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大使館に農産物輸出担当官設置
[日本の政治]
2015年12月26日 23時55分の記事

海外の日本大使館に農産物輸出担当官を置くと報道されています。果たして、これはうまくいくのでしょうか。

「大使館に農産物輸出担当官 TPP参加国など58カ所」(2015年12月25日 産経新聞)

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これは恐らく「攻めの農業」というスローガンのもとに行われることで、言ってみれば、農業に関するトップセールスということでしょう。農業を輸出という市場の原理に乗せるために、各大使館が情報を提供したりさまざまな便宜をはかると言うことになるのではないかと推測します。
農業を産業ということなら、なぜ農業だけというそもそも論がありますが、TPPで打撃を被る日本の農業を、輸出というもので活路を見いだそうと言う発想と推測します。
ある程度は、その市場原理にのる産物はあるでしょう。しかし、農業ということの全体像で見たとき、この方策は最終的に極めてアンバランスな状態を日本の農業にもたらすと考えますし、そのことが、かえってTPPで打撃を受ける農業全体の衰退を加速させるものと考えます。
農業というのは、社会や国家においてそもそも「攻め」ではなく、「守り」のもの、つまりそれらの基盤なので、その基盤作りの発想が無い限りうまくいきません。基盤が盤石で、その上で余剰物を輸出すると言うことならわかりますが、ただ単に輸出という発想には根本的な基盤作りの発想がありません。それは、間違いなく農業の崩壊をもたらします。
いつも通り、個別的、ミクロの発想・視点で物事を考える悪い癖がここにも出ています。この視点には時間軸もなく、そもそも農業ということについての全体的な政治的な観点が全く無くなっています。それは新自由主義のなれの果てで、最終的には崩壊を必ずもたらします。なぜなら、そこには社会や国の成り立ちへの視点、思想がないからです。農業は田畑があればできるというものではありません。治水やその他のさまざまなものが融合してできるものですが、一度、個別的、ミクロの新自由主義的な発想ではそういう基盤も失われていくでしょう。
実は、これは経済も同じなのです。新自由主義で日本は活性化するともう10年以上言われていますが、全くその逆になっています。昨今、消費低迷が非常に鮮明になっています。しかし、物価は横ばいか上昇です。また、一人あたりのGDPは世界で20位になったと報道されています。かつての日本の面影はまったく無くなりました。金融緩和などの経済政策をしているのに、全くアドバンテージを生かせていません。むしろ、日を追うごとに状況は悪く、また複雑になっています。それは、上記のようにミクロの発想で時間軸がない新自由主義の発想だからです。この発想による説明は、その時々は非常にもっともらしいのです。それは時間軸がないからなのですが、しかし、その「もっともらしい」ものの積み重ねで社会や経済の基盤がガタガタになっているというが今の日本の状況です。この傾向は続ければ続けるほど、その傾向は顕著になりますが、これはリーダーがリーダーの哲学がない故に生ずる現象です。既に限界とも言える状況で、発想を変えるにはもはや人を変えるしかないでしょう。
現政権は、これまでトップセールスと言って色々と行ってきましたが、あまりうまくはいっていません。相当にアドバンテージがある新幹線も後発の国に勝てない状況が出現しています。アドバンテージが生かせないというのが、その本質と考えますが、この原因は上記のように発想の貧困に起因しているものと考えます。アベノミクスも最終的には同じでしょう。
このようになるのは、あくまでも国民を愛する力や姿勢が無いからと考えます。還元主義的な思考では理解できないでしょうが、そういうものがとてもリーダーの部分では必要です。そして、上記のことはこの政治の本質が既に無くなっているから当然、起こるべくして起きているということなのです。

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片桐 勇治(かたぎり ゆうじ)プロフィール
1967年生まれ。東京都出身。中央大学法学部政治学科卒。高校がミッションスクールの聖学院高校で高校・大学時代は聖書研究に没頭。
大学在学中から元航空自衛隊幹部の田村秀昭元参議院議員の秘書、以来、元防衛庁出身の鈴木正孝元参議院議員、元防衛大臣の愛知和男元衆議院議員の秘書、一貫して政界の防衛畑を歩む。
2005年から国民新党選挙対策本部事務局次長、広報部長を歴任。2010年より保守系論壇で政治評論を行う。 yujikatagiri111@yahoo.co.jp
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