上げたために生じている米国の金融不安に対処するために、『日米欧6中銀』ドル供給強化で協調すると以下の記事は報じています。そして、『手持ちの株を売る人々(勢力、金融グループ、国家の機関など)』は、まず『日米欧6中銀』が筆頭と考えて差し支えないでしょう。その他、ヘッジファンドや金融グループもそこに入るでしょう。なぜなら、西側の金融が崩壊すると、この金融グループやヘッジファンドも崩壊するからです。

・ 『日米欧6中銀がドル供給強化で協調 欧米の金融機関に信用不安 市場の動揺を抑える狙い 』(2023年3月20日 TBS)


そして、上記の3月20日の記事には以下のように書かれています。


6つの中央銀行は市場へのドル資金の供給を強化するため、現在、1週間に一度の割合で行っているドルの供給をきょうから毎日行い、少なくとも来月末まで続けます。今回の対応は、新型コロナが急拡大した2020年3月以来です。
信用不安が高まっている金融機関などが市場でドルを調達するのを助ける狙いで、市場の動揺を抑えたい考えです。




この記事で日米欧6中銀が『市場の動揺を抑えたい』がために協調するのは正しい説明です。ただ、本質は米国などの金融機関の信用不安が高まっていることではありません。FRBが政策金利を上げて、市中からお金がなくなっていることが問題なのです。これは日本のバブルのときに『総量規制』をやってバブルを破裂させたと同じことが、米国などで起きていると言うことなのです。だから、『総量』を維持するために日米欧6中銀が協調しているということなのです。ただ、FRBの金利引き上げで生じている事態に対して、もはやFRB単独では対処できないということは、明らかなポイントです。
そして、この3月20日のときの日米欧6中銀によるドル供給強化は今も続いていると考えるべきでしょう。なぜなら、欧米、主に米国での金融不安は、FRBが政策金利を上げたことによる人為的なものであり、こともあろうに、その金利が3月20日以降、さらに上がっているからです。ですから3月20日に比べて現在の方が米国の金融不安は悪化しているのです。そういうときにG7サミットがあって、米国の金融不安の再燃や株式市場の大暴落は、対ロシア及び対中国、対BRICsにおいて非常に深刻な悪い意味を持つことになります。
だから、上記のようなシナリオで日銀による日米株高の株価操作(price-keeping operation)が行なわれているのです。

3月20日以降、実はとても興味深いことが起きているのです。この日銀による日米株高の株価操作もそうです。ポイントはFRBではなく、日銀が主体になっていることです。
同様に3月20日に『日米欧6中銀がドル供給強化で協調』をはじめたときの議論もとても興味深いのです。このとき、以下のブルームバーグの記事では、日米欧主要中銀の国際協調が生じるほどになっているのだから、欧米・特に米国の金融不安の元凶であるFRBの政策金利引き上げを休止するという論拠が強まるということが言われているのです。

・ 『米利上げ休止の論拠強まる、日米欧主要中銀の国際協調受け 』(2023年3月20日 ブルームバーグ)


FRBが金利を上げ続けて、米国の金融不安が生じているのですから、利上げ休止は最低行なう必要があることであるのは当然のことです。私も3月20日の本ブログ『国際情勢についての雑感 その2 』で、同趣旨のことを書き『金利を下げればインフレ退治が遠のくという声が聞こえてきそうですが、はっきりいってこのまま世界大恐慌になるよりはるかにマシでしょう』と書きました。
FRBがインフレ退治のために金利を上げているとは、私は考えていません。その本因についてはザ・フナイ2023年1月号に書きましたので、それをご覧ください。その本因とは、端的に言ってFRBは金利を上げざるを得ないと言うことなのです。
実際、このことを証明するように、5月に入りFRBは金利を上げています。ですので、現在は一層金融不安の度合いは深まっているのです。
そして、FRBが金利を上げているのに、実は金先物(金先物CMX)でドルは価値を下げているのです。普通は金利を上げればドルの価値は上がるはずなのに、逆のことが起きているわけです。そして、これらのFRBドルにまつわることが、現在の世界のもっとも核心的な事象なのです。
FRBが政策金利を引き上げても 金先物(金先物CMX)はドルに対して下がらず、逆に上がるという、FRBが政策金利をあげても、ドルの価値は下がるということが起きています。
さらに、その金利引き上げによって、金融不安に陥っている欧米・特に米国について、FRB単独では解消の対処ができず『日米欧6中銀がドル供給強化で協調』をする必要があるというのが、現在の実相なのです。
このようにみてくると普通に考えて、米国はすでに通貨覇権を失っていて、覇権国家ではないということなのです。この理由は上記のザ・フナイ2023年1月号に書きましたが、実はこの状態がもう1年半以上続いているのです。これが現在の世界の核心的な事象なのです。
そして、この現在の世界の核心的な事象に、ロシア・ウクライナ情勢も 中東の情勢も 東アジア情勢も 日本の軍国主義化と可能性が極めて高い将来の日本の核兵器保有宣言(日本はすでに核を持っていると国際社会は1970年代から考えている。核兵器に繋がる原発再稼働しまくって核兵器なき世界なんていうキシダを、私はウソつきだと考える。ドイツのように原発全廃するならわかるが)も、すべて起因しているのです。

・ 『原発から核兵器はつくれる? 「核とエネルギー」を理解する3つのQ 』(2019年8月4日 朝日新聞)

・ 『「核兵器なき世界」求める岸田首相、広島サミットで厳しい現実に直面 』(2023年5月18日 ブルームバーグ)

(つづく)

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内容は今まで見たことのない国際情勢と世界史の分析で、2024年の世界情勢の根本要因が書かれています。この本とザ・フナイの連載をトータルで読むと、ロシア・ウクライナ情勢、パレスチナ・イスラエル情勢及び中東情勢、東アジア情勢など現在の世界情勢の本質が見えてきます。もちろん、日本国内の情勢も見えてきます。内外情勢は決して別々ではない。
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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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